Major League Lacrosseの基礎知識

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米国男子ラクロスプロリーグのMajor League Lacrosseについて、その歴史のはじまり、シーズンスケジュール、メディア、ビジネス等といった基礎知識をWikipediaやMLLプレスリリース等をリソースに紹介していきます。

歴史のはじまり

Major League Lacrosseの歴史は1998年の夏にラクロスの広まりに関する記事に感銘を受けたJake “Body by Jake” Steinfeld(*1)がフィールドラクロスプロリーグ創設を思い立ったことに始まります。1999年2月にはWarrior LacrosseのオーナーであるDave Morrow(*2)、Bay Shore Enterpriseの会長であるTim Robertsonと共にMajor League Lacrosse, LLCを設立。2001年に6チームでシーズンが始まり、2016年現在9チーム、200名を越えるプレーヤーで構成されています。

(*1)Jake Steinfeldは俳優でありアントレプレナー。21歳で起業し24歳で自身の出演する600のフィットネスプログラムをCNNに提供。Body by JakeはJake Steinfeld自身の出演するフィトネスプログラム。
(*2)Dave MorrowはWarrior Sportsの創設者で1994年、1998年ラクロス米国代表。プリンストン大学1991年卒業。Warrior Sportsは1992年創設で2004年よりNew Balance子会社。2014年には英サッカープレミアリーグのリバプールFCのKit Supplierをつとめる。

シーズン

シーズンは4月頃から8月頃まででホームアウェイ方式のリーグ戦が開催されます。2016年はレギュラーシーズンの上位4チームによりプレーオフトーナメントが行われました。オフシーズンのメインイベントはドラフトなどのプレーヤー移籍です。

チーム

現在9チームあります。最大で10チームが存在したことがあり、2006年から2008年まではカリフォルニアにも2チームが存在ました。2012年には2020年までに16チームまで拡大する計画が発表されています。2016年にはAtlanta Blazeが新加入しました。

Team Joined
Atlanta Blaze 2016
Boston Cannons 2001
Charlotte Hounds 2012
Chesapeake Bayhawks 2001
Denver Outlaws 2006
Florida Launch 2014
New York Lizards 2001
Ohio Machine 2012
Rochester Rattlers 2001

MLL Team Location
画像出展: Wikipedia

プレーヤー

1チームは25名のActive Rosterと6名のPractice Squad、MLL Inactive Players 数名で構成されています。オフシーズンにドラフトやトレードが行われます。

2016年はAtlanta Blazeが新チームとして加入したため、Atlanta Blazeが他チームから選手を選択するExpansion Draftがありました。各チームのプロテクト選手12名以外について指名獲得が可能です。各チームは2人指名されて以降は1名指名されるごとに、1名プロテクト選手に追加登録することができるので、最大流出人数は限定されます。戦力均衡を図る工夫です。余談ですが先日「MLLアナリストによるMLL Final観戦のポイント紹介」で紹介されていたOhio MachineのDominique AlexanderはAtlanta BlazeにExpansion Draftで指名されましたが、同日のうちに複数トレードでOhioに引き戻されています。

Collegiate draftは1月に行われます。2016年1月に行われたドラフトは2016年NCAAシーズン以降に出場権がなくなるカレッジプレーヤーが対象で、DukeのMyles Jonesが全体一位指名でした。なお、1月にドラフトが行われるようになったのは2013年からで、これはパブリシティを意識したものです。ドラフト指名選手はNCAAシーズン中に移籍予定のMLLチームも併せて紹介されるので、必然的にMLLとNCAAのつながりが観戦者に意識されるようになります。

Myles Jones

MLL 2016 プレシーズンスケジュール

2015年9月 各チーム23名のPlayer Protected Listを提出
2015年10月 各チーム23名のうち10-12名のPlayer Protected Listを選出。残りはExpansion Draft対象。
2015年11月 MLL Expansion Draft開催。Atlanta Blazeが15名の選手獲得。
2015年12月 MLL Supplemental Draft開催。各チーム23名から35名までのRosterとすべく選手獲得。
2016年1月 MLL Collegiate draft開催。2016年NCAAシーズンを最後にプレー権利がなくなる選手対象。
2016年4月 最終チームメンバー確定

メディア

2003年から2012年まではESPN2で全試合放映されたましたが、それ以降は視聴率の悪さからレギュラー番組ではなくなりました。2016年シーズンはLAX Sports Networkがレギュラーシリーズを放映し、CBS Sports NetworkがAll-Star、Semifinals、Finalを放映しました。

ここで少しLax Sports Networkについて紹介します。Lax Sports Networkは2016年1月から開始したネットワークサービスで、「ラクロスで起きているすべてのことを発信する」サービスです。このサービスが特に着目しているのがストーリーです。ラクロスプレーヤーのインタビューやストーリー紹介、試合ハイライトの提供、試合ハイライトでのより突っ込んだ解説等、「ラクロスで何が起きているのか」を詳しく色をつけて視聴者に提供するわけです。これは米国ラクロスでも新しい取組ですし、メディアの使命を感じます。Redditにアップされている2016年3月ころのユーザー評価は「発展途上を見守る」というレベルですが、今後に注目です。

ビジネス

MLLはその財務諸表を公開していません。チームオーナー制で収支は独立採算ではあるものの、チーム運営の独立性はあまりなくMLLと協働でのプロモーションになります。2008年シーズンを終えた際に4チームが財政難を理由に解散しましたが、その理由は低い観客動員数にあったとされています(2008年一試合平均観客動員数:New Jersey1,920人、San Francisco2,808人)。なお2016年シーズンの1試合平均観客動員数は4,268名でした。また、プレーヤーの殆どはパートタイムプレーヤーで平均年俸は約$10,000から$25,000程度となっています。チケット単価は$15程度です。

まとめ

MLLの基礎知識を紹介してきました。観客動員数が1試合平均5,000人以下であったり、フルタイムプレーヤーがごく少数であったり、地上波生放送が限定的配信であったり、まだまだマイナースポーツだということがよくわかります。ただもし「MLLはプロスポーツとして成功しているのだろうか?」と聞かれたら、僕は「十分に成功している」と答えます。MLL開始以降ラクロス競技人口の増加率は他競技を凌駕しているからです。この、MLLが成功したといえるかどうかについてはよく議論されていることなので、今後紹介していきたいと思います。

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Hayato Muramatsu

Hayato Muramatsu

投稿者プロフィール

①名前:村松 隼人
②職業:スポーツテックベンチャー
③出身:慶應義塾大学
④ラクロス歴:15年
⑤ラクロスで得たもの:アスリート思考

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