US Lacrosse LADM ー4歳から94歳までを巻き込むアスリートプログラムー

私はラクロスプラスに記事を投稿することになってから、ネットサーフィンをして情報を探しているわけですが、僭越ながらUS Lacrosseの意識とアウトプットがハイレベルであることに驚いています(少なくともWeb上は)。その中で今日はUS Lacrosseの提唱しているLADM (Lacrosse Athlete Development Model)について紹介します。キッズラクロスに興味がある人は是非ご覧ください!

LADM

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この図は4歳から94歳までラクロスを楽しむために、どのようにプログラムを提供していくかというイメージです。現在のアメリカラクロスは、上手い人だけがプレーを継続していくようなピラミッド構造になっていますが、これをどうスクエア構造に変えていくのか=生涯スポーツにするのか、ということが意識されています。ターゲットを4歳から94歳までで打ち出しているところにインパクトがありますね。

ラクロスは道具を使ったスポーツなのでスキル習得が難しいスポーツです。それを年齢別に6つのステージに分け、ステージに合わせて目標を定め、生涯にわたってインクルージョンするために提供するプログラムです。(年齢別とすることで安全面にもより配慮)

ここまでのビジョンはふむふむというところですが、ここからのエグゼキューションがまた凄い。プログラムの内容、すなわち「じゃあ具体的にどうすればいいの?」、というところで事細かにプレーフォーマットやコーチングプログラムを冊子に落とし込んで提供しているのです。

プレーフォーマット

プレーフォーマットには年齢別のステージに合わせて最適と思われるゲーム運営が書いてあります。指導者や親が目指すゴールはどこか、プレーヤーに対するコーチの人数、フィールドの大きさ、ゴーリーの有無、使用する道具等々が定められています。例えばU7ではプレーヤーにプレーする機会を多く与えることに主眼が置かれており、ゴールが入ると選手全員交代、2分以上点が入らなかったら選手交代などのルールがあります。

プレーフォーマットU9

コーチングプログラム

コーチングプログラムではメニューが冊子になっており、たとえばThe Progression Playbookのボーイズ版は141ページ、Age Appropriate Practice Guideのボーイズ版は87ページに及びます。

The Progression Playbookでは、習得する個人スキル、チームスキル一つ一つについて、レベル別(IntroductionからExtentionまでの6つ)と年齢別(U9からU15まで)にあわせてどのような練習をすべきかが紹介されています。

リソース:US Lacrosse LADM Coaching Tools 編集:村松

6つのレベル(Noであればそのレベルでの練習を継続)
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Individual Skill Development
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Scoopingスキル例
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メニュー名がキッズっぽくかわいらしい

Age Appropriate Practice GuideではStation Based Practiceを中心とした練習方法を紹介しています。より多くのボールタッチができる、待機時間が少ない、複合的にスキルや動きを組み合わせることで頭を使わせる、ということが狙いです。「年齢が低いほどコーチのアテンションが重要なので、プレーヤーの親にもサポートしてもらえ!」などコーチの悩みを解決するアドバイスも載っています。

4-6歳対象の目的例
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5-7歳対象の練習例
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これだけ体系化された具体的なアウトプット例があれば、コーチ素人の僕でも、(US Lacrosseの掲げる各世代のゴールに対して)結果を出せる練習プログラムを作ることができる気がします。

まとめ

US Lacrosseはその2016-2019 US Lacrosse Strategic Planにあるとおり、如何にラクロスを社会に広めるかということに主眼を置いて活動を行っています。明確なビジョン設定と具体的なエグゼキューションができているのは会員数の増加により資金と人材を確保できるようになってきたからと推察します。(*)

(*)2015 Annual Reportによると寄付を含めた収入が21百万米ドル(約22億円)、そのうち15百万米ドルがUS Lacrosseメンバーへのプログラムやサービス提供に利用された。例えば近年では選手の安全面に関する世間の意識が高まっており、そのリサーチには155千米ドル(約16百万円)が投じられている。

今までは体系立っていなかった教育プログラムが、確立してきている現在の状況は、さらなる競技人口拡大、社会への認知浸透を予感させますね!

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