MLLとNLLのパートナーシップを考える① – Paul Rabil

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NLLのプレーヤーの多くは、アマチュアボックスラクロスリーグのMSLとWLA出身者で構成されています(参照:National Lacrosse Leagueの基礎知識)。理由の一つとして求められるスキルセットがフィールドラクロスとボックスラクロスでは異なることが挙げられます。また、MLLとNLLのシーズンがオーバーラップしていることも障壁の一つになっています。

MLLのスタープレーヤーであるPaul Rabil(New York Lizards)は2013年以来のNLLに復帰することを検討していましたが、MLLの契約を考慮し2017シーズンの出場を断念しました。

今回の記事ではMLLとNLL両方でプレーするために制度として何が必要かについて、Paul Rabilがインタビューに応じています。

Rabil Moved to Protected List, Wants MLL-NLL Partnership

下記記事はUS Lacrosse Magazineの記事の私なりの意訳ですので、詳細に関しては原文をご覧ください。

Paul RabilとToronto Rock

Toronto Rockは7月1日にNew England Black WolvesからビッグネームであるPaul Rabilをトレードで獲得したが、Tront RockのオーナーであるJamie DawickはPaul RabilをProtected Player List(*1)に移すことを11月末に決定した。2017年シーズンはPaul RabilをNLLでは見ることができなくなった。

(*1)チームには在籍するがベンチ入り資格がないプレーヤー

Rabilは2013年5月にPhiladelphia Wingsのプレーオフでプレーして以来、NLLでプレーすることを見送ってきた。Rabilはキャンプに参加するなど2017年シーズンをプレーすることに前向きであったが、今はNLLに復帰するときではないと決めた。

「残念ながらRabilがMLLとNLL両方でプレーすることはまだワークしない。彼はNLLでプレーすることに前向きだし、Tront Rockも彼の獲得に前向きだ。私たちの間のコミュニケーションは常にオープンであり、彼はそのうちTront Rockでプレーすることになる。しかし残念ながら2017年シーズンはタイミングではなかった。」Dawickは言った。

Rabilの事情

Rabilは2008年のNLL entry draftの全体2位で指名された後、2010年はWashington StealthでNLL優勝に貢献。しかしその後2013年以降は、NLLとMLLのシーズンオーバーラップを理由に、NLLではプレーをしていない。Rabilは現在MLLのNew York Lizardsに所属し、2015 MLL Steinfeld Cup Championship titleでthe Coca-Cola Player of the Gameを獲得するなどチームを牽引している。

「私をNLLに呼び戻したいと考えてくれているTronto RockのオーナーであるJamie Dawick、チーム、プレーヤーそしてファンに感謝したい。ここ数か月トロントで過ごした。TRAC(*2)でユースクリニックを開催した。私はNLLに戻りたいと考えている。私は5年間のNLLキャリアで素晴らしい二つのチームに所属した。そして多くのことをTront Rockのキャプテンやプレーヤー、例えばColin DoyleやBrodie Merrillから学んだ。今も多くのことを学びたい情熱がある。」

(*2)Tront Rock Athlete Centerの略称。2012年12月に開館したインドアラクロスアリーナ、トレーニングジム、Tront Rock ビジネスHQを兼ねる複合施設。

「しかし2017年シーズンはそのタイミングではなかった。この10月にMLLのNew York Lizardsと3年延長オプション付2年契約を交わした。契約にはオフシーズン中にマーケティング活動にコミットすることが含まれている。MLLとNLLのスケジュールはオーバーラップしており、私が両方でプレーすることには支障がある。私はMLLとNLL両方の発展を願っているし両方に参加したい。Tronto Rockのメンバーとしてフィールドに立てるよう引き続きJamie Dawickとコミュニケーションをとっていきたい。」

US Lacrosse Magazineによる取材

Rockによる告知前にRabilはUS Lacrosse Magazineの取材に応じている。2016年シーズンはわずか13名のアメリカ人MLLプレーヤーしかNLLに参加しなかったことに関して、Rabilはもっと多くのMLLプレーヤーがNLLに参加できる方法を語った。

USLM: より多くのMLLプレーヤーがNLLに参加するためにどのような方法が考えられるか?

PR: NLLとMLLの間でパートナーシップを深めることだ。シーズンがオーバーラップしないようにすること、或いはオーナーシップを統合し二つのリーグを管轄する新しい事業体を創設することだ。一つ気に留めなければいけないのは、NLLとMLL両方でプレーすることのできる多様なスキルセットを持ったプレーヤーは非常に少ないということだ。

USLM: 9チーム中5チームはアメリカに本拠地を置いている。どうしたらアメリカにおいてNLLの認知度を高めることができるか?

PR: 新しいコミッショナー、フロントオフィス、マーケティング、メディア配信などがフォーカスすべき領域だと考える。新コミッショナーのNick Sakiewiczの初シーズンとなる2017年シーズンでの手腕が楽しみだ。

USLM: ラクロスはアメリカ四大スポーツに比べて露出が少ない。NLLはどうしたらもっと露出を増やせるか?

PR: 企業スポンサー、メディア配信が重要だ。いきなりスポーツフードチェーンのトップと提携することは野心的すぎるが、最終的なゴールとしては考えておかなければいけない。今は規模感が小さくても企業スポンサーを増やしていく必要がある。

USLM: フィールドラクロスプレーヤーがボックスラクロスのスキルを身につける機会はあるか?

PR: ボックスラクロスのスキルを身につけることは非常に有用だ。スピード、スキル、フィジカルとボディバランスが私にとって学ぶ点であった。多くのユース組織は冬季のボックスラクロスプログラムに資金を投入しており、それは良いことだ。

USLM: ボックスラクロスのどのようなスキルがフィールドラクロスに活かせるか?

PR: ボックスラクロスプレーヤーは素晴らしいスティックワークとフィニッシュ能力を持っている。ここ10年間、多くのNCAA所属大学はリクルーティングでそういった能力をもつボックスラクロスプレーヤーをアタックとしてスカウトしている。Brodie Merrills と Chris Sandersons(*3) はカナダのフィールドラクロスを変えた。伝統的でないスキルセットを持ったプレーヤーの増加が、Team Canadaの成功を支えている(*4)。

(*3)Chris Sandersonはカナダ代表ゴーリーとして4度ワールドカップ出場。ヴァージニア大学出身。脳腫瘍を患いながら2010年ワールドカップ出場。享年38歳、2012年没。カナダラクロスの英雄的プレーヤー。

(*4)2006年ワールドカップでカナダはアメリカを倒して1978年以来の優勝。2014年にも同じくアメリカを倒して優勝。フィールドラクロスのスキルをNCAAで身につけた選手がカナダのフィールドラクロスのレベルを押し上げている。

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Hayato Muramatsu

Hayato Muramatsu

投稿者プロフィール

①名前:村松 隼人
②職業:スポーツテックベンチャー
③出身:慶應義塾大学
④ラクロス歴:15年
⑤ラクロスで得たもの:アスリート思考

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