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【こぶ平レポート】全日本大学選手権大会『準決勝』振り返り

先週末に、コラムで紹介した、ラクロスの全日本選手権 大学、クラブ準決勝観戦された方も多かったでしょうね。

大学ラクロスは、歴史が変わる事に一番接近した年だと予想し、クラブ選手権は個性を楽しむ、具体的には、FUSIONさんのみ言及した守備的に行ったら苦戦すると、コラムで言及していました。

結果としては、違う形になりましたね。言い訳を綴ります。

今回は大学ラクロスについて語ります。
18日に行われた大学選手権準決勝。

私は、実際のゲーム観戦はできませんでした。従って、繰り広げられた内容の詳細はわからないので、観戦された人のご意見や、当事者のお話を元に考察してみます。是非ご意見を下さい。

試合前の見どころと予想は、東海及び4地区代表が、関東、関西に一番近づく年になるのではないか?
でも、やはり関東、関西は強い、特に女子は今までで一番強いかもしれない(という逃げ道)とも言いました。実際それしか言えなかったのですが、真意は、具体的目標を設定し、努力をされたチームがどこまで進化しているのかを、見て確認して下さいという事でした。

【結果】
☆女子 
慶應義塾大学vs南山大学(東海地区)   10対5   慶應義塾
同志社大学vs福岡大学(4地区代表)  12対7   同志社        
の勝利でした。

☆男子
慶應義塾大学vs南山大学  14対6   慶應義塾
大阪大学vs東北大学(4地区代表)  10対4   大阪大学
の勝利でした。

昨年の全日本大学選手権の準決勝は、 
☆女子 明治vs愛知教育 11対1、関西学院vs東北 16対3
☆男子 慶應義塾vs名古屋 9対7、 神戸vs東北  12対7
でしたから、
女子に関してはスコアをみると関東関西に他の地区が一番接近したとも言えるかもしれません。そして、実際には本当に近づいたと言ってよいのだと思います。
ただ、男子に関してはまだ、最接近したとは言いにくそうです。特に実際に感想とかが聞かれていないので、女子だけについて言及します。

二年間の結果だけで見るのではなく、ラクロスが変わりだした2012年から見ると12年は特異な年でした。

2012年 慶應義塾vs金城学院(東海)@決勝  14対8  金城学院vs福岡 13対2
2013年 南山vs愛媛(3地区代表) 7対9  関西学院vs愛媛 11対5
2014年 明治vs関西学院10対1、西南学院 6対8 関西学院 
2015年 南山vs東北 9対7、 南山vs関西学院 5対13 (明治vs関西学院 7対6)
と、関東と東海地区との差は6点以上、関西と4地区との差も6点差以上あり、真剣度も多少違っていたような感覚だったのが、今年は全力を挙げての5点差だったのは、かなり接近度が高くなったと言われるに足る年だったと思います。そして何よりも、女子の南山、福岡はこの為に何をどこまでやったから、こうなったという、自分たちの現在の位置を把握できたという点が大きかったと思っています。
チームにU22代表やユース代表も居た南山は180cmの男子を慶應のセンターの長身の選手に見立ててスクリメを実施するところまでやった。しかし、そのセンターの選手に5点獲られた。
結局役に立たなかったではなく、何をやって、それでも取られたのは何故か、初めて具体的に違いを実感できたのではないでしょうか?自分たちの中でどこまでやったという現在地点の高さが、相手の限界とまでは言えないが本気の力を引き出すかどうかを決めるものです。
そして、間違いなく慶應義塾は全力のパフォーマンスだったようです。(取るべき人が点を取っている事、白子選手5点、出原選手2点、竹村、友岡、吉原選手各1点)もちろんそこから、さらに限界点は高い所にあるのですが。
結果の10対5は絶対的な差になったと考えています。

福岡大学にも同じことが言えると思います。関西でよくラクロスを見ておられる人が、福岡の関係者と交わされたお話をまとめると
・ 福大の個の力は充分に同志社に対して通用した。
・ ゴールまわりでの攻撃の工夫が不足して、2人目、3人目の動きで得点を重ねた同志社との違いが大きい。
・ 同志社のボールマンへの寄せの速さが福岡大学の組織的な動きを阻み、一方、同志社は、早いパス回しで前へボールを運ぶ攻撃は、とても厳しいものだった。

この実感と、今までやってきた事の現在地を相対化することにより、絶対的な差について見極めができる。すると追いつく為と、本当に追い越す為にすることが見えてくるのだと思います。
ただ、1つ南山さん福岡さんへ贈る言葉があるとすると、前半での差を、後半に本当に狭められたのかどうかは追い抜いてみないとわからないという事です。前半の大量得点差から具体的に何を学んだか?交代選手が出て、変わったのか?それとも、相手選手の持久力等が下がったのか?ここを見誤るとまた、到達点が実はさらに上になる可能性があります。
ともかく、点差上の差が実力値の違いになったのだと思います。

2014年 大学選手権決勝 明治vs関西学院 10対1 
2015年 大学選手権決勝 明治vs関西学院  7対6(後半6対0明治大逆転。ここで本当に何が差か分かった?)
2016年 大学選手権決勝 明治vs関西学院  7対9

どうです、ちなみに2013年 大学選手権決勝 慶應義塾vs関西学院 11対2 です。

関西学院さんも関東との差を一旦覆した2011年以降に又開いた差を、4年がかりで覆す形で進化されました。(それが4年でリセットされるのも現実なのですね。)まず、本当の差を掴めるまで努力する事。そこからようやくTopへの進化が始まるというとても、長い物語になるという事を改めて実感した大学選手権女子の準決勝でした。
男子については、やはり述べられる材料も持っていないし、結果的に過去8年間でいえば関東を追い詰めるチームも出て来ていない。又、早慶のラクロスを本当に凌駕し、定着した大学ラクロスチームが現れていない現状では、女子のようにこうなると変わるというのは言えません。

今年、大阪大学が凌駕するのか?又来年は関東で何か地殻変動は起きるのか?注目は今年変わった一橋大学であり入れ替え戦まで行った、日本体育大学かもしれません。

ラクロス全日本大学選手権 決勝 11月26日(日) 駒沢オリンピック公園陸上競技場
   ☆女子    慶應義塾大学(4年ぶり3度目) vs 同志社大学(7年ぶり2度目)  14時半ドロー
   ★男子    慶應義塾大学(2年連続4度目) vs 大阪大学(2年ぶり2度目)  11時半フェイスオフ

有料(当日券1,500円;学生チーム全体で約12,000枚の前売り券が用意されています。それはお近くの大学チームにご相談下さい。)です。でも、是非学生さん一人一人が1人の友達を連れて参加してくれれば1万2千人の観衆になります。夢じゃなく一杯にしましょう。その価値がある試合になると思います。

試合の楽しみ方は又後日コラムります。

明日はクラブ選手権準決勝振り返りです。

こぶ平

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