【こぶ平コラム】クラブラクロスを愛して欲しいなぁ

ピョンチャンオリンピックも終わりパラリンピックが始まりますね。
冬季スポーツを取り巻く環境、パラリンピックを取り巻く環境についてマスコミにも取り上げられていますが、ラクロスを始め多くのスポーツも同様な環境にあるわけで、その辺関心が高い今ラクロスについて考えていきます。

2017年ラクロス振り返りを書く中で、クラブラクロスの現状と、こうなったらもっとクラブラクロスをする人も増えないかな?という思いを持ち、又女子のクラブラクロスが、学生王者に勝てない時代になってしまったのか?という思いと、世界と戦うのにクラブラクロスの充実が必要ではないか?という思いから、前回クラブラクロス(特に女子)の現状についてコラムリました。
今回は、そんな現状にどんな形で向き合っておられるのか?そしてクラブラクロスの楽しさ、そしてどういう問題に苦しんでいるのかを掘り下げてみました。
ラクロス協会さんへの、思い切った問題提起にもなっています。読者のご意見も頂きたいと思います。

クラブラクロスについて、男子の場合女子より高い継続率と新加盟率がある為、男女共通の取り組みの部分で語らしていただきます。

先ずは、女子クラブラクロスについて問題点と、それにどのように向き合っておられるか。
そんなタフなのに何が魅力なのか書いていきます。

前回コラムで大学生、中高生のラクロッサーさんはあまりクラブラクロスの事実をご存知ないのではなかろうか? と書きました。

・クラブラクロスって良くわからないので入りにくい!
・なんか学閥みたいなものがありそう!
・下部のプレーヤーだった人間は入れない!
・とにかく大変そう!
・会社との両立は無理!  等々

これらが理由であれば、男女の差は生まれないはずです。全てとはいいませんが、かなりイメージだけのお話で、それらに敏感な女子の参加率、継続率が少ないのではないかという見方があります。これは当たっていると思います。ただ、男女の差はやはりスポーツが好きという単純な動機の差が大きいのではないかと考えています。上のような理由を好きという思いが上回る事が今のクラブラクロスの存在理由になっていないか?
イメージではなく、しっかりと価値を伝える。又その価値が躊躇を越える魅力となる事がこれからの、クラブラクロスの存在理由になる

2017年の現状

◆2017年度全国での登録ラクロスクラブ数
(小学校以下対象のクラブ,非加盟団体は含まれていません。)
男子 北海道 3 関東 20 東海 4 関西 10 中四国 3 九州 4 合計 44
女子 北海道 1 関東 18 東海 4 関西 5  中四国 4 合計 32

◆登録選手数
男子合計 1,415名   女子合計 866名

これは前回示した数字です。今年度始まるにあたり、女子のクラブとして九州にSIRIUSというチームが設立され、九州でも女子の継続が可能になった事は進化です(昨年までは、alfaさんの九州支部?のような形であったのですが。)是非盛り上がって欲しいのです。
一方で、関東の1部チームを中心にかなりのリタイアの動きがありました。
公式的には不明ですが、まだ全国的には今年度の新加入の選手は多くないようです。

協会発表の数字から算出すると
学生選手 男子合計 3,185名 女子合計 8,054名
Teen’s  男子合計 92名 女子合計 1,050名 

女子選手の方が圧倒的に多いわけです。Teen’sの大学での継続率は又検証しますが
やはり、大学からクラブラクロスに進む率、特に女子の継続数が少ないと言えます。
明確な事は、人数比のクラブ数の違いは男女で明確な差がありますね。そういう意味では、今年の九州地区女子クラブが新設は歓迎すべき傾向です。

しかし、関東地区に限られた情報ですが、今年は20人以上の離脱があったようですからクラブの新設が女子クラブでの継続を高めるとは限らないようです。
関東のクラブリーグの幹部の方とお話をすると、関東地区でクラブが増えても試合をする場所や審判数に限りがある為、運営が困難になりつつある。という運営の物理的な問題を抱えているのが実情です。

具体的に考えましょう。3つのポイントに絞りました。

▶︎審判問題
ラクロス協会の発表によると
男子ラクロス審判員  110名 149チーム 4,692名
女子ラクロス審判員  210名 264チーム 9,970名

一見すると倍ぐらいなので、審判員も倍で少し足りないぐらいではないかと思われますが?
リーグ戦であるので、例えばクラブ女子1部6チームのリーグ戦 15試合 男子4チーム2回総当たりというものでも12試合ぐらいの差ですが。学生リーグが始まった瞬間に、30ゲーム以上の試合数の多さになります。実際には学生の下部リーグにしわ寄せが行くケースも多いようですが、シーズン中の審判確保の(Teen’sの試合は単純に女子の試合の増加になります。)問題は女子クラブ運営側の負担になっている事は間違いないでしょう。
この審判問題に関しては、ラクロス協会も審判試験受験を奨励し毎年学生審判資格の保有者は増えているはずです。しかしながら、実際に笛を吹いてくれる数の増加につながっているのかは疑問です。さらに笛を吹いて欲しいと頼んでも、審判員への報酬等の問題で現実は対応が厳しいという風にもお聞きしています。

そして、審判員資格試験の受験にも、ラクロス協会員でなければ受験できないという制約もあり(実際には1万円とも言われる年間会員料金を審判になりたいために払う人がいるとは考えらえません。)学生審判員に頼らざるを得ない現状は変わらないのでないでしょうか?

▶︎試合・練習場問題
さらに大きな問題は試合場の確保の問題です。学生の場合、幸いにして大学や高校のグラウンドで試合を行う事も可能ですが、クラブチームの場合クラブリーグの運営の方が少ない場所の取り合いに奔走されています。そして練習場についてもクラブの場合は大きな負担になっています。
この場所問題だけでも解決できれば、クラブリーグでラクロスを続ける気持ちが醸しだされるのではないかと感じています。

▶︎運営費用の問題
全ては、ここにあるといっても良いのですが、ラクロスというスポーツの運営費は全て協会員の会員費用で賄われています。
数年前までは、学生選手権、全日本選手権では協会のスポンサー獲得もあったようですが、公益法人化に向けてここ2年間は協会にもスポンサーの援助はありません。という事で、会員費およそ2億円程度で賄われる。会員数の割合で使われるとしたら2,500万円程度がクラブに向けた費用でしょうか?(この金額は、まったく推定です。実際の予算、その使われ方は今までは非公開です。)これでは、クラブの活動費は全て、自分達で賄うかもしくはクラブ協会にさらに払う必要もある事が想像されます。
しかも、勝ち進めば勝ち進むほど遠征費用等の負担が増加します。
実際に、各地から東京のクラブに参加されている選手には給料の多くをクラブ活動費に費やしている方々も多いようです。
この費用については明確な男女差は数字ではありませんが、NeOやalfaといった全国規模で選手が集まるクラブのようなケースは女子に多く見られます。その分費用負担も増加し、競技を続ける力を削ぐ事に繋がっているように思われます。
そして、これこそがクラブラクロスの活性化に対する最大の障壁ではないかと考えています。

ここまで述べた3つの理由については男子にも関わりますが、女子のクラブ継続率の少なさに関わる、現実的な理由ではないかと考えています。

じゃ、これではクラブラクロスには魅力が無いじゃないかと思われますよね。
何が魅力でクラブラクロスを続けているのか?

最近このコラムを掲載している、ラクロスプラス上でクラブラクロスの魅力を選手自身が語って下さっています。そこに回答があると思います。何より、大学で、高校でやり尽くす程狭い世界ではないラクロスをもっと楽しみたいという気持ちこそ原点だと思いますし、それに予想以上に応えてくれるのが クラブ・ラクロス の世界だと思います。

そんな。クラブラクロスを続けやすくする為には、先に述べた3つのネガティブな要因を解消する事が望まれます。ここからは、ラクロス協会さんにも真剣に考えていただきたい事を提案させていただきます。

基本は、あまりにもラクロス会員や家族のボランティアに頼り過ぎていませんか?そこを現実的に解決することを考えて欲しいという事です。

▶︎審判問題の解決
審判資格者の試合への参加を促すには、少しでも良いから報酬を支払いましょう。
審判資格を取るのに、ラクロス会員費用を取る事はないでしょう。プレーを辞めた人でも審判を年1、2回なら吹けるという人は多いと思います。一般の審判資格者が生まれる余地も必要です。

サッカーの場合どうでしょう
審判員総数は 264,206名(2017年4月1日現在)  です。
新規審判資格取得には、講習会費用5,000円程度と審判登録費用一般2,500円(年間)4級審判でも協会主催の試合の審判には報酬が払われます。プロ審判は別です。
当然支払うべき原資が必要です。

▶︎試合・練習場問題
これは、クラブの方々には最大の問題と言われています。日本の周りの環境を憂いても仕方が無いのですが、日本においては野球以外のスポーツにおける共通の課題ではあるのですが。
今は、クラブの皆さんは大学の皆さんとタイアップされて練習場の確保を進められていますね。
でも、現実的にはクラブの二部や、ファンリーグのチームには厳しい条件かもしれません。
ましてや、試合会場ともなると、特に関東の状況は悲惨と言うべきものがあります。東京オリンピック開催に向けての都内の競技場の制約が生じてきているからです。
勢い、かなり遠くの場所での開催、不便な場所での開催が増え交通費の負担も多くなり、審判の確保も難しくなります。これには既存の設備の有効活用が大事なのです。

▶︎クラブ運営費用の問題
現実的には、これが最も重要な課題でしょうか?
今行われているピョンチャンパラリンピックもそうですが、個人負担がこのままではラクロスが発展することはあり得ないでしょう。特に団体スポーツはそうです。
所が、ラクロスの場合過去は原則としてスポンサーを取る事を協会は原則として認めていないのでクラブ自身でスポンサーを集める努力もできないというのが現実のようです。
オリンピック協会のマッチングサービスどころか、スポンサーシップへの協力は無いのです。これは現実的ではないと思います。社会人スポーツの場合、会社の景気によってスポンサーシップが大きく左右されて、大規模なスポンサーシップに懸念を持たれているのでしょうか?それは協会の考え方として健全だとは思いますが、それによりクラブラクロスが衰退しても良いという事ではないと思います。
上記3つの課題解決には結局お金が問題になりどうにもならないのではないかというのが、ラクロス協会さんのスタンスでもあるのでしょうか?

1) まず、各クラブ(大学は既に各校のブランド化で大学スポーツ全体として企業とのタイアップもありますね)のスポンサーシップメント獲得は認める事。

2) クラブ協会(ラクロス協会)は、企業とクラブチームのマッチングのサポートぐらいはやりましょう。

3) マッチングサポートの中には、試合場・練習場の確保の為に、企業のグラウンドを借り受けるサポートをするようなことはできるのではないか?(都内で、ざっと見渡して、大手企業系のグラウンドは10面ぐらいあります。)

4) 審判員への報酬制度には、会員費用から払われるとともに、財団法人化?に伴い協会としてのスポンサーシップを考えて欲しいと思います。さらにそれらによる自主運営を可能にし、協会の皆さんの専従化、報酬確保を実現し、国際的スポーツにふさわしい体制を作る事。ガバナンス、コンプライアンスに関して、他のスポーツ団体の規範になるような先進的な姿勢を示す事で、国からの注目も集められるようになると考えるのですが?

どうでしょうね?少なくとも、ラクロスOB,OGの皆さんがお勤めの会社にスポンサーになって下さいとは言いません。大きな企業であまり有効に活用されていないグラウンドの提供によるスポンサーシップという考え方を進めていただけたらなぁと思います。

ラクロスがオリンピック種目になっても、今のままでは、他の多くの競技と同様、選手の負担の多い、4年に1度注目を浴びるスポーツではなく、ずっと続けて世界一を目指すスポーツになって欲しいのです。
ラクロスは、今は選手やスタッフの自主性、努力に頼り切っています。頼り過ぎています。それが故に、企業からは自主解決能力の高さから、ラクロス関係者の採用価値が高いという皮肉な現象が起こっているようです。

日本ラクロスが世界で戦えるように、ラクロス界全体で考え、協力し、強くなって欲しいと考えて、勝手な意見を述べました。甘いよ!でも、馬鹿げてるでも何でもいいです。皆さんから意見が出て来る事を願っています。

最後に今月末、そんな厳しい中で女子ラクロス界を牽引してくれている、クラブ学生のトップ選手がオールスター戦とクリニックを実施してくれます。観戦も無料のようです。

色々あって、アイドル戦 と呼ばれるイベントのようですが。

・日時   2018年3月25日(日) 18時から
・場所   富士通スタジアム川崎(JR,京急川崎駅から徒歩15分。バスもあります。川崎競輪場横、旧川崎球場)
・内容   女子ラクロス界のTopプレーヤー(主に関東在住)がスター戦を行う前に、Top技術のクリニックを
開催してくれる。
・その他  出場選手の1部は ツイート アイドル戦 Lacrosse IDOL MATCH‏ @idolmatch0325 で確認
クリニック参加には、事前に申し込みが必要。費用は???

協賛   株式会社ワンステップ  http://www.kilat.co.jp/

観戦は勿論、クリニックにも大勢の選手が参加して下さい。今シーズンの課題を持って。又クラブラクロスを始めたい選手。全日本中高選手権(26日~富士通スタジアムで開催)に出場する関西の選手の皆さんには又と無い機会です。是非、Topラクロスのエッセンスを学び取って下さい。

皆様のご感想、ご意見をおまちしています。

こぶ平

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こぶ平
TwitterやBlogにてラクロス情報を発信しているラクロス情報ライター&コメンテーター|【コメント】長年、ラクロスの試合を観戦しながら試合のレポートをツイートするオヤジです。10年目の今年、200試合観戦を目指して、ラクロスの応援を続けたいと願うだけの人間です。ラクロスが、オリンピックで実施され日本がメダルを取るまで、熱い応援を続けます。

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