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【こぶ平レポート】2016年Japan Lacrosse Review5 大学(関西、関東)編

ラクロス・ファンの皆様へ!

今年の女子のW杯@England Guildford on July。
US,AUSでは代表が決定。CANADA,Englandもほぼ確定のようで、日本の代表区候補の活動にも熱が入る事でしょう。

そんな代表候補に多くの選手を輩出している、関西・関東学生リーグについて昨シーズンの振り返りの締めとさせていただきます。

皆さんも、関西、関東地区がラクロスをリードしてきたことはおみとになるでしょう。事実学生選手権の決勝への進出は2012年の女子、金城学院大学以外には他の地区の決勝進出はない。歴史的にもそれほどこの2地区の強さは際立っています。

そういう意味で、関西、関東の2地区の振り返りに、あえて文を費やします。

関西地区

男子 

 
京都大学が2年のブランクの後、3部に復帰しやはり圧倒して2部昇格を決めました。そんな、京都大学抜きの1部リーグは2015年の大阪大学の初優勝が突発的なのか、底上げなのかが問われるような1年だったと思います。
結果的には、大阪大学の連覇はなりませんでしたが、2位となり、実力チームとなった事を証明した形でした。優勝は神戸大学、そして3位には先期最下位に沈んだ京都産業大学が復活した形(3年で2回の3位)でした。関西学院は例年トップ争いに絡む所、今年はリーグ戦4位、ファイナル4でも3対12と神戸大学に完敗しました。決勝では京都産業大学に完勝した大阪大学と神戸大学の戦いは延長サドゥンVで神戸が勝という、2強の様相だった訳です。
しかしながら、そんな神戸大学も大学選手権決勝では、慶應義塾大学には4対13と完敗した訳で、昨年6対8と接近した関東;関西の差が又広がる形で終わります。今年の慶應義塾大学が強かった事もありますが、突き抜けるような強さの大学が現れて来ないのは寂しい気がしています。
ご存知の通り、女子の関西学院大学の日本一があっただけに、なおさらの想いが強いです。(実際に、全日本選手権ではクラブチームに1対17と試合をさせてもらえなかった訳です。)関西地区男子の頑張り、特に今年の全学決勝ではその、体格の違いには正直驚きました。今、日本の男子ラクロスのリファレンスは強い身体のチームになっています。今の状況でいいのか考え時ではないでしょうか?今年注目です。

女子

ご存知の通り、2016年の女子ラクロスは関西学院大学の年でした、大学選手権で、全日本選手権で明治大学の3連覇を拒んだその力は、集団として勝チームとなり、個の力も試合の度に成長していく姿は、ここで止まらず、世界に向けて行ってほしいなぁと思わせる、素晴らしい物でした。
しかし、そんな関西学院も順調に進んだわけではなかったのが、関西地区でした。

衝撃は初戦でした。(私も、正直驚きました。)
関西学院vs同志社 は終始同志社がリードする形で5対8と完勝といっても過言ではないパフォーマンスを同志社大学が魅せました。この話を耳にした時は、正直結局は従来の団子状態なのかなと思ったものです。
しかし、そうではなかったですね。2016年唯一関西地区の試合を見たのが、同志社vs神戸、関西vs武庫川女子だったのですが、キーマンの選手を怪我で途中退場にも関わらず、上げて行った同志社の動きは強さを感じさせる物でした。
結果的には、関西、立命館のFinal4組との差を見せつけて、決勝戦に進出した両校は、強い者同士が魅せるオーラのぶつかり合いだったようです。結果はリーグ戦初戦の3点差をひっくり返す伸びを見せた、関西学院が8対7と勝利します。
もし、大学選手権に関西、関東が2チームづつ出ていたら、関西の1,2フィニッシュもあったかもしれません。これは、新たな時代を感じさせるものです。目の前に強いチームが目標としてあると、周りのチームはそこに行けば上が見られるという直接的な思いが持てる訳です。
新たな時代に入ったというのにはもう一つの出来事がありました。

それは、
武庫川女子大学の二部への陥落(神戸大学、近畿大学も陥落したのですが、武庫女の陥落は少し意味が異なる)
1990年のリーグ戦開始から関西地区をリードし、1998年に初優勝、2003年から3連覇(あの、和田選手がおられた)と関西の一部に居続けたチームの二部への陥落には特別な意味がありそうな気がしてなりません。
武庫川女子、今年すぐに一部に復帰するのか大いに注目されます。
そして、その武庫女に替わるように昇格したのが、初めてとなる大阪大学です。(男子ではありません。女子です。)

皆さんは、大阪大学についてはどんなイメージでしょう?

東の東大、西の京大。7大学と言われる大学の中でも正直目立たない大学さん(ごめんなさい。自分も関西に居た時にはレベルは及ばないのに阪大さんにだけは負けたくないとか思ってたようです。意味わからん。)ではないでしょうか?

2015年男子大阪大学さんに驚かされ、2016年女子の大阪大学さんに驚かされました。大阪大学さんに注目して下さい。

2016年、5月7大学戦というのが、東京大学でありました。お目当ては強くなった東京と伸びてきている東北、京都でした。しかし、そこで優勝したのは大坂大学でした。そしてその動きの良さと、チームを引っ張る二人のMFの動きは、二部を超えているなと思い、1年間注目していたものです。
二部最終順位決定戦で有力視されていた大阪体育大学にも勝ち切って昇格を決めた訳ですが、今年1部で力を発揮できるか注目です。

そして、二部の大阪体育大、大阪教育大学も武庫川女子大、近畿大学に完勝して昇格は3校Final4以外は全て降格という過酷さでした。

思えば、関東地区女子が強くなっていく過程で、一部二部入れ替え戦、全入れ替え3年ぐらい続きましたね。そんな中で伝統校の王者だった東京女子体育、日本女子体育の降格がありました?

どうです、似ていませんか?2016年の関西女子リーグラクロスは大きな歴史の転換点になったのかもしれません。

関西学院大学が、日本一になる苦しみを知り、克服されました。そこが基準になり次につなげる選手がいます。同志社大学もそこに勝てば日本一になれるという事がわかる。関西大学、立命館大学はその差が何かがわかる。

これからです。関西地区女子ラクロスに注目です。


関東地区

男子

2016年の最初は六大学戦から始まるのですが、男子に関してはとても情報が少ない。練習試合でもAチーム編成になる前では戦術やスキルの確認が中心で、チームとしての力は把握できません。
故に、色んな対戦相手同士の話とかを聞きこむ事しかないのです。ですからシーズンインからの試合から述べるしかありません。
ただ、二つの試合だけがその年の力のバロメーターになりえます。 東京大学五月祭の東大vs早稲田 と早慶戦です。

2016年はいつもと様相が違いました、そしてやはりその時の情報が反映をした結果になりました。
2016年 関東男子ラクロスは 慶應義塾と東京の年でした。そして少し動き出した、5強崩し?

リーグ戦開幕 は前年度優勝の日体大が早稲田に敗戦。慶應義塾vs東京は11対7 最終的にはこの差がつまらなかったのですが、東京大学がFALCONSを除いて慶應義塾とやりあえたチームであったことは間違いなく、決勝では3Qでの攻防での綾が明暗を分けた形です。結果は12対6と差が広がったように見えますが、この2チームのショットの力強さは他を圧倒したものでした。

逆に他のチームとの差が気になるものですし、この両チームとFALCONSがシーズン前のUSへ遠征したという事は、何かそうしないと勝てないのと思わせる結果ですね。しかしながら、それも変わる動きは来てはいます。

2016年5強に変わりはありませんでした。(慶應義塾、東京、早稲田、日本体育、一橋)に続くチーム法政、千葉、成蹊、明治、中央の安定というのは上をもっと脅かしてほしいのですが、2016年の入れ替え戦をクリアした、独協、武蔵。一部チームとしては選手規模は多くはないチームが本気で今年上位を狙う。果たして、5強を脅かすかに是非注目です。

毎年、本気でFALCONSを追い込む気でチームを作る関東のトップチームに勝つには、どこまで鍛えなければならないか?関東に遠征してくるチームは大学相手ではなく、FALCONSさんStealersさんVALENTIAさんやADVANCE-HANGROOSEさんVIKINGSさんへ練習を申し込む方がいいかも知れません。でも練習場所が確保できないから厳しいか?

とにかく、関東男子もそろそろ変革を迎えるかもしれません。

女子

2016年という年は、関東学生リーグにとっては新たなチャレンジになるかもしれない年でした。何故ならクラブが強くなってから、学生の復権が始まり、近年では初めての学生の日本連覇という偉業を成し遂げた、明治大学に対して、他の大学がどういう風に挑むのか、明治大学も、戦力が大きく変わる中で、3連覇にどうチャレンジするのか?その辺が注目される年だったと思います。

女子ラクロスの場合、練習試合も観る事は可能で、戦力の状況は数試合を見るとわかります。シーズン当初、代表に多くの選手を輩出している立教大学の下馬評が高った。そして、3連覇を目指す明治大学は戦力ダウンが大きいと見られていた。そして、早稲田大学は新人三冠を達成した世代が三年生になった事で、優勝を狙える年という意気込みが後押しする形。そして長身者もそろう慶應義塾に日体大が軸になっていくような雰囲気でした。
六大学で早稲田が優勝しましたが、明治大学のグラボ、速さのレベルの高さが見えたことで、明治大学の3連覇の可能性もあり得ると思えました。早稲田、明治に共通していたのは、全員が走る事でした。そして4年生が上と下の狭間の世代的に観られていたかとです。

結局その4年生の頑張りがシーズンの結果にもつながります。

それに反して、慶應義塾、日本体育の伸び悩みが言われる中でシーズンを迎えます。

そして、衝撃の開幕戦。下馬評の高かった慶應義塾が明治の速さの前に完敗を喫し、そのまま明治が行くかと思われた、東海大学戦。ついに2年以上に渡る明治の連勝が止まります。

プレシーズンに日体大を破っていた東海は、日米交流戦で抜群のパフォーマンスを見せた1番のリードにハイパフォーマンスの2年生が追いついてとても攻撃的な才能あふれるラクロスで明治を破ります。一気に東海大学の復活に注目が集まりました。一方のBグループでは立教と早稲田の強さがそのまま、シーズンの終了まで続きます。
そんな中、1部へ昇格した4チーム。東京女子体育、東京学芸、成蹊、東京農業の4チームは明暗が分かれます。東京女子体育は日本の女子ラクロス界をリードしてきた存在が、二部落ちを経験しどう変わった方注目されましたが、全敗で再びの降格。運動量をベースに絶対的な個の強さというのはいつの時代も基本のはずです。そこが揺らいでいるのでしょうか?気になります。
一方で、成蹊大学は2度目の昇格で前回の経験を生かされた、初戦こそ早稲田に跳ね返されてからの切り替えが見事で、昇格同士の戦いに勝て、格上感のあった青山学院に勝ち早い時期に残留を決め、最終戦で3位となる立教との引き分けにまで持って来ている。今季真価が問われそうです。東京農業と学芸は、昇格初戦から善戦しながら勝ち切れず、初昇格の洗礼を受ける事になったが、東京農業は日体大に勝つなど実力の片りんを見せ、入れ替え戦に回るも、二部の挑戦をはねのけ残留をしたことは、2017シーズンへのチャレンジに繋がる結果でした。

東京農業は二年連続学習院との延長サドゥンVという修羅場を潜り抜けただけに2017の覚醒が楽しみです。そして東京学芸は公立大学として初の1部残留を果たし、着実な育成の成果を見せてきています。

2017、二部から一部への挑戦はかなり厳しい物になりそうです。相当に一部校は強くなると思います。

そして、今年は戦力もあり、上位を占めるかと思われた、日本体育と青山学院について少しコメントをしておきたいです。

日体大は2013年までの低迷から脱してキーマンが4年生になりさらなる期待もあったのですが、苦しみました。チームプレーの難しさでしょうか?優れたプレーヤーがチームでどのように生かされるかはチーム作りの上でとても大事なことなのでしょうね。

青山学院はコーチ陣も充実し、戦力も整い、2012年ファイナル4の経験もあることからその伸張が期待されていたのですが、伸び悩み観があります。接戦を物にできない勝負弱さの克服が鍵でしょう。東京農業に勝ち切った気持ちの持ち方をいつも実践できる練習と、絶対的な得点力が必要だと思われて仕方がない。 得失点差-6は3位成蹊大学と1点差です。  ブレークスルーはいくつもありそうです。

そうして迎えたリーグ戦後半は、開幕戦で痛い敗戦を喫した、慶應義塾の懸命の試合も東海大学に引き分け、万事休す。慶應義塾のいないファイナル4となった。

ファイナル4は一般的には東海大学のA組1位が意外感があるようでしたが、充実感は高く明治の3連覇をそしてもおかしくはなかったと思います。そして立教大学ですが、本命視されて、厳しい試合をすることなく勝ち上がってきたからか、勝負どころでの強さという点で明治に勝れなかったという事は言えると思います。
又、ラクロスの向かうベクトルが遠くを向いているという点でもやや、異色だったのかもしれません。

ファイナル4の戦いは色々な特色の出た、非常にレベルの高いものでした。その中で明治大学が勝ったのは、想定を高く、又その1歩先までもやり切る勝負への想いが大きかったのかもしれません。そして、大きな戦力が抜けた中、あきらめずに全員を一つの方向に向けて行ったキャプテンシーも高かったのではにかと思います。

最後に、明治大学の強さがリファレンスになってそこを超えて行こうとする、関東一部。どんな戦力でも鍛えれば日本一を狙えることが分かっている学校が基準ですから、超えるためには半端な事では難しい事がわかっているリーグが関東学生リーグ女子です。

ここでは、2部以下のリーグ戦には触れませんでしたが、1部の厳しさが続く限り2部からの昇格は相当なレベルの高さが必要となります。3部4部まで、レベルの高い戦いが続きそうです。

どこが、今を超えて行けるか?2017年ますます楽しみです

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