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【こぶ平コラム】2018年女子学生レビュー|関東地区

ラクロスファンの皆さん
あっという間に3月を迎え、ラクロスも新歓の季節を迎えます。そして、新年に始まったサムライラクロスも3月2日に関東で最終日を迎え、各地で新チームの合宿も行われています。そして2/24には東京六大学戦が始まりました。
今回はその模様ではなく、残っていた2018年レビュー女子大学リーグ戦関東地区を総括してみます。少々長くなりますがお付き合いください!

関東地区のラクロスが日本のラクロスをリードしているのは間違いありません。ただ、女子ラクロスに限れば創世記から一つの世界観でラクロスの前輪となっている関西学院という存在が関東の独走を阻む事があります。まさに2016年に続き昨年が
そうでした。

しかし、慶應義塾大学は2年連続の関東一となり、関東での無敗記録を2年に伸ばし明治大学の記録に並ぼうとしていて、その実力の連続性はリーダーの一つであることは間違いない。
そんな慶應義塾大学の戦いぶりを中心に2018年関東リーグを振り返ります。

関東学生リーグ女子は2月に開幕する。と言っても東京六大学戦ではあるが。
何故ここから始まるのか?プロ野球で言えばオープン戦の結果なぞ、リーグ戦
に関係ないという所だが、ここ数年この東京六大学戦の結果がリーグ戦に投影されているようで、先ずはここからのレビューが必要だろう。

一昨年の日本一慶應義塾は新チームの秋から調子が上がらず、実績にも苦しんでいたからこそ、敢えて東京六大学戦の最初から全勝目標に設定しシーズンを駆け抜け
た。そして、日本一のチームの翌年という難しい立場で、やはり東京六大学戦から
勝つことで自分達の自信と他校へのプレッシャーを与える事に成功した2018慶應は
リーグ戦苦しみながらも、ある意味余裕をもって走り抜けた。
そして、2018年の東京六大学戦の結果は 慶應義塾が優勝 明治、早稲田が他の3校に勝ち越す形だった❗

そして秋のリーグ戦では青山学院、日体大、東海の包囲網を打ち破り関東リーグ戦を無敗で通り抜けた❗

慶應義塾の強さの理由は何か考察する事で、関東リーグの側面がわかると思い、ここから分析を試みる。

一般的な慶應義塾大学ラクロス部に対する印象はどうだろう?
1)ラクロスのエヴァンジェリストとして、よい環境で鍛え上げられている
2)OG等の支援体制も確立され、毎年US遠征で経験を積み、先進的なラクロスを
  する。
3)スタイリッシュ
という感じだろうか?

実際には、その多くが違った印象であり、根幹は好奇心旺盛に努力を重ねる姿勢を
チームで持ち続ける事だと見ている。ただ、その継承の仕方についてはわからない。それは、慶應義塾だからと選手は言うかも知れない。
実際、練習環境は多摩川の河川敷での朝練が基本であり、大学での体育会でのポジションはどこの大学とも変わらないものである。
確かに、OG.OBの支援体制は他の大学を凌ぐものはあるが、他の東京六大学と比べて格段の差があるとまでは言えない。
どうしてもその力は、見えない努力と好奇心とベクトルの共有に見える。

そしてそのラクロススタイルはスタイリッシュに見えて、チャージングも辞さないような激しさである。

それが故に、努力の強度を高めれば慶應義塾を凌駕することが可能であることを知っている。その努力の重ね合いが関東地区のレベル向上をもたらし、又慶應を始め
多くのトップの大学の指導者が他の大学の指導することで種々のDNAが融合し、新たな強さを作り出していると見ている。

その競いあいが、関東1部12校で毎年繰り返されるのである。強い訳だ?

そして、2018年関東リーグの歴史が又動いた❗

実は2018年当初のリーグ戦の展望では、日本体育大学、東海大学の評価が高かった。東海大学は初年度の3冠チームであり、日体大は2010年前後のアスリート性優位から脱却を果たして強いと思わせるラクロスを展開していたからだ。

そして、独自の動くラクロスでタレント性の高さを活かすチームとなった青山学院。日本一になる為に必要な事を共有している明治大学。常に前を向いた補強で
層の厚さが身上、安定感の高い立教大学が優位。2014年3冠の選手が抜けた早稲田が新しいコーチを迎え、60人強の体制で強いパッケージとなった成蹊が殴り込む。

日本代表を擁して臨む4年目の東京農業、二部から復帰で強化を重ねた学習院の
挑戦に期待が持たれたが、2012年昇格以来2013年3位をベストに中位をキープしてきたが、2017年勝ち星がなく入れ替え戦に回った法政に1部昇格から国立大学として初の1部残留を遂げたが、その主力が抜けた東京学芸の両校は厳しい戦いになることが予想された。

結果的には、ミスを無くし、全体の動きにラクロスの理解力を魅せた慶應義塾大学が総合1位。新しいスタイルで見るものを惹き付けた青山学院が慶應義塾を追い込む2試合を魅せ(決勝戦は延長サドゥンV)史上初の関東2位に登った。
期待の高かった日本体育、東海は緻密さと、集中力の点で後塵を拝したと見ている。
そして、明治、立教の猛者は決定力の差が出たと共に、立教の若手はまだその牙を
研ぎ澄ますところまでには至らずチーム力の点で僅差を克服できなかったと言える。2018年の特徴と言えるのは、上位6校の対戦が東海vs日体大以外は5点以内のゲームになっていることである。
結果的にはこの、決定力の不足という傾向は全日本選手権まで克服できなかったと言える。
得点力のある選手が居なかった訳ではない。得点を生み出す動きが出来ていなかったと見ている。唯一、ベストな状態を魅せたときの日体大、東海に得点力を見たのだが、ディフェンス力の向上はその力の見せ場を奪ったと言える。

そして、この攻撃力の不足の克服こそが、今年の課題と言える。そして、その原因はOff the Ballの動きの動きにあると見ている。

慶應義塾にはどこか余裕を感じたが、結局その余力を出しきる事ができなかったのが現在の大学ラクロスを象徴しているのかも知れない。

2018年の関東女子リーグ戦では、昨年1部への昇格が果たせなかった中央大学や、前回降格時に一気に3部まで降格した明治学院大学に2部昇格の駒澤大学や3部に降格した東京、一橋と、注目校は多かった。

結果的には、中央は東京学芸を破り悲願の1部への昇格を果たし、1部で二年連続勝ち星のなかった法政大学は2部壁となった。
想定された3部降格のピンチを招いた明治学院は地力を最後に発揮、3部最強の
挑戦者東京を破ることで、退潮の流れを立ちきった。

3部昇格の最有力と目された東京が2部最強の入れ替え相手に敗れたが、一橋大学が強敵日本大学を破ることで2部復帰を果たした。

そして、3部への昇格を果たした唯一のチームが駒沢女子大学であったことも附記しておく。一時廃部の危機すらあったチームがここまでの進化を遂げた事は、一つの成功例として紹介しておきたい。
又、改めてその進化の過程を聞いておきたいのだが誌面が尽きたようだ。

残る関西地区の振り返りは、、、、
いつになるか?

Women lacrosse new era !

こぶ平

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