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【第10回全日本中学校高等学校女子ラクロス選手権】準決勝戦・2試合のレポート

(Photo by Akie Umeda)

春のラクロスのメインイベント。第10回全日本中学校高等学校女子ラクロス選手権の準決勝の様子をお届けします。
会場で見る事ができなかったのですが、ご関係者のお話をまとめた形となりますが、その白熱ぶりは大会随一のようでした。

第10回全日本中学校高等学校女子ラクロス選手権

<東日本地区参加校>
日本大学中学高等学校(関東秋季1部1位 通称 AQUA)
桐蔭学園中学高等学校(関東秋季1部2位 通称 SERAPHS)
東京成徳大学中学高等学校(関東秋季1部3位 前年度準優勝 通称 BRAVE YOUTH)
大妻多摩中学高等学校(関東秋季1部4位 通称 コタッカーズ)
横浜市立東高等学校(東日本5位 前年度3位 通称 EastGirls)

<西日本地区参加校>
同志社高等学校(関西秋季1位 前年度優勝 通称 BEAT BEANS)
立命館宇治中学高等学校(関西秋季2位 通称 CHERRY’S)
関西大学中学高等学校(関西秋季3位 通称 KAISERS)       

が出場し、前日の1回戦を勝ち抜いた(以下略称表記)

日大中高 vs 東京成徳大中高
桐蔭学園中高 vs 同志社高 
   
の準決勝進出が決まっていた。

準決勝① 日大中高 vs 東京成徳大中高

昨年秋の関東リーグ戦(Autumn Cup)において初優勝を果たした日大中高に対して、リーグ戦決勝トーナメントの準決勝で敗れていた東京成徳大中高の戦術にも注目が集まった1戦は、日大中高11番の強いドローからの速攻を許さないディフェンスの強さでペースを掴んだ東京成徳大中高は、不運が重なった面もあり後半10分過ぎまでに3対2とリードされる展開となった。

ここまで東京成徳大中高のペースとも言える展開だったが、同点にできるチャンスを何度かものにできず、逆に日大中高のターンオーバーからのカウンター攻撃を決められ4対2と2点差を付けられてしまった。
ここからは、日大中高は無理に攻める必要がなくなり、ポゼッションにて逃げ切りを図る。
そこからは、東京成徳大中高は強固なゾーンディフェンスを崩してでも、ボールを奪いに出るしかなく、そのディフェンスの間隙を突かれて連続3失点をし7対2とされ試合終了となった。

試合後、勝利した日大中高主将の涙が語る通り、白熱した展開となったこの試合は、中高ラクロスにおいても高い戦術ベースの戦いの時代に入った事も又証明するものとなった。

準決勝② 桐蔭学園中高 vs 同志社高

6年ぶりの全中高において、1回戦を突破した桐蔭学園中高は高い技術のリードマンが指揮する高い得点能力を持つチームであった。対する同志社高は昨年優勝時よりも速い早いツーマン・スリーマンのライドディフェンスから攻撃に持ち込むチームで、この大会1回戦でもその力を発揮していた。
この両チームの戦いは、お互いが力を出し合いながら非常に激しい戦いを繰り広げ、前半は残り1分で3対3と追いつき同点にしたのが桐蔭学園中高なら、後半の桐蔭学園中高の分厚い攻めを、最後まで忠実なディフェンスで最小失点に抑え込み残り5分弱で5対5と同点としたのは同志社高校だった。
ここからのゲームは白熱の度合いを増し、勝ち越しを巡る攻防は激しさを増した。
そのような状況で、桐蔭学園中高の2マンダウンとなるも、何とか同志社高の攻撃をしのぎきれた直後、選手が戻るところでのディフェンスのほころびを突いた同志社高の攻撃が奏功し決勝の1点をもぎ取ったのは、ゲーム終了の直前の事だった。
同志社高校のゲームレポートでは
「ゴーリー高嶋ありさのナイスセーブから# 31岡崎天音が残り8秒で点を決め、6-5で桐蔭学園に勝利しました」
とあります。

前半の残り1分で桐蔭学園中高が追い付き、後半残り1分で同志社高が勝ち越したこの戦い制したのは同志社高。2年連続の決勝進出を決めた。結果は5対6激闘だった。

桐蔭学園の残り5分からの全霊を懸けた攻防も又、見る者も熱くしたはずだ。特に桐蔭学園中高のエース15番決勝戦でもそのショットを見たかった選手の一人だったが、奮闘届かず準決勝で敗れる結果となった。

今年も、この準決勝では勝ち残るために尽くされた、選手の全霊のプレーと、作戦を含めた全能のプレーが織りなす高度な試合展開だったようだが、このステージは大学のプレーオフのレベルに達したのではないだろうか。もっともっと観戦者が増えるべき大会を象徴する1日だった。

こぶ平

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