【こぶ平コラム】ラクロス”2021”を考える
久々の投稿です。そして、今年の’こぶ平コラム’本格稼働です。
オリンピック、パラリンピックが行われ、高校野球の甲子園大会も、そして高校総体(インターハイ)も実施された夏、ラクロスも北海道から九州まで昨年より拡大された形で始まり、8月関東地区の開催を待つばかりだったが、コロナ禍による緊急事態宣言下での開催は叶わず、9月を迎えた。そして、9月他のスポーツ同様無観客での試合開催が関東でも実施されるようだ。思えば今の学生、特に今年の4年生は3年生時においても満足に試合を経験できず、4年生でも試合ができなければ部活動の良き思い出も作れないままの卒業になるわけで、そういう意味ではこの開催は待ち望まれたものだろう。
特に、ラクロスにおいては大学から始める選手が90%を超える。その中で2年を満足に過ごせない場合、個人の進化のみならず、ラグロス界自体の進化そのものにも遅滞をもたらす事が懸念されている。実際、全国的にもだが、関東でも2年にまたがるコロナ禍での体育会系部活動への参加者の減少の影響は、ラクロスのように大学から始める選手の多い種目は甚大だったと言える。
関東においても、東洋英和女子大学のような伝統校でも、2年生0名、1年生を含めて数名という状況に陥っている。そういう中でのリーグ戦開幕は、選手のモチベーションアップの良い機会になるだろう。そしてその情報発信はこれからのラクロスの進化に不可欠なものと考える。そういう意味でも、再びラクロスにつて発信を進めていきたい。
今回はその復活第1弾。
☆今年の学生ラクロス考
昨年は、全国を支配するコロナ禍の影響で日本一を決める戦いは行われなかった。If のお話だが、もし全国大会まで行われていたら、どういう展開になっていたか興味深いので、若干考察をしておく。
コロナの影響を一番多く被ったのは関東であり関西だった。恐らく全体での練習量はその他の地区の半分ぐらいだったかもしれない。故に全国大会が行われたならば2019年以上の接近した戦いになっていたかもしれない。思えば2019年は男子に置いて、東北大学の初の決勝戦進出があり、女子においても北海道大学の初の全国大会の勝利があった。
その延長上にある2020年だが、練習量の不足は力の接近化も進むが、又それまでの蓄積された力の差と、層の厚さによる絶対的なチーム力の差が歴然となった年だったと考える。確かに、女子において2019年に2年生の力を主力に取り入れ、優勝した立教大学を前半追い詰めた同志社大学との戦いは見ごたえのあるものになったはずだ。しかしながら、その力もコロナ禍では埋めきれないものだったかもしれない。実際、関東で連覇した立教大学を最後まで追い詰めた明治大学の力には慧眼すべきものであったが、わずかに、しかし、やはり及ばなかった。
一方男子においては、東北大学がその差をさらに詰めていた可能性があったとも推測できる。その進化は今年確認されるだろう。そして覇者のリーグ、関東地区では2020年、今までの早慶の図式に戻ったかのような見えたが、確実に中央、立教、武蔵の新興勢力の台頭は確実なものとなったのも事実だ。そんな中漏れ聞こえるところでは、関西の大学の新入部員の減少は厳しい現実でもあり、東北大学に敗北したところからの巻き返しがなるのかという点に、不安な面も見せていた。
そして、迎えた2021年。恐らく、練習量の差も1年の経験でカバーされた部分もあるだろうが、何より新入部員の大小の影響がさらに大きなものとなった事が想像される。そして練習量の差がどこまで影響するのか。これは、全国大会が実施されるまで分からないというのが本当のところだろうが、敢えていうならやはり、蓄積された経験、層の厚さは大きな力となることは間違いない。そういう意味で関東中心の戦いの図式は変わらないと考える。しかし、唯一異なる戦いがあるとすれば、層の厚さと、経験において蓄積度が高く、リーダーシップにも優れた、同志社大学女子の戦いだと考える。全国大会でその力を確認したいチームの筆頭である。
そして、関東地区。
【女子】
昨年、一昨年と連覇を果たした立教大学は、主力の4年生が卒業した事によりチーム力の低下を危惧する向きもあるかもしれないが、実際には確実に力を着けてきた新4年生に、若い世代の進化に加えラクロスへの理解が確かな中、目標が明確になっているチームにとっては危ういものではないだろう。しかし、昨年の立教大学を追い詰めた明治大学の進化の可能性は、さらに大きいものと予想している。ただ、明治大学の場合、その豊富な練習量に裏付けられた力が核となるだけに、今期の練習量がポイントであろう。練習がされているとして、2年生からチームの主力となった選手たちが4年生を迎え、日本一になった経験に裏付けられた練習がその力を高めるなら、立教大学を凌駕する可能性を高めるはずだ。
そして、昨年Final4に入った日本体育大学、慶應義塾大学もTeen’sからの経験値も高く、やはり練習の精度が高い事を考えると、その戦いぶりが気になる。ポイントは日本体育大学の組織力、慶應義塾大学の得点力というところだろう。Final4を巡る戦いはこの4チームを中心に戦われる事になるはずだ。しかし、図らずも、日本体育大学、慶應義塾大学が同じCグループに入った事により、その他の大学にもFinal4への道は開かれている。そこで注目したいのは、着実に力を着けてきている成蹊大学である。
【男子】
昨年までの早慶東の戦いの図式が大きく変わろうとしている。中央大学の力がFinal4に定着し、中央に拮抗した立教大学、武蔵大学の台頭は、2021年春のプレシーズン戦で立教大学の初優勝という結果をもたらし、今期のリーグ戦への期待を大きく高めている。もちろん、一朝一夕で歴史を変える事にはならないのだが、今年は男子大学ラクロスの大きな変換点となるはずだ。
今年は、1部、2部、3部の入れ替え戦まで行われる予定である。例えば2部に返り咲いた東京大学女子の戦いや、3部でありながら実力的には高い日本大学が悲願の2部への返り咲きをなすのか、等々興味は尽きない。そして、各地区の大学の進化が追随するのか年末まで見逃せない戦いが続く。
間もなく始まる、関東地区のリーグ戦を中心に種々のラクロスの情報を又発信していく。乞うご期待。
こぶ平