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【こぶ平レポート】ラクロス全日本クラブ選手権はみましたか?

12/2(土) 東京駒沢オリンピック公園第二球技場で快晴の下、ラクロス全日本クラブ選手権男女決勝 が行われました。

観客のみなさん、寒い中見に行かれていかがでしたか? やっぱりラクロスって面白いですよね!
女子は1000人ぐらい?男子は1500人の皆さんに満足していただけたのではないかと思っています。皆さんはどのプレーが良かったでしょう?

振り返ります。
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女子ラクロス


NeO 対 FUSION 6:5 NeOの勝利

得点数的には物足りませんでしたか?でも、中身は濃い物でしたがそれがどこまで観客の皆様に届いたか?私はこのように見ました。ご自分の印象と比べてみて下さい。

先発は以下(敬称略です)
【NeO】
ゴーリー#31井上/日本女子 DF:#3横田/日本女子,#21柴原/日本女子 MF:#2廣野/学習院,#12高野/横浜国立,#17剱持/明治,#27水野/筑波,#28廣瀬/上智,#41稗田/明治 AT#6多賀/明治,#7小西/学習院,#11小川/慶應義塾

【FUSION】
ゴーリー#23岩田/東海 DF:#7宮沢/慶應義塾,#8木村/東海 MF:#3佐藤/東海,#9小田桐/日本体育,#12河合/青山学院,#17水戸/立教,#24寺西/明治,#27谷山/慶應義塾,#31堀田/早稲田 AT#10高橋/日本体育,#18内野/東海

まずは、この選手編成から、両チームコンセプトは似ている。DFとしては2人、MFが6人か7人 ということで、MF中心に流動的な動きからゲームが作られる。ただ、FUSIONは今年夏ごろから加入した3人の日本代表選手が完全にfusionできるのか?という感じがありました。それ故その3人#3#10#24のトライアングルと長年組んできた既存のトライアングル#12#31#18にコンダクターが使い分けるような形を想定してダブルトライアングルなどと注目したわけです。
実際には見ていませんが、大阪での準決勝NLC SCHERZOに快勝した時にはそのような関係で点を取っていたようです。
一方のNeOも準決勝はMISTRAL相手に全員の流動的な動きで快勝したように、お互いの流動性の違いを決勝でどういう形で生かすのかに注目していました。

最初に、流れを作ったのはNeOでした。

開始10分はNeOが支配しながらも、ラストパスの精度が低く、又相手日本代表ゴーリーを意識したからか、ショットのポジションに詰まったり、ゴーリーのセーブに合います。しかし、10分過ぎNeOは#17の個人技から得点を上げます。
ターンを入れてDFを抜いた直後のショットはハイポジションに突き刺さります。
そこから、一気にNeOは箍をはずしたかのような攻撃はスムースで、決断力の良さもあいまった#12のミドルショットは美しく、#17の今度はセンターからのブレイクは強かった。前半17分で4対0このままNeOの流れが続くかと思われました。

ここで、FUSIONの若手が流れを変えます。17分には24—>30が決まったショットもNeOのゴーリーの好セーブに合ったが、再びの攻撃#24はNeO#12とのマッチアップを3回のターンで振り切ってインサイドからのショットで得点。FUSIONが生き返ります。ドローも確保でき#18トライアングルからフリーシュー、ゴーリー跳ね返しをスクープした#10の角度なしからの驚愕のミドルショットは#10らしさの詰まったショットで、観客席をざわつかせるとともにFUSIONの意気を高めるものとなりました。

後半
前半終了間際の流れを引き継いだFUSIONが#31のFSなどで攻め立て、ポゼッションを高めると#17のゲームメイクが決まり#11へのピンポイントパスからブレイクして1点差(3対4)まで詰め寄る展開で始まります。
しかしNeOも#7のインサイドでのショット等で巻き返しを図り、Free Space to Goalの侵害で得たFSを決めて押し戻します。
その後は中盤の激しい攻防を7分通り制したNeOが攻め込みますが、ショットに慎重さのあまり得点機を逃す展開が続く中、残り5分NeOのパスミスをスクープターンオーバーからFUSION#10ゴール裏からの捲りDFとの1on1の上からショットを決める。そして続き、ポゼッションから#12のFSで5対5の同点に戻す、熱した展開になります。

残り2分ドローからポゼッションを制したNeO AT 6人が動きながら、絶妙のタイミングで1人センターポジションをキープした#11へ#7ピンポイントのキラーパス。反転ショットはゴーリーの反応を許さずネットを揺らす。こういう連動が最後のタイミングで冷静にできるところはNeOなのでしょう。

6対5の中身はこのような物でした。

前々回のコラムでNeO#11 小川選手 ショットのポジショニングと技術、FUSION#3 佐藤選手 他の選手が崩せない所を、ドッジ、ラン、ショット技術でどう得点するか?
を敢ての見どころとしましたが、半分は見られたという感じでしょうか?

NeOの攻撃的な守備と、FUSIONのブレイクスキルはやはり大学ラクロスにはない技術であり、それをどうやって手に入れるかは、クラブラクロスに飛び込んで盗んでください。

勝ったNeOは 大阪 ヤンマーフィールド長居(有料当日1,000円)において、学生2位の同志社大学とFUSIONは 東京 駒沢オリンピック公園総合運動場第1球技場<-第1競技場です で学生王者慶應義塾と12月9日(土)に対戦します。(東京会場は無料です。キャパは1500人ぐらいですよ。)



男子ラクロス

FALCONS 対 Stealers  11対9 FALCONSの勝利


得点的にも、技術的にも見た目にも大学ラクロスでは見られないプレーが続出したゲームになりましたね!

先発は以下でした。
【FALCONS】
ゴーリー#14鈴木/東京 DF#0砂川/日本体育,#17加藤/東京,#45金山/東京 LMF#4畠山/帝京 MF#31舟橋/東京,(FO),#91本下/慶應義塾 AT#9継/慶應義塾,#22高橋/東海,#90関根/慶應義塾

【Stealers】
ゴーリー#2安藤/慶應義塾 DF#19吉田/神戸,#30河村/慶應尾義塾,#88中里/千葉 LMF#5山田/早稲田 MF#23細梅/千葉,#12田村/法政 AT#14池川/成蹊,#42清家/日本福祉,#17倉島/成蹊

ともにベテランと若手が融合しながら、個人の破壊力も満点の選手が集まるチーム故に、流れを一気に掴む事は難しく、一方的な流れにはなりにくいだろうなという思いがありました。会場の雰囲気もそういう点で一進一退の点の取り合いを観たいという雰囲気が占めていて、試合開始前にはメインスタンドはほぼ満席になりました。

しかし、試合の中身は大きく違いました。

立ち上がり10分弱は両チームミスが出て、特にStealersサイドに決め時のミスが出ていましたが、#7の角度無からのピンポイントの縦ショットがさく裂、先制すると、Stealersの打倒FALCONSの熱き思いがあふれ出たかのような果敢な#14の攻め等が続き#8、相手DFをシャドゥに使ってのサイドハンドで角度をつけたショットを決める。そして#14のダイブショット等2Q17分までに5対0とFALCONSをリードするという展開に、会場も驚きを持って見つめる中、やはり局面を打開したのは#44FALCONSの無敵シューターのショットでした。正面からのブレイクショットはFALCONSの上げた狼煙でした。
しかし、好調Stealersは流れを取り戻すべくフェイスオフを取り切り、もう1点追加の為のタイムアウトを要求します。

そして、残り時間70秒でタイムアウト開け、Stealersのブレイクを狙ったパスが、大きくそれるミス。FALCONSターンオーバーから#1速い展開を#44左サイドに張った#44から右サイドゴール横0度の#90へ1ミリの狂いもないパス、高速に渡して#90の
余裕をのショットをゲットその間7秒2対5と追いついて2Qを終了した。
結果的だが、この時の点を取りに行って、逆に点を奪われたStealersのミスがFALCONSの後半の反撃を呼んだのではないかと考えています。

後半
FALCONSの勢いは加速しました。
それを、体現したのは#44,#90,#91のプレーでした。時にはキラーパスを、時にはショットを、ランからの、スタンディングのショットを決めて3Qで一気に逆転します。(8対7/3Q6対2)
特に最初の1点や同点のスタンディングショットを決めた#44松下選手は、まず日本トップクラスのシューターでしょうし精神的にも強いのでしょう。

それでも、Stealersの意気は高く、4Qも一進一退の攻防で点を取り合いますが、9対9からのFALCONS#44のDF3枚に囲まれながら、反則を受けてもひるまずスピンから縦ショットを決めきったパワーが接戦を断ち、#5のゴール裏からの攻めでダメ押し最後1分のStealersの攻撃も実らず、FALCONSの大逆転勝利。7連覇達成となりました。

実際には、2Qまで、ミスなしで攻め込んだStealersも、2Q最後の攻撃ミスから点を取られてしまった事のように、どうしてものところでのミスと、どうしてもの所で、ピンポイントのパスを通して点を取ったFALCONSとの差になったように思います。
しかし、そのショットの凄さと、崩しのピンポイントのタイミング、動きは確実に大学を凌駕するものでした。

Stealers  #42 清家 選手  スクープの技術や、ショットへ至るステップワーク、ショット
FALCONS #0 LMF 砂川 選手  LMFでありながら、BTBを決めるなど、DFからアタックの速さ

先日のコラムで書いた、敢ての注目ポイントはやはり半分見られたという感じでしょうか?FALCONS#0LMFの砂川選手は流石の動きを見せて下さったように思います。ただ、Stealersの#42は敢ての封印のようにも見えました。全日本選手権では逆転することは十分にありそうなパフォーマンスでした。

全日本クラブ選手権7連覇を決めたFALCONSは 大阪 ヤンマーフィールド長居(有料当日1,000円)において、学生2位の
大阪大学と12月10日、Stealersは 東京 駒沢オリンピック公園総合運動場第1球技場<-第1競技場です で学生王者慶應義塾と
12月9日(土)に対戦します。(東京会場は無料です。キャパは1500人ぐらいですよ。)
12月9日(土)@東京 10時 フェイスオフ
12月10日(日)@大阪 11時 ファイスオフ(有料 当日 1,000円)

最後に一つ、男子クラブ選手権の後、スタンドに飲み残しのビールとつまみが散乱していたそうです。ラクロスは会場を使用すると、使用前よりきれいに使うというのも信条だという風に漏れ聞こえています。これはラクロスファンとしてもちょっと悲しい出来事だったので敢て書かせていただきました。

さて、今週末 12月9日(土)10日(日)は全日本選手権の準決勝です。対学生戦となる選手権は勝負に拘る事もあると思います。どういう‘こだわり’を見せてくれるか楽しみましょう。

クラブ選手権を観た感想とか聞かせてください。

こぶ平

レポート:こぶ平
写真:LACROSSE PLUS専属フォトグラファー 梅田朗江
撮影協力:日本ラクロス協会


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