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【こぶ平レポート】クライマックスシリーズ16|関東Teen’s秋季リーグ1部準決勝/ファイナル6決定戦

ラクロス、クライマックスシリーズ。全国大会に向けて、中高生のラクロスも佳境に入ってきました。
関東では最後の全国大会出場を決める予選への参加校を決める5,6位決定戦と、1部の準決勝が行われハイポテンシャルな戦いを繰り広げました。今週23日には1部2部の決勝戦が行われます。

U-19女子代表チームの関係者の皆さんには、是非来年のU19世界大会に向けての選手発掘の為にも来場いただき、Teen’sラクロスのハイパフォーマンスぶりを見て欲しい物です。


Final6決定戦

目白研心中高 vs 都立立川国際中高
ともに、中高一貫のチーム作りをしている学校の対決は、勝負どころでのゲームプランの違いで勝負を決する事となった。
開始早々からボールの奪い合いが厳しく、お互いにランのブレイクを狙い合う中、66番のブレイクでショットチャンスを作り出す目白研心に対し、全員の走りから、インサイドへのフィードで得点機を作る立川国際後半途中まで4対4と拮抗した試合展開だったが、目白研心のフライで攻めやすくなった立川国際が5分間で勝負を決する連続得点で、シフトを戻した目白研心の反撃は叶わず、8対4で立川国際K.L.Cが勝利。来春の東日本第5代表決定予選へ進出した。
均衡時の選手起用というのは、難しい面があるが結果的には立川国際に吉と出た。チームの方針もあるのかもしれないが、努力して勝つことで覚醒するものが大きいのが現代的なスポーツだと考える私にはその機会の為に最善が尽くされたのか確認をしてみたいゲームであった。

横浜東高 vs 聖ドミニコ学園
ともにラクロスが大好きで、昔から1部で競い合ってきた学校同士の対決となったが結果的には、近年の構図を変える所までは進まず、14対4と横浜東が力を魅せる形となった。
しかしながら、試合展開は前半13分まで4対5と均衡した展開に持ち込んだ聖ドミニコ学園、以前は華麗なパスラクロで高校ラクロス界で時代を作ったチームを越える、ゴール前でのポストを使ったワンツーリターンパスからのショット等新しいパスラクロスの片鱗を見せ、場内の拍手を得た。後半に入ると東高持ち前の速いパスからの攻撃に圧倒されるが11番中心に回されるパス攻撃は、スピードや距離が出てくると上位のチームの脅威になってくる期待感がある。
聖ドミニコ学園Cheersもグラウンド環境等は恵まれた物ではないと聞くが、選手の創意工夫で、再び輝きを取り戻しつつある。Cheerを送りたい。

一方の横浜東は、持ち前のランに、パスの速さ、正確さが発揮されつつある。次回の第5代表決定戦は3月だが、それまでの成長が又楽しみなチームである。



1部準決勝

桐蔭学園中高 vs 大妻多摩中高
これは、全くタイプが異なるチームの戦いとなった。圧倒的な個の力をベースに、個の突破力をブレイクスルーとしてボール持ちが長いスタイルの大妻多摩には少なくとも3人の非常に強い個が存在する。
一方の桐蔭学園は、それぞれの個を磨きながらも、ボール持ちの短いパスランのゲームプランで勝負をするチーム。勝敗の行方は個の強さを発揮できるのか?さらにパスの正確さが発揮されるのか?その二つがポイントとなった。
結果的には、大妻多摩の個の強さを的確に寸断した桐蔭の全員ディフェンスを40分通せた事。そしてパスが速く正確に繋がり15番のブレイクも引き出せた桐蔭学園が8対5で勝ち切る形となった。
試合開始から大妻多摩がブレイクを仕掛け、キーマンの1人のフリーシュートが決まるが、動かすラクロスの桐蔭の攻撃が繋がりこの試合キーマンとなった36番のショットで逆転すると、15番のブレイクもあり、前半を5対2。暑さが募り厳しくなった後半も3対3と渡り合った桐蔭学園が勝利した。
大妻多摩の個の力はU18としては出色であり、パスによる引き出しが増えると全国を制覇する可能性が増えて来る。3月まで3か月以上。またここに進化を求める学校がある事を知った試合だった。

東京成徳大中高 vs 日大中高
タイプを同じくするチームであり、戦術面にも理解を進める両校の戦いは、歴史的に見ると日大高が東京成徳に勝てない試合が続いていた。
2年以上に渡り若い選手でチーム作りをしてきた日大中高は、今季Teen’s No1と評価されていた。対する東京成徳大高も智将の下、大学チームとの練習を経験し昨年度優勝チームより上を目指してチーム作りをしてきた。そのぶつかり合いハイレベルで拮抗した試合になる事も予想されていた。
日大中高の特徴は、ドローも強く、選手全員の走りが高まり、パスのスピードも速く、ロングバスも展開できる事から、高速パスランをベースに相手に攻撃の機会すら与えないラクロスができる事だと見ている。
昔、バスケットボールの作戦というかスタイルにラン&ガン スタイルというのが有名になりました。コミックの「Slum Dank」にも出てきたのでご存知の方も多いでしょう。
日大高のプレースタイルは一見すると、このラン&ガン スタイルに見えます。
それに対して東京成徳高の特徴は、智将の下、その時々の選手のポテンシャルに応じた作戦を取り、その作戦を選手が理解するまで練習を積み重ね、チームとしての最高のパフォーマンスを出すようになる事だと見ている。
従って、秋季の新チームに関してはまだ、そのチームに適ったスタイルになってはいないという見方もできる。従って、日大高のスタイルに対してどのように東京成徳が対応をしていくのかが注目をされた。
試合前の情報では、東京成徳はドロワーとして日大11番に対抗できる選手は今はいないので、ドローを取られた後のディフェンスに
ポイントを置いたシフトで対応をし、ドローからの速攻は止める。奪ってターンオーバーをしっかり決める。ところからゲームを作る形を目指しているようだった。

この試合、開始早々ドローは日大高が取るが、当初の狙い通り東京成徳が奪うも、日大のチェックも厳しく、日大22番が奪い返したボールを11番に繋がれて、ドッジロールランシュートを決められる想定以上のスタートとなった。しかし、以降は東京成徳のシフトは奏功し、ターンオーバーからの攻撃も引き出され、同点に追いつき、攻撃の応酬から前半は5対3日大中高のリードという接近戦になった。
過去の試合では、ここから後半東京成徳の作戦の修正がされ、日大高の走力が落ちて来る事もあり逆転をされるケースが見られたが、今季は、日大高のパフォーマンスが加速された。

後半ドローからの日大高のブレイクに高速パスランがはまり、攻撃がさらに速くなる。そして、全員の足が止まることなく20分間攻めて、攻めて、むしろ東京成徳の足が止まる場面もあり攻撃を許さず、後半だけで6対0 トータル11対3という形で日大中高の勝利となった。東京成徳は発展途上の中で前半戦えた事は、今後のステップアップに期待を抱かせる材料は得られた形だ。
関東Teen’s ラクロス 秋季 決勝には 桐蔭学園中高と日大中高 が進出した。この2チームに共通しているのは主力の高校2年生を中心に中学生選手まで含めて、2,3年に渡り作り上げてきたチームである事だ。新チームのこの時期に、このパフォーマンスを示す2チームが激突する決勝戦はTeen’sレベルとしては最高レベルの試合になるに違いない。(もちろん、これから来春にかけて各チームのチーム力はどんどん上がるのではあるが)
このチームが、昨季あすなろで優勝した立教大学チームと試合したらどうなるのか、見てみたい試合だ。

近年の、Teen’sラクロスは大学以上に、全体のレベルアップが進んでいる。今後チームの増加や指導者の増加が加われば高校スポーツの大きなポジションを獲得できるとおもうのだが。付属校をお持ちの大学の関係者の皆さま、是非ご検討ください。
ということで、関東中高ラクロス秋季リーグ Autumn Cup は11月23日最終日を迎えます。

11月23日   @神奈川県内
1部3位決定戦    大妻多摩中高 vs 東京成徳大中高
2部決勝戦      山村学園高  vs 神奈川県立横浜国際高
1部決勝戦      桐蔭学園中高 vs 日大中高
となった。

閉会式も行われるようですので、詳細は関東の所属各校にお問い合わせ願います。

再びですが、U-19代表チームのご関係者は是非、この日のTeen’sの試合を観て下さい。必ず、海外チームと対する時のブレークスルーがそこにありますから。

Enjoy Lacrosse!

Lacrosse makes friends and players.

こぶ平


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