2022年ラクロス全日本大学選手権準決勝男子ラクロス

【こぶ平レポート】 「男子」ラクロス全日本大学選手権 1回戦 〜近年の各地区の進化〜

第13回全日本大学選手権は新しい勝ち上がり形式で実施される大会となり、前回優勝地区の関東地区2位チームがワイルドカードで出場し全7地区から代表が集まる形だ。そして11月6日に東北会場で始まった大学選手権が11月12日に3地区で1回戦が開催されベスト4が決定した。既にライブ・ストーリミングで観戦された方も多かったかもしらないが、こぶ平の見た1回戦についてお伝えしておこうと思う。先ずは接戦の多かった男子からお伝えする。

全学男子ラクロス1回戦

近年の各地区の進化が地区間の拮抗を生み出した

2019年に東北大学が、関西代表の関西学院大学を破り初の決勝進出を果たし健闘すると、2021年大会ではその東北大学を予選で破った岡山大学を破った北海道大学が初のベスト4に進出するなど2018年以前に見られた地区格差がなくなり1回戦から厳しい戦いが予想された。その理由として3つあると考えている。

  1. 男子選手特有のスポーツに対する深い技術探求心に対して供給される海外から情報も入りやすくなった事(YouTube等)
  2. 今年のU-21日本代表にもみられる通り全国の育成が進み、全国の大学から代表選手を選べるようになり先端の技術がフィードバックされた事
  3. 各地区で1on1の力が向上し(特に守備の技術面)簡単に負かされることがなくなってきた事

である。特に②については各地区へもたらした影響が全国大会でも見て取れた。簡単に1回戦の各試合の模様を総括してデータで振り返る事にした。

東北大学 対 名古屋大学|3対4で名古屋大学勝利

お互いに守備の強度が拮抗し、前半から積極的な守備が効果的で崩しきれず有効なショットを打てる機会が少なかった。従ってショットの決定率も上がらずスタッツにもある通り、ターンオーバー*1の回数が非常に多い展開となった。1on1でも拮抗し容易に崩せない状況が続き最後の最後まで決着の見えない試合であった。結果的に名古屋大学が最後まで守り切った試合であったが、1Qと4Qであった東北大学のクリースバイオレーションが無かったなら勝てなかった可能性もある。そういう際どい試合であった。

 

京都大学 対 北海道大学|7対3で京都大学勝利

やはり守備力が強い(U-21日本代表を2名含む)京都大学がファイスオフを支配すると、試合もコントロールするが2Qで見せた北海道大学のゴーリーを含めた守備の踏ん張りと切れのある攻撃もあり前半は拮抗した戦いとなった。しかし後半はフェイスオフを完封しチャンスを確実にモノにした京都大学の勝利となった。京都大学は主戦ゴーリーを怪我の為無理をさせなかったが、守備が十分に攻撃機会を摘み取り自由なショットを打たせず北海道大学の枠内ショットを5本に抑え込んだ結果であった。

広島大学 対 慶應義塾大学|1対8で慶應義塾大学勝利

関東学生リーグ決勝戦編で述べた、広島大学11番平田選手(U-21日本代表FO)と慶應義塾大学33番石井選手のファイスオフ対決は見られなかったが、フェイスオフの結果如何に関わらず、慶應義塾大学の強力守備陣が広島大学を圧倒し抑え込む結果となった。広島大学も初出場ながらフェイスオフも健闘はしたが、王者慶應義塾の壁は厚かったと言える。慶應義塾は3Qにはラフなショットも見られたがゴーリーの驚異的なセーブも出色だった。

九州大学 対 明治大学(関東地区2位ワイルドカード)|3対4で明治大学勝利

関東学生リーグ決勝戦編で述べた、九州大学の守備が見事にはまり勝利を目前にするところまで進んだが、最後に決定力を見せた明治大学に逆転を許した。スタッツ主要4項目ショット数、フェイスオフ獲得数、セーブ数、ターンオーバー数の内3項目で下回った明治大学が勝利した要因はこの試合でも活躍した明治大学1番ゴーリー伊藤選手のセーブ数だ。明治大学のショット数9本という事と、やはり関東決勝でも見せたミスが次の戦いに向けて大きな課題と言える。一方悔しい結果となった九州大学は守備力において全国レベルの力を示したが、ショットに課題を残したと言える。何故なら関東地区決勝では慶應義塾大学は8点を挙げているのだから。来年は攻撃力もプラスされた九州大学に注目したい。

こぶ平’ss View

スタッツから見えた事は2つ。

  1. 守備力に関しては各地区で高いレベルで拮抗している
  2. 勝利の鍵は、攻撃力である

準決勝の見どころは、「どの大学の矛が相手の盾を破るのか」である。

男子ラクロス全日本大学選手権準決勝

準決勝は11月19,20日に開催される。

京都大学 対 明治大学 11月19日(土) @たけびしスタジアム京都

注目は「U-21日本代表DFとゴーリーを擁する両校の強力守備陣を、首尾よく打ち破るのはどちらの大学となるか」である。

名古屋大学 対 慶應義塾大学は 11月20日(日) @名古屋市港サッカー場

昨年に続き2年連続のベスト4でのマッチアップとなるこの試合。昨年は3対6とやはり守備面で力を見せた名古屋大学は昨年より進化した守備で対抗すると見ている。やはり「課題は慶應義塾大学の、名古屋大学とは異なる強力守備陣から何点獲得できるか」であろう。

準決勝はひと時も目を離せない展開になるはずだ、是非現地で試合を見て欲しい。

次回は速報版 全日本大学選手権 女子編をお送りする。

やっぱりラクロスは最高!

こぶ平

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