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【こぶ平レポート】全日本選手権男子10年の歩み〜何が変わったのか?〜

先に今年のラクロス全日本選手権は、かなり意味合いが違うという事を書きました。そして歴史の検証者になって欲しいとも書きました。何故か、過去9年を振り返りながら今年の全日本選手権の持つ意味を考えて行きたいと思います。

大きなテーマは
☆男子 FALCONSの10連覇を阻止するのはStealersなのか?
☆女子 3年連続日本一から遠ざかるクラブチームの復権を賭けた、NeOの進化と慶應義塾
大学の進化進行形ラクロスの衝突は日本ラクロスの行く末を占う?

とも書きました。ここにこの10年を振り返る意味もあるのですが、見どころでは書けなかったラクロス全日本選手権を検証してみましょう。

先ずは男子から振り返ります。

9年前、2008年の第19回全日本選手権は決勝戦が大阪・長居球技場(現在のヤンマーフィールド長居)で実施されています。
大会形式も関東、関西地区の1,2位チームと東海地区1チーム、4地区代表1チームにクラブ2チームの計8チームのトーナメント制で行われる最後の大会でした。
男子:FALCONS(初)、RAGGAMUFFINS、慶應義塾、東京、京都、立命館、日本福祉(初)、九州(初)
女子:FUSION(初)、Sibylla、東京女子体育、慶應義塾(初)、大阪国際、関西学院、名古屋(初)、愛媛(初)

決勝戦は、
男子 FALCONS vs 慶應義塾大学 優勝FALCONS 16対10
女子 FUSION vs Sibylla  優勝FUSION 7対4  でした。

全てに印象深いので書いていきます。
【男子ラクロス】
1回戦 東京大学(関東2位) vs RAGGAMUFFINS(クラブ2位)5対6

慶應義塾大学(関東1位) vs 九州大学(4地区代表;初出場)16対8
※現在FALCONSの#90/91コンビ関根-本下慶應ラインはここからの太さ

京都大学(関西1位)vs 日本福祉大学(東海1位;初出場)   8対3
※Stealersの清家選手は日本福祉におられたのか?

立命館大学(関西2位)vs FALCONS(クラブ1位;初出場)  2対18
※FALCONSでは#9継/慶應,#4畠山/帝京 選手が得点を決めている.

又、#18佐保田、#19水田選手も名を連ねていました。
因みにFALCONSの丸山伸也、克也選手、長谷川選手もまだADVANCE-HANGLOOSEでプレー中です。

【男子準決勝】
慶應義塾大学(関東1位)vs RAGGAMUFFINS(クラブ1位)  9対8

京都大学(関西1位)vs FALCONS(クラブ1位)  7対9
※この時 京都大学は3Q終了時7対4とFALCONSをリードしていました。

男女ラクロスの違いという面で1つ大きな特徴が見て取れます
男子は女子と比べると長く現役を続ける選手が多いという事です。

これに関しては、ラクロス論的に別途語る機会を持ちたいと思います。

そして、ここからFALCONSの10連覇へのチャレンジが始まります。一方で女子はWISTEREAが築いたクラブ優位の選手権を確実なものにし、男女ともクラブが日本のラクロスをリードしていきます。
2009年の女子ワールド杯(7位)代表も、2010年の男子ワールド杯(初の4位)も主役はクラブチームでした。(因みにメンバーで現役選手と見られるのは男子では簡単にわかるだけで、13人。女子は7人という状況です。)
そして2010年男子ワールド杯のヘッドコーチ(HC)が現在の慶應女子のHCの大久保さんである事は意外に知られていないのではないでしょうか?
そして、現在の立教大学の佐藤HCや慶應女子の石川ACは2005年ごろからワールド杯日本代表のACとして名を連ね、HC等を経て今に至っています。

2009年には新制大学選手権が開始になり、大学1位2位とクラブ1位2位の4チームが戦う現行の全日本選手権が始まります。それから2011年まではクラブの絶対優位時代が続きます。(それを崩したのは2009年女子大学日本一の東海大学が決勝に進んだだけです。)

しかし、2012年以降、男女ともクラブの絶対優位時代は崩れ、男子は以降決勝戦ではFALCONS対学生女子は大学日本一が今年まで3年連続(4回)続く状態になっています。

その中で、FALCONSだけは絶対王者として他を寄せ付けない5年間を構築し、今年10連覇に王手を掛けている訳です。

ーFALCONSの強さとは?次ページへー

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