【キッズラクロス】こどもにいいスポーツの習い事、なにかないかな。。。ラクロスでしょ!
こどもにいいスポーツの習い事、それはずばりラクロスです!
ここでいう「こども」とはユース世代、つまり中学生くらいまでをさします。なぜこどもの時期に他のスポーツではなくラクロスを選択するのがいい、と言えるのでしょうか。
大前提として複数のスポーツにコミットすることの重要性を挙げておきます。
マルチスポーツアスリート
アメリカでは近年ユース世代のラクロス人口が爆発的に増えていますが(参考:データで見るアメリカのラクロス競技人口の爆発的増加-プロリーグとメディア)、これはシーズンスポーツとしてラクロスを選択するこどもが増えていることをさします。
US Lacrosseでも言及されていますが、優秀なアスリートとしての身体能力やアスリート脳を鍛えるためには複数のスポーツを同時に経験することが重要です。United States Olympic Committeeの調査によると、年間でいくつのスポーツ活動にコミットしていたかという質問に対して、オリンピック選手平均で、14歳までだと3つ、18歳までだと2つとなっています。またオリンピック選手が自身を「マルチスポーツアスリートだ」と認識している選手は71%にのぼります。
つまりデータ上はオリンピック選手にはマルチスポーツアスリートのほうが多いということになります。(アメリカのシーズンスポーツのバックグラウンドあってのデータですが)
ラクロスの競技性はスポーツの中でも高度である
続いて本題になりますがなぜラクロスを選ぶべきなのかという点です。それはラクロスの高度な競技性が理由です。
サッカーやアメリカンフットボール、ラグビーのプロ選手を指導するトレーナーの竹田和正氏によると、ラクロスは道具を使いながらパフォーマンスをする必要があるため、競技性は非常に高度であるとのこと。スティックを持って、ボールを保持する、それだけで状況の切り取りかたが数倍に広がるのです。(私たちはこの話題でラクロスとパフォーマンスについて1時間議論しましたが要すればこれに尽きます)(*1)
(*1) 本題とはずれますが、パフォーマンスの発揮というのは小さな違いが大きく効きます。芝の上空1㎝を蹴るのか、上空5㎝を蹴るのかでフェイクの見え方が全く変わり、その後のアドバンテージが変わり、見える世界が変わる、ということです。この小さな違いをどう見つけ、どう鍛えるかが重要なのだと思います。
山田選手トライシーン(44秒よりスロー再生)。“ああいうトライを準備して、練習してきた”。
以下に私の考える男子ラクロスの高度な競技性を記したいと思います。上記のポイントとは異なり他の競技にも通ずるところですが突き詰めると奥が深い。
激しさ:フルコンタクト及びスティックを使用したコンタクトが可能であり、激しさがある。(ただしアメリカンフットボールやラグビーのようにコンタクトにより対面相手を倒すことは目的ではない)
フィットネス:対面相手を抜き去ったり止めたりするクイックネスとパワー、4クオーター激しく動き続けるエンジュランスが求められる。
クイックネス(Kyle Harrison)2005年度MLL大学生ドラフト全体一位指名。キレてる。
パワー(Myles Jones)2016年度MLL大学生ドラフト全体一位指名。196cm 108kgの巨体。
スキル:道具を扱いながらパフォーマンスするスキル。
道具を熟知したオフェンス(Lyle Thompson)2015年度MLL大学生ドラフト全体一位指名。
DFとのコンタクトをオフェンスチャンスと捉える。
集中力/状況判断力:ボールスピードの速さに伴う展開の早さ、展開の早さに伴う早い状況判断と予備行動。
わずかな時間で起きるすべての動きに意味があるOFとDF
視野:ゴール裏があることでDFは視野を確保したポジションを調整する必要がある。
ポジショニングと視野 常に準備万端の状態をつくりだすための緊張感が伝わる。
これらの能力を身につけることができるスポーツがラクロスなのです。これらの能力は間違いなく他スポーツにも活きることになります。
ユースラクロスのルール等
しかし道具を渡していきなり大人のルールでやってみろと言われても、そう簡単にできないのがラクロスです。男子と女子、根本的なルールは異なりますが、大人のルールをユース世代にどこまで適用するのか、アメリカの例をとって見てみます。アメリカでは「安全面」と「子供にとっての楽しさ」を両立させるようルールの調整を行っています。
出所:Lacrosse Magazine (Boy’s rule) (Girl’s rule) 編集:村松
男女共通
• 年齢別にフィールドの大きさとプレー人数を規定(ボールタッチ数の観点などから8Uまでは特にプレー人数は少なく設定)
• ファウルを犯した場合。8Uまではプレーフィールドから出て何故ファウルなのか説明を受ける。
男子
• 8Uからフルセットのプロテクター着用。
• ボディチェック(ボディコンタクト)は、12Uまでは原則禁止(ディフェンス時のホールド等は可能)。
• スティックチェックは6Uまでは禁止、12Uまでは限られた場面で両手によるものであれば可能。
女子
• 8Uからアイウェア着用
• 年齢別にドローのタイミングが異なる(8Uまではなし、10Uまではゴール後はゴーリーパスから再開等)
このようにしっかりとした段階を踏むことで、どのレベルでも楽しみながらスキル向上することを実現しています。
日本での普及について – ユース世代向けプログラム
ラクロスは1986年に日本に上陸してから大学生を中心に広まりました。上陸30年を経てこれからは彼らの子供たちの世代での広まりが期待できるはずです。US LacrosseはNCAA(カレッジ)、NFHS(ハイスクール)でカバーされていないユース世代を重点的にプロモーションすることでそのユース世代の登録人数を激増させました。English Lacrosse AssociationはBUCS(カレッジ)の勃興をしっかりフォローすることは前提として、ユース世代からのインクルージョンをどう図っていくのかを考えています(参考:English Lacrosse Associationの戦略(ドラフト中))。
日本ではどう展開されるべきなのでしょうか?
現状では統制されたユース世代向けのプログラムはありませんが、アメリカなどの進んだプログラム(参考:US Lacrosse LADM -4歳から94歳までを巻き込むアスリートプログラム)を参考にすれば、運営側も参加者側もイメージがわくのではないでしょうか。
まとめ
• こどものアスリート能力を伸ばすために複数のスポーツを取組むことはよいことである
• ラクロスは高度な競技性を持つスポーツである
• 統制されたユース世代向けプログラムがある(アメリカ)
以上の点から「こどもにいいスポーツの習い事、なにかないかな。。。ラクロスでしょ!!」という結論で、みなさんよろしくお願いします!