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【Referee Spotlight】森部 一斗さん|男子ラクロス

男子ラクロスの審判試験まで1週間を切りました。みなさん、勉強は進んでいますか?

今回は、今年7月に行われる第13回FIL男子世界選手権に北海道地区から審判員として唯一派遣されることが決まったこの方にSpotlight!

また、2年前の審判試験で32名もの合格者を輩出したチームをご存知でしょうか?

当時大学3年生ながら合格率1割以下の試験に対し、チーム内合格率5割以上を叩き出した=チームを巻き込み、頑張って審判試験に取り組んだ証でしょう。

森部 一斗さん|男子ラクロス審判員

【名前】森部一斗(もりべかずと)
【出身大学】 北海道大学
【呼び名】かずとさん、モリベイ
【年齢】23歳
【審判歴】5年目
【審判をするラクロスの種目】男子ラクロス
【日本ラクロス協会における審判級】2級
【出身地】愛知県名古屋市
【仕事】大学院生

【趣味】読書、お笑い鑑賞

【海外でのラクロス審判経験】
2017ASPAC (韓国、チェジュ島)


 【ラクロスの審判を始めたきっかけ】
きっかけは2つあります。
1つは僕が1年生の時に、4年生だった先輩がとても楽しそうに、しかもカッコよくジャッジしているのに憧れて、自分もなりたい!と思ったからです。
もう1つは単純にルールを知りたかったからです。一年生の頃、毎試合先輩の応援に行っていたのですが、何でプレーが止まったのか、何が起こったのかわからないことが多くて…。勉強していくうちにハマってしまってそのまま合格しました(笑)

審判を続けたのは、審判の楽しさにのめりこみ、プレーでなかなか貢献できない分、審判ならチームに貢献できると思ったからです。

【審判の面白み】
簡単に垣根を越えられることです。
年齢も地区も男女も国も関係ない。そこにあるのは“ラクロスの審判員”というつながりだけ。それでも一回一緒に吹いたり、考え方を共有したりするだけで仲間になる、そんな審判ワールドを作ることができます。
さらに他地区や海外を経験できたり、決勝の舞台に立ったりと、自分のチームでプレーしているだけではできないこともできます。
こういったことは審判ならではの面白さだと思います。

【審判を行う際のこだわり】
地区内でトップクラスの審判員であるという自覚を持ち、様々な人から行動や姿勢など常に見られている審判員であることを意識しています。

地区の審判は少人数コミュニティで何度も一緒に吹く機会があるので、その日一緒に吹く人に対して、課題や目標も設定してあげることもあります。あとは、一緒に入る審判員がリラックスできるように話しかけたり、試合前のコーチとのコミュニケーションで話しやすさをだしたり、といった当たり前のことをやっています。

【審判のスキルアップのために行っていること】
自分の審判の動画やレベルの高い審判の動画を見て、次の試合への課題というか、こんなことやってみようといった挑戦なんかを見つけています。それを試合で実際にやってみて、反省して、また挑戦を繰り返しています。

また、地区内では新規審判員や昇級希望者の育成に携わっていることもあり、「教える事は一番の学習」をモットーに教える事から日々学んでいます。自分の教えたことがすべてだとは思っていませんが、教えたことに説得力を持たせるために、自分も教えたことはできるように努力しています。

【あなたにとっての『いい試合』とは】
試合後に選手や観客の中にあのジャッジが違ければ、もっと審判員がこうしてれば、という思いが残ってしまっては決してそれは良い試合とは言えないと思います。
「良い意味で審判員が目立たない。」それくらい選手も観客も皆が試合に集中でき、審判員が試合を引き締められる試合は良い試合だな、と思います。

【審判としての今後の目標】
目標というか夢に近いですが、地区内初の一級を目指しています。
また、どの試合でも森部に吹いてほしい、森部が吹いてくれてよかったと言ってもらえるような信頼される審判員になりたいですね。

【審判試験の勉強方法】
試験前にチームの先輩が作ってくれた問題集を何度も何度も解いて、ルールブックを何度も読みました。さらにややこしい部分、例えば、F.O.のやり方、同時ファウル、ストーリングなど、「あれ?どっちだっけ」となった部分を重点的に読み返しました。また、疑問が出てきたら先輩に聞いて文章を頭の中で具体的にイメージしていました。さらにルールを自分の中に落とし込むために、よくルールブックに書きこんだりしていました。

今は各地区、チーム内で対策がしっかり施されていると思うので、基本的にはそれに沿って勉強をするのがいいと思います。しかし、それだけで慢心せず、しっかり自分でルールブックの確認をすると、合格に一歩近づくと思います。

LACROSSE PLUSの読者にメッセージ

今回の僕の記事をはじめ、過去の数々のReferee spotlightをご覧になり、審判員に興味を持った方、まずは審判試験で合格できるように頑張ってください。時間はまだまだあります。そのために資格を持っている先輩を有効に活用してください。皆さん喜んで答えてくれると思います。教えた方が自分の勉強にもなるので。試験の合格はゴールではなく、スタートラインです。審判員は実際にやってみないとその面白さに気づくことはできません。ぜひ合格して、試合で一緒に吹きましょう。審判ワールドでお待ちしております。

審判資格をお持ちの方、チーム・地区のレベル向上には審判員の成長が欠かせません。プレーをしながら審判員の目線、MG・TRの外からの視点。こういったことは必ずチームの力になります。審判資格を持つだけでは終わらず、常に向上心と楽しむ心を忘れずに審判をしてください。それを続けているとその先の大きな目標が見えてくることもありますし、目標が実現することもあります。チーム・地区のラクロスレベルを向上させて、審判ワールドを率いていきましょう。

ここまで記事を書かせていただきましたが、審判員のことをわかっていただけましたでしょうか?ここで本当の意味で「わかった。」と答えられるのは、おそらく審判員として活動したことがある方なのかな、と勝手に思っています。審判員の面白みは言葉で伝えきれないものが多くあります。後輩審判員と話していた時、「審判ってやってもやってもわからないことが出てくるし、判断に正解もないしで奥が深いですね」といわれたことがあります。その通りなんです。僕自身5年目になりますが毎回発見があるし、毎回課題もあるしといった感じで、終わりが見えないんです。実際にやって難しいと思って、それが楽しさに変わる。そうなったらようやく審判ワールドの仲間入りです。今後審判が面白い・楽しいと思える方が増えていくことを願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

最後になりますが、このような素晴らしい機会をいただけましたことを、光栄に思うとともに、Lacrosse Plus編集部の皆様に感謝いたします。また、日々支えていただいている北海道地区審判部や本部の方にもこの場をお借りして、感謝申し上げます。

Referee Spotlightにて紹介された審判員一覧

8)金子剛之さん

次回のReferee Spotlightもお楽しみに!

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