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パフォーマンスアップのためのキッズ向けトレーニング〜発育発達の視点から〜

パフォーマンスアップをするために、ラクロスの練習だけではなく走り込みや体幹トレーニングなどを取り入れて練習に取り組んでいる人々がほとんどではないでしょうか?

GoogleやYouTubeを開けば多くの情報が転がっている現在。
成長途中の子ども達へも同じトレーニングを行って良いのでしょうか?

答えは、はっきり『NO』です!
なぜ、大人と同じトレーニングではいけないのか?
その理由と具体的なトレーニング方法についてお伝えしていきます。

1.子どもは大人のミニチュアではない

体幹トレーニング=体幹部を固めるトレーニング
いわゆる肘とつま先を床につけて体を支持する「プランク」などをイメージする方が多いのではないでしょうか?

相手との衝突やシュート時の片足着地時に体がブレないようにしたい。
ブレない身体を作るために行う体幹トレーニング。
ですが…実際はその体幹トレーニングを行う前に身体の土台が出来ているのか?がとても大事になってきます。

成長期の子供たちの発育発達過程を曲線の図にした『スキャモンの発育発達曲線』これは20才になるまでの人間の内臓や神経系などの発達がいつ完成するのかを記した図です。(※http://ur0.work/OXOmより引用)

この図で注目したいのが身長や体重などの成長率を表した【一般形】と中枢神経系の発達の変化率を示した【リンパ型】です。

身長・体重は出生直後にどんどん大きくなり、思春期にも再度急激に発達していきます。また、運動発達に大きく関与する中枢神経は12歳でほぼピークを迎えています。ただ、この発達の曲線は神経の量のみに注目されています。12歳以降は中枢神経の発達が無いということではありません。

一概にはすべての子どもにピッタリはまるとは言い切れませんが、この図を見ると、それぞれの年齢で身長体重・神経などの成長が各年齢で違うのがわかると思います。そのため、子ども達には発達に合わせてその時々に必要な運動要素を学習することが重要です。

また、同じ学年の子どもの成長度合いでも、生まれてきたのが4月と3月の早生まれの子では成長度合いが異なってきます。年齢に左右されすぎず、その子自身がどんな発達過程にいるのかを見極めることも大切です。

単に大人のミニチュアではない、子ども達の身体。
発達段階に合わせた運動学習ができていると、みるみるうちに様々なスポーツの動作を覚え自分のものにすることが出来ます。

2.段階に合わせた運動の獲得

発育発達の過程から、12歳までのこどもたちの運動学習は4つのステージに分けることができます。

・第1ステージ 【基本機能獲得期】…0~3歳 
生まれてからハイハイや寝返りなどの過程を経て、直立二足歩行を獲得していく時期。
・第2ステージ 【基本機能安定期】…3~4歳
身に着けた直立二足歩行を安定させる時期。
・第3ステージ 【プレゴールデンエイジ】…5~8歳
神経系の発達が盛んで、この時期に豊富な運動の経験が次にくるゴールデンエイジ期に大きく影響します。
・第4ステージ 【ゴールデンエイジ】…9~12歳
動きの巧みさを身に着けるのに最適な時期であり、あらゆる運動を体で覚えることができる『即座の習得』の時期。

この4つの目のゴールデンエイジ期は、9~12歳になれば自然と来るものではありません。それまでの1~3のステージで必要な動きや運動経験をしてからこそのゴールデンエイジ期です。

例えば、赤ちゃんの頃に歩行器を使用しハイハイの経験が少ないという子どもの場合。ハイハイという四つ這いの動作は肩や股関節の安定性や機能性を高めるのに必要な動きです。ハイハイの動きの経験が少ないがために、歩く・走る・投げるなどの動きが苦手になってしまう一因になり得ます。

年齢はあくまでも目安ですが、各ステージの時期に適切な運動学習を行うことで『即座の習得』ができるゴールデンエイジ期を迎えることができます。

3.目指せ!即座の習得!ゴールデンエイジを迎えるまえに

満を持してゴールデンエイジ期を迎えるために!
どんな動きの習得や運動経験が必要なのかをお伝えしていきます。

まず、大事になってくるのが【①姿勢の安定性】です。
生まれてから直立二足歩行ができるまでの動きをきちんと習得できているか?必要な経験数を経ることが出来たのか?が重要です。

赤ちゃんは誰が教えたというわけでもなく寝返りやハイハイ、高這いなどの動きを行って二本足で立って歩き出します。人間がもともと持っている理にかなった運動学習のプログラムを実践して立つことができているのです。姿勢が悪い、動き方に安定感のない子どもたちには、まず赤ちゃんが生まれながらに持っている優秀なプログラムを再学習させることで姿勢の安定性を図ることができます。

また、姿勢が安定することで体の土台を作ることができます。本来ならば、体の土台は遊びや生活の中で自然と培われていたものでした。しかしながら、どんどん便利な時代になり自分自身の体を動かさなくても大抵の物事をこなすことができるようになったり、自由に遊べる場が減ってしまったりと、生活様式の変化に伴い、体の土台を作る機会も場も失いつつあるのが現状です。

そのため、意識的にこの①の段階の運動経験をさせてあげることは現代のこともたちにとっては大切です。そんな子どもたちのため、良好な姿勢と安定した体を作ることを目的にした『コアキッズ体操』は赤ちゃんが生まれてから直立二足歩行するまでの動きを9つに分けて行います。
練習前のウォーミングアップなどに取り入れることで、より安定した姿勢と体の土台作りになります。

次に必要な段階は【②自分の体をコントロールして使う運動】です。
①で出来上がった体の土台に、走る・ジャンプ・登る・くぐるなどの動きを行うことで腕や足などの体の使い方を覚えることができます。

また、動きの経験が多ければ多いほど自分の体のサイズや各部位がどう動いているか?などの脳での理解が深まります。この理解が出来ていることはボディイメージとも呼ばれ、その後の運動の習得のスムーズさにも繋がっていきます。子どもたちにとって野球やバスケなどの一つのスポーツだけを行うよりも、様々な動きの経験をすることが重要です。

そこで、②の運動に一番適しているのは公園でのアスレチック遊具で遊び尽くすことです。うんていやのぼり棒、ブランコなど…自分の体を最大限大きく使って動かすことができます。

また、重力に対して自分の体をコントロールして動かす前転や倒立などの動きも良いでしょう。動画にある『だるま』『大仏』は前後左右に体を倒して起こすという動き。力を入れるタイミングや体の反動をうまく使えるようになります。

ここまでは、自分自身の体を安定させ動かせるようにするための運動でした。

次の段階は【③道具を使う、相手のある運動】です。
キャッチボールなどのボール遊びやかけっこを行うことで、自分以外のモノや相手に対してどう動けば良いのかを学習していきます。

そして【④ルールや競争性のあるスポーツ】に十分に取り掛かることのできる段階に入ります。
特に、①から③の運動発達の段階をきちんと踏むことでその後の競技でのパフォーマンスに大きな影響を与えることができます。

子どものスポーツのスキルアップを!とのぞむのであれば、スキルの練習や走り込みだけではなくその子自身の発達段階とその先を見据えることが非常に重要です。

4.子どものパフォーマンスアップのために

ラクロスはクロスを持って走りながらボールをパスしたり、シュートを行うという高度なスポーツで様々な運動要素が含まれています。
『走る・跳ぶ・持つ・投げる』など、その子自身の体の発育発達や、ラクロスを始めるまでにどんな運動経験をしてきたのかを踏まえて適切なトレーニングを行うことでパフォーマンスアップを狙うことができます。

また、12歳になるまでの子どもたちに限らず中学生・高校生でも同様で、足りなかった運動経験をさかのぼって行うことで運動能力からパフォーマンスアップを狙うことができます。

発育発達に合わせた運動を行うことで、出来ることが増えます。そして、より自分の体を動かすことが好きになります。
その「好き」という気持ちこそがパフォーマンスアップにつながる一番の秘訣かもしれません!

この記事を書いた人


☞馬渕加奈
順天堂大学スポーツ健康学部を卒業。大学剣道部での競技生活とトレーナー活動を経て飯田覚士ボクシング塾へ入社。飯田覚士氏の元で子ども達の発育発達に併せたビジョントレーニング、運動指導に励んでいる。
「ひたむきにおおらかに」をモットーに子ども達の気持ちに寄り添った指導を心掛けている。

・飯田覚士ボクシング塾ボックスファイ→https://www.boxfai.com/
・Faceook → https://www.facebook.com/boxing.juku/
・Instagram → https://www.instagram.com/boxfai_kids/

 

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森川稔之
①名前: 森川稔之 ②所属チーム: 青山学院大学女子ラクロス部 ③ラクロスのポジション:アスレティックトレーナー ④ラクロス歴:トレーナーとして7年 ⑤一言メッセージ:ケガなく、安全に、最高のパフォーマンスで、ラクロスを楽しむための情報をお伝えしています。

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