【質問返し】試合最後まで走りきる体力練習はどうしたらいいの?

先日ラクロスプラスにトレーニングに関するこんな質問がありました。
この質問はラクロッサーに共通する話だと思いますので、みなさんに返答をシェアしたいと思います。

質問

①8月がリーグ開幕の場合も、移行期(〜2月頃まで)一般準備期(2月〜5月頃まで)と考えていいのでしょうか?
②移行期のトレーニング内容にあった「他の競技を楽しみながらのトレーニング」には具体的にどんなものがあるのでしょうか?

質問への返答

「開幕戦にピークのパフォーマンスを持っていこう!」
というチーム戦略を取るのであれば、①の期間設定で問題ありません。
(オフ明けが年始でないチームは、もう少し時期が後ろにずれます。)

しかしながら、チームによっては
・リーグ戦前のカップ戦に一度ピークパフォーマンスを発揮したい
・リーグの終盤でピークパフォーマンスを発揮したい
・全日本選手権でピークパフォーマンスを発揮したい
など、年間の戦略(計画)が異なることもあります。

その場合は、①の期間設定ではターゲットとした試合でピークのパフォーマンスを発揮できない恐れがあるため、どの試合をターゲットにするのか、コーチングスタッフとの擦り合わせが必要です。

ターゲットとした試合でいい結果を残すために、みなさんの助けとなるちょっとした知識をお伝えします!

1.ピリオダイゼーション(期分け)

ピリオダイゼーションとは、目的とするトレーニング効果を獲得するために、トレーニング計画を目的別に「期分け」し、各期に応じてトレーニング量・強度・種類を変化させることを言います。

1年間を「マクロサイクル」、数ヶ月から数週間を「メゾサイクル」、1週間を「ミクロサイクル」と呼んだりしますが、長期・中期・短期に分けてトレーニングの計画を立てることが重要ということです。

1ー1.移行期のトレーニング

期分けの名称や時期の定義は文献によって様々ですが、以前に宮代トレーナーが「ラクロスのフィジカルトレーニング(持久力編)」にまとめてくださっているので、そちらをご覧ください。

「他の競技を楽しみながらのトレーニング」については、サッカー、ハンドボール、タグラグビー、鬼ごっこなどが、体育の授業でも実施しているため導入しやすいと思います。正規の競技ルールで実施すると、スキルが足りずにほぼ動かないまま時間が過ぎてしまうこともありますので、選手のスキルに応じて「コートの大きさ」「競技時間」「競技人数」を変更して、意図した体力要素を鍛えるために創意工夫することが大切です。

1ー2.試合期のトレーニング

ラクロスの試合期の特徴は、シーズンが長く、公式戦と公式戦の間がチームによって異なることです。

この記事の冒頭でもお伝えしたように、どの試合にピークパフォーマンスを発揮したいかによって、トレーニングの時期も異なります。
「期分け」と記載するとぶつ切りのようなイメージになってしまいがちですが、「区切る」のではなく、「トレーニング内容の割合いを変えていく」イメージで計画を立てることが重要です。

ピークパフォーマンスを狙った試合で発揮するためには、徐々に練習・トレーニングの負荷を減らしていく「テーパリング」と呼ばれる調整期間を設けることも重要な要素の1つです。

ただやみくもに練習量を減らすのではなく、下記の「休止前のトレーニングによる効果が残存している期間」を参考に体力要素を踏まえて負荷を減らしていくと、より選手のピークパフォーマンスを引き出すことができるので、ぜひ参考にしてみてください!

休止前のトレーニングによる効果が残存している期間
体力要素 日数
有酸素性持久力 30±5
最大筋力 30±5
無酸素解糖系持久力 18±4
筋持久力 15±5
最大スピード(非乳酸性)  5±3

(ピーキングのためのテーパリング-狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために- 著:河森直紀 より引用)

2.まとめ

今回は質問への回答を含め、ピリオダイゼーション(期分け)ついてお伝えしました。
長い期間のリーグ戦で、毎試合いいパフォーマンスを発揮するためには、スキル・フィジカル・メンタルの専門家が密にコミュニケーションを取って、選手の状況に応じた練習・トレーニングメニューを考えることが重要です。
試合期になってから慌てて考えるのではなく、まずこの時期に年間のトレーニング計画を立ててみましょう!

【参考引用文献】
1)ストレングストレーニング&コンディショニング[第4版] :ブックハウスHD
2)ストレングス&コンディショニングⅠ理論編:大修館書店
3)ストレングス&コンディショニングⅡ実技編:大修館書店
4)日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー 専門科目テキスト⑥ 予防とコンディショニング
5)ピーキングのためのテーパリング:NAP Limited
6)エンデュランストレーニングの科学:NAP Limited

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森川稔之
①名前: 森川稔之 ②所属チーム: 青山学院大学女子ラクロス部 ③ラクロスのポジション:アスレティックトレーナー ④ラクロス歴:トレーナーとして7年 ⑤一言メッセージ:ケガなく、安全に、最高のパフォーマンスで、ラクロスを楽しむための情報をお伝えしています。

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