【HOW I COACH】辻 拓也 ーTakuya Tsujiー
ーLACROSSE PLUS読者へにメッセージをお願いします
日本におけるラクロスは下克上のチャンスが多いので実験の場として最適です。
2017年は思い切って実験した年でした。これまでの一橋のように固定化された戦術を続けても一人ひとりの判断力が低下すると考え、特にOFにおいて個々の判断力に依存する部分を大幅に増やしました。またそれに合わせ、一人ひとりが練習内容や目標設定を判断する機会を増やしました。それが上手くハマって結果に繋げることができたと考えています(もちろんこれだけではないですが)。
また、考える機会が増えることで主体性が増し、選手・スタッフに限らず自分の意見を持つ学生が増えました。社会に出ても上司の指示に従うだけの人間が減りそうで個人的には実験成功です。
コーチの難しいところは、実験としての部活と勝つ場所として部活を両立させる必要があることです。ただ単に実験しても学生は付いてきません。ですので、コーチングする前に頭の中で仮説検証を繰り返し、本気で勝ちに繋がると思う仮説を選択し、学生と同じレベルで本気で取り組む必要があります。このことに気づくのに6年くらい掛かりました。
ただラクロスは野球やバスケットボール等のメジャースポーツと確立された戦い方や育成方法はなく変化に対する反応が良いスポーツです。それゆえに選手としてもコーチとしてもやりがいがあります。
選手もコーチもこれまでの形に拘らず、本当に意味があると思える取り組みを行っていくことが今後の日本のラクロスに取って大事なことだと思っています。先輩やコーチよりYou Tubeでラクロス見て、勉強して、自主練して、練習メニュー変えるところから始めてみましょう。ラクロスの見え方が変わってくるはずです。
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このインタビューを通して、辻コーチはラクロスのコーチングしているのではなく、物事に対しての ”考え方そのもの” をコーチングされていたんだろうと思いました。
これからより多くのコーチにインタビューをし、たくさんのコーチのラクロスに対する考え方やコーチ論をご紹介していきたいと思います。
次回もご期待ください。