【HOW I COACH】上田 喜子ーYoshiko Uedaー
ーコーチになるにおいてコーチ自身が高いレベルのラクロススキルを持っている必要性はあると思いますか?
デモンストレーションをやる時などコーチのラクロスレベルが高いに越したことはないと思いますが(笑)、必ずしも強い・巧い選手が良い指導者になれるとは限らないと思いますし、逆に選手として花開かなくても指導者は向いていた、ということもあるかと思います。
コーチをやっていて自分より巧い選手なんてたくさんいますし、2017年は初めてのHCでその選手達へ何をどうやって教えるか悩んだ時期もありました。その時に思ったのは、時には思い切って人の力をお借りするということ。母校の同期や後輩に相談したり、実際に見てもらったりもしました。
あとは、私は直接的な細かいスキルというより、考え方とかチームの作り方とか、そういう所でサポート出来たらなと思ってやっています。レベルの高い選手だからってプレーのことだけで悩むのではなく、そういう選手は幹部になったりプレッシャーとかプレー以外の精神的なところで悩んでいたり、自信をなくしていたりすることもあると思うので。私自身が4年生の時、幹部と近くにいて本当に頑張っているところも悩んでいるところも客観的に見ていたこともあります。今年、結果的にレベルの高い選手からも出会えて良かった、一緒に戦えて良かったと心からの言葉をもらえたので、この考え方でも良かったのかなと思っています。
ただし、日の丸を背負っているような選手が控え選手やサブの選手に積極的に話しかけていたら、敵いません(笑)大学2年生の時、スタメンの相手役として入っているチームにOGのしゅんさん(柴田陽子さん)が心からの叱咤激励くださって。試合前でピリピリしてたし自信もなくてひっそりと腐りかけてた私に、日の丸を背負ってる経験もあるしゅんさんが直接「よしことかそんなんじゃないはずでしょ、何やってるの!?」って声をかけてくださったことでものすごく刺激を受けました。7年以上前のことなのにこうして鮮明に覚えているぐらい(笑)
一流選手にスキル以外のところで本気で声をかけていただいたことが、何だかすごく記憶に残っています。
強くなるには強い選手が必要ですが、そもそもプレー以外の所で躓いたりラクロスが楽しくなくて辞めてしまったら、素晴らしい選手になるべく人材がラクロスが離れてしまう。世界で戦うための強化は、世界で戦った方々の経験や知識が絶対必要だと思います。だから、そうでない私は私でラクロス好きを1人でも増やしたり、出来ることを全力でやっていきたいなと。そこから全国に羽ばたいて世界を見たいという選手が生まれて、そういう場で学んで吸収して強くなれるようなメンタルや土台づくりを出来たらなと思っています。
まとまっていませんが(笑)、コーチはプレーヤーとして花開いている方だけではなく、大きく見ると役割分担もありながら、様々な方のそれぞれの関わり方があるのではないかと思ってます。何より、ラクロスが好きでそれを学生と共有できるかだと思います。
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ーコーチとしての目標を教えてください
1人でも多くの人がよりラクロスを「好き」と思ってくれること、社会へ出る前の大事な学生生活でラクロスに携わって良かったと思ってもらえること。
ー【次ページ】上田さんよりメッセージー