【こぶ平ラクロス】関東大学リーグ1部男女決勝

ラクロスファンの皆さん、2019年ラクロスシーズン、全日本大学選手権への最後の切符を巡る戦いが、11月9日駒沢オリンピック公園 総合運動場 第二球技場 で4000人の観客が見守る中晴天の下実施されました。遅くなりましたが、詳細をお伝えするとともに、裏側を少し覗いたのでお伝えしましょう。(なお、種々のデータ/回数等は2009年新制大学選手権になって以降の数字です。)

今年の関東学生リーグラクロスの1部ファイナルは
女子  明治大学(Aグループ1位) 2017年以来 6回目の決勝進出 優勝3回
立教大学(Bグループ1位) 2011年以来 3回目の決勝進出 優勝1回
男子  早稲田大学(Aグループ2位) 3年連続  7回目の決勝進出 優勝4回(慶應義塾と並び最多)

東京大学(Bグループ2位) 2年連続 4回目の決勝進出 (優勝は1990年2005年まで遡る)という顔ぶれとなった。

男子ラクロス

早稲田vs東京のファイナルは2年連続の4回目となるが、過去の対戦成績は3勝0敗過去10年間リーグ戦、プレーオフを含めると、6回の対戦があり早稲田の4勝1敗1引き分けという結果だった。
昨年の決勝は、究極の矛vs盾対決となり、わずかの差で矛の一撃が勝負を分けた形となった。今年は春からの、両チームの立ち上がりが悪く、結果的に両校ともグループ2位ながら、最後に調子を上げて1位チームを際どく破りファイナルに駒を進めた。
故に、ファイナルまでに更なる進化を遂げているはずのチームの対戦は、正直な所、当日の1Q開始を待つしかなかった。
試合前にチームの戦い方を確認する機会を得られたのは早稲田大学のみだったが、見解は「攻撃力を付けてきたので10点を取れる試合を目指したい。」という物であった。
背景には、ファイナル4でグループ1位で東大を上回った中央大学に、第2延長で勝ち切る勝負強さを見せただけではなく、そのレベルで8点を取り切ったという手応えもあったのではないかと推測する。

東大側はどうだったのか?

ここは想像になるが、苦しんだリーグ戦から短期決戦を勝ち抜くには、やはり確実に試合を進められるDFをベースにした戦術で臨むのではないか?(実際準決勝では慶應義塾を抑えきって、4対3と際どく勝ち切っている。)

リーグ戦では今年30得点の26失点(昨年は36得点の15失点)と数値的にも昨年を下回る結果となり、戦術的にも、昨年の決勝からも導かれた対早稲田への対応は攻め勝つという物ではなかったはずだ。

こうして、迎えた1Qのフェイスオフから、相手の出方を伺うというよりお互いにドライブからのブレイクを狙い合う展開となり、結果的に3対2と拮抗した形で終わるのだが、フェイスオフで優位を取った早稲田のポゼッションが長い形だった。

2Q 立ち上がりから東大のミスが重なり、早稲田の攻勢が強まるも東大ゴーリー12番のセーブで均衡を保つ展開が10分頃まで続いたが、2度目の裏まくりからブレイクを果たした早稲田が、インサイドの攻略も見せ5対2として前半を終えた。

3Q 東大のパスミスが重なるも、ゴーリーのセーブから作った攻撃を得点に結びつけるが、早稲田もモメンタムを渡さず、徐々にショットの機会を増やし、ゲームをコントロールしだした。
結果的に3Qを終えて7対3と早稲田がリードを広げた。
4Qに入ると、早稲田の中盤より上でのDFが東大の自由を奪い、3度目の裏まくりに早稲田らしいスタンディングショットも決まり9対3とすると、早稲田がゲームをコントロール。東大の次のブレイクを許さず勝利した。

2Q以降、早稲田がゲームプラン通りの展開で試合を進めるだけの強みを持っていたと言えそうだが、開幕戦での4対5という敗戦から進化を加速する育成プランの質の高さを感じられたファイナルだった。

東京大学は2年連続で早稲田大学に屈した。春の6大学戦では4対7そこからの進化で上回れなかった。DFの強みに、攻撃の強さを加味するのは簡単ではないのだろうが、やはり1対1での強さと、決定的なシュート力を求める事は、東大らしくないのだろうか?

早稲田大学は新制大学選手権になった2009年以降で関東最多の5度目の優勝を遂げた。ここで、立ち止まる事はない
だろうが、爆発的な強さを発揮するのは全日本大学選手権となる。九州大学も東海地区代表を破って勢いを付けている。
Awayで戦うには、真の強さが必要だろう。

女子ラクロス

明治と立教の対戦というのは、この10年間のプレーオフで3戦 明治2勝、立教1勝。リーグ戦を含めて5戦明治が3勝1敗1分けと勝ち越し、とりわけ2011年の立教が優勝して以降、明治との立場が逆転していたのが現状(2012年以降 明治の3戦3勝)だった。しかし、昨年は両校とも、ファイナル4に残れずグループ3位から今年、巻き返しを計ったというのは共通している。

共通点はその他に2つある。
① 両校120名を超える選手層の厚さ
② 2018年のレベルを2019年度のチームスタートで維持した事

である。
しかし、その他はチーム構成からくるラクロススタイルの違いに代表されるように、全く異なるタイプのラクロスを展開する両チームである。

今回の決勝戦にあたり、先ずはそのタイプの違いについて理解していただこう。

<基本スタイル>
明治大学:大学以前のラクロス経験者は少ない(6/124)が故に、スキルの向上を目指すよりも個々の運動能力を引き出すための高負荷育成がベースになり、シンプルで力強いラクロスになっている。

立教大学:大学以前のラクロス経験者が多い(28/222)が故に、スキルの高さとラクロスへの理解の高さが特徴的な選手が、大学から始める選手の能力を引き出しながら戦術的なラクロスを展開する。
(大学における高校ラクロス経験者の割合は3%にも満たないので、立教大学の13%という数字は非常に大きい。これに匹敵するのは東海大学の14%の他、慶應義塾大学、同志社大学、関西大学、立命館大学(付属校のラクロス経験者が多い)になるのだが、U18のTop選手が集まる割合は立教大学が高くなっている。)

そういう違いの中で、育成力で日本のTopを取った明治大学は、昨年度の挫折?から得点を取るには基本的な1on1の能力を高める事に今季の前半は集中していたと見ていた。
対する立教大学は、従来のスキルフルなラクロスの実施に必要なタレントに、運動能力の高い未経験者が挑み覚醒を目指したケミストリーラクロスを進めようとしていたと見ていた。

先にも述べたが、ベースになる2018年終了時のチーム力が高さを維持していたチームが(実はそういうチームがもう1つ有ったと考えている。日本体育大学である。)目標を高い所に定めて邁進した結果を出し合うのがこの決勝戦だったと言える。
(この、プロセスは非常に興味深いものだと考えているので、別途振り返りたいと考えている。)

両校、難敵と目された日本体育、慶應義塾に対し強いラクロスで勝って臨んだ試合は、準決勝同様ゴール前でスキルフルなラクロスを展開する立教に対して、仕掛けたのが明治大学だった。スローな展開からポゼッションをしっかりと固めてから崩す力を持つ立教を、中盤より上で厳しくチェックを仕掛け、ボールを奪い1オン1を軸にシンプルに仕掛けるラクロスを展開し、1Q7分にはブレイクに成功をする。
恐らく、明治の思惑はこの1Qで3点ぐらいの優位を作りたい?作れるという仕掛けだったと見ていた。ところが、今年の立教実は、大きな武器を持っていた。武器?

試合前のポイントの1つに、両校のゴーリー対決も上げていた。明治、立教のゴーリーもスタイルは異なるのだがセーブに力を発揮する好ゴーリーを持っている。それは勿論機能した。

しかし、立教の武器はそれだけではなかった。
今季、あまり注目を集めてはいなかったが、立教の武器はそのDF力だったと思う。鎧兜が強いから、矛を縦横に振るう事もできる。そのDFは、8番花岡選手,9番新堀選手を中心により速い予測と寄せで攻撃の芽を摘むのだが、攻撃的なMFの7番寺西選手の縦横無尽のカバー、強い1オン1に抗した10番樋口選手。リーグ戦では守備的では無かった11番キャプテンの山口選手が献身的な動きで失点を許さなかった。

1Qを、0対1でカバーした立教は2Qになると、得点機にアタックのタレントが決め2対1と逆転する。そして3Q以降守備の献身に応えるアタックの強さと上手さが、難しいブレイクをものにし、残り5分の明治の猛攻もいなしながら、最後には1番の大川選手の真骨頂Waoなショットを決めたのが残り90秒。
立教が2011年以来の優勝を決めた。この試合、今年覚醒しMVP2番櫻井選手の2点もさることながら、1点リードからの膠着状態を打破した(それを求められていた)10番のスーパ―ドライブと流れを渡さなかったドロー。熟練の6番折笠選手のセンターブレイク。それら攻撃の機会作りに献身した3番前西、4番桑島、5番稲木選手の動き。6点という点数に凝縮された動きは、本当にレベルの高いものだった。
それでもなお、この試合の勝利の立役者は、献身的なDF特に7,8,9番の動きは特筆されるべきだろう。

一方の明治は、1Qでモメンタムを取れなかった悔いはあるかも知れない。しかし、20番を始め多くのけが人を抱えながら、立教を追い込んだ力は、強化選手の62番平島選手を筆頭にとても強い物を見せた。強さは1番のゴーリー桃井選手も同様であるが、特筆すべきは2番内野選手、3番岡田選手の2年生コンビだろう。
特に2番の内野選手は、大学からラクロスを始めて1年半でここまでのパフォーマンスを見せるとは、立教の10番といい、野球部出身の選手に何か活躍の秘訣がかくされているのではないだろうか?

ともに、異なるチームの歩みを見せて、邂逅した2チームが作り出した緊迫の60分は得点の数以上に、素晴らしい満足感を与えてくれるものだった。だからラクロスから目が離せない。

ともに、主力に若い力がある。一体来年はどんなチームになるのだろう。

ラクロスって最高!

11月24日に行われる全日本大学選手権で、その進化した姿を見る事ができる。
楽しみにして欲しい。

こぶ平

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編集長LACROSSE PLUS
設立:2016年8月|ミッション:ラクロスに関わる人に有益な情報を届け続ける|ビジョン:ラクロスの人ってかっこいい|編集長:小野寺ひより

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