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【こぶ平コラム】ビバ!ラクロス|関東学生リーグ1部女子

関東学生リーグ1部の大勢が決まった。ファイナル4が決まる試合の詳細を、見る事が出来た試合とLiveの情報から解説していこうと思う。

【関東学生リーグ1部女子】
9月16日の戦いでファイナル4が決まり、男子のAグループの4,5,6位だけがまだ決まらない状況だが、結果的には大山鳴動してXXXX、歴史的な変化は起こらなかった
ように見える。しかし、実態は、、、、

●女子ファイナル4
Aグループ 1位 明治大学 2位 慶應義塾大学
Bグループ 1位 立教大学 2位 日本体育大学
端的に述べれば、明治大学と立教大学の復活という事なのだが、それ以上に意味のある1部最終節の戦いぶりだった。
Aグループは明治がいち早く1位を決定し、2位の座を慶應義塾、成蹊、法政が争う形で先週末を迎えた。そして法政と慶應義塾の直接対決が、成蹊vs東海の翌日に行われるというスケジュールにも意味があったように思う。

Bグループは日体と立教が同じ勝ち点、同じ得失点差で並び、最終戦の結果で1位か2位に分かれる。そして、立教が1時間前に昨年2位の青山学院と、日体が今季まだ勝ち星に恵まれない中央との戦いを控えている状況だった。
時系列的に15日となったBグループの模様を詳述しよう。
得失点差との戦いというのは、展開を計算できそうで難しい。又、当然対戦相手によりかなり変わるという性格のものである。ただ、私は試合前に両チームのモチベーション特に青山学院、中央のモチベーションに注目していた。

まず、立教のモチベーションというか考え方。
1)日体大より、難しい相手となった(色々な面で)
2)日体大より、先にゲームを終える(相手の得失点差は分からない)

事から、1Qの展開次第で得失点差より、色んな戦力を試す事もあるかな?という考え方(特に首脳陣)だったようだ。

対する、青山学院の気持ち
1)中央との戦いで、引き分けたが東京農業に勝利し、どうやら(90%以上?)入れ替え戦に進む事は無くなって良かった。
2)来期に繋がる試合ができれば良い?
という風にとらえていた。(強いモチベーションが無い状態。)

そして、日体大の気持ち(推測)
1)事前の立教の試合の模様は入手せず自分達のプレーに徹しよう
2)その結果として1位が付いてくる

でも、平常心より点を取るというモチベーション、テンションが高い形で試合に臨む形ではなかっただろうか。

最後に、中央の選手の気持ち
1)1部昇格して1年目、爪痕を残したい。
2)勝てば、入れ替え戦から逃れられる可能性がある。
3)Topを争う立教相手に前半良い試合もできたし、日体大も早稲田に苦労した。
最初の頃は、戸惑いもあったが最後の試合で勝つことに結束して臨めたのではないか?

こういう状況で、繰り広げられた試合


<立教対青山学院>
1Q先ず立教が先手を取る。先のゲームまで少し集中力に欠けていたように見えた1番大川選手のドライブで先行すると、青学に追いつかれるも再び大川選手のブレイクでリードすると、3年生カルテットが躍動4年生のサポートも受けて縦横無尽のゴール前、後ろで7対1と流れを決めた。
以降、青学の得点も抑えつつ、正確な数値ではないが、1番、2番、3番、6番の3年生カルテットがハットトリックをするなど、終わってみれば18対2と得失点差で+16を
加算する形で終わった。
立教としては、新戦力の試行はできなかったが、日体大に対して強いプレッシャーを掛けるのに成功したした試合となった。これは、やはり青山学院が強いモチベーションを持ちえなかった結果ではないかとも見える。
そして、その結果その後1時間の間、青山学院が青ざめる事となった。
立教が大勝したころ

<日体vs中央>
1Q中央の2点リードから始まった試合は、前回の早稲田戦同様、いつかは日体大ペースになるであろうと思われたが、中央の強い意志と攻守一体となった圧力に日体大のラフな(点を取らねばならないという思いから)試合運びが重なり合って、終始、4Qの13分まで中央大学がリードするゲームとなった。(青山学院が試合のLiveにくぎ付けになっていた姿は、今も目に焼き付いている)
中央の来季へ繋がる洗礼は、そこからの2分間、体力と得点に集中し気持ちがこもった日体大のブレイクに逆転を喫した。今季の中央は2つの引き分けで勝つことの難しさを知らされたが、格上の相手に何が必要か全力を尽くしたうえで何が必要か得られた試合となった。逆に青山学院にとっては悔いの残る終わり方になったのではないか?というか安堵感だけで終わったとしたら来季への成長は無いかもしれない。

かくして、1部Bグループの順位は決まったが、ここでの経験を考えると中央の来期に繋がる戦いぶりが印象的だった。

結果 1部Bグループは 立教、日本体育、早稲田、青山学院、中央、東京農業の順位が確定し、2部Bグループとの入れ替え戦に臨むことになる。

そして、その後に行われた1部Aグループの東海vs成蹊戦は終始トータルスピードで優位に立った成蹊が7対12と完勝し、翌日の慶應義塾戦にプレッシャーを掛ける形を演出した。しかし、この結果成蹊戦に負けた法政のファイナル4入りは消滅。法政の一つのモチベーションがなくなった。

そして迎えた16日の法政vs慶應義塾
両者の心理面を(勝手に)推測していた

法政の気持ち
1)ファイナル4への進出は無くなった。
2)対慶應義塾戦公式戦で初の勝利をつかみ取る。
3)4Qまで走りぬくぞ。

そこで、慶應義塾の心理
一般的な大学チームの心理なら
1)前の試合難敵を倒した。
2)この試合は勝たなければならないが、過去の公式戦では負けた事が無い相手。
3)4Qでも負けない、体力はある。

という、ややもすると強い意志が働きにくい状況で、試合に入るのではないか?
慶應義塾もそうなのか?
今季の慶應義塾はシーズン始まる前は得点不足に泣いていた。シーズンinで克服はされたか?いや、まえの試合は5点しか取れなかった。
つまり、状況的には相手がどうあれ、ディフェンシブに負けない試合になりがちな心理状況だったはずだ。

しかし、結果は一般的なチームとは違った。成蹊戦と違い、最初からきっちりと攻撃を行い、ディフェンスも締めて、4Q途中まで9対0 主将荒井選手の3点他脇坂、清水の主力のそろい踏みに1年生も3点を取る事できっちり形を付けた。

シーズンを通して苦しんだ慶應義塾が、昨年までのような強力な武器を行使する形ではなく、新しい形のチームに変貌を遂げた。

この慶應義塾の進化には注目をしておく必要がある。今でこその本音なのだが、今年、大きな課題を持つチームは、慶應義塾と東海という私の中での位置づけだった。
開幕戦この両校が10対10で引き分けると両校は互いに進化を始め(方向は違うが)1部で勝ち残るチームに変貌した。進化の過程で東海が遅れを取った事は否めないが、慶應義塾は自分達の描いた形での進化を遂げて、ファイナル4にたどり着いた。

女子1部Aグループの結果
1位 明治 2位慶應義塾 3位成蹊 4位法政 5位東海 6位学習院 となり 東海と学習院は2部Aグループの上位校と入れ替え戦を戦う事になる。

今年ファイナル4は10月20日である。実はこの1っか月以上の期間で、慶應義塾がどこまで進化するか、みもの である。

過去の6,7年の結果から見ると、春の時点での各校の差は、秋の時点で埋まらないと言うのが、私の経験にある。今年新世紀ラクロスを迎えた女子ラクロスにおいて、その経験的想定を覆す事が出来るのは慶應義塾かもしれない。

そして、対戦する立教もその力を認めて進化をするに違いない。
さらに、Bグループ1位となった明治はこの1っか月間の使い方の最も上手いチームだと見ている。そして後半今までのラクロスに勢いがなくなって来た日体大も、改めて
V字回復する時間を得た。明治対日体大も全く予想がつかない試合になるはずだ。
今年の関東女子のファイナル4はリーグ戦からさらに進化を果たした4校の次元の高い戦いが繰り広げられる。そういうチームが揃った。
場所は今年も駒沢第1球技場である。あふれんばかりの観客でその試合を迎えたいものだ。その数たったの2500人。
ラグビーよりも面白いと、思わせてほしい。

少々、長くなった。男子1部。女子2部3部4部、他地区、クラブの模様は又別に。

Viva!Lacrosse!

こぶ平

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