【インドネシア ラクロスコラム】インドネシアラクロス協会立ち上げました!
こんにちは!インドネシアでラクロス普及活動をスタートした慶應義塾大学出身、出原由佳子です。
ラクロスは2014年の大学卒業と同時に引退し、2021年まで妹・佳代子の応援以外は完全に離れていましたが、昨年インドネシア・ジャカルタ駐在になったことをキッカケに、現地でラクロスを普及しようと活動を始めました。このコラムでは、現地での活動はもちろん、ゼロからどのようにカタチにしていくのかについても発信していきたいと思いますので、ぜひ興味関心を持って頂けたら嬉しいです。
まず、現地での普及にあたり最初に考えたのは運営側にいかにローカルを取り込むかということ。外国人が急に新しいモノ持って行ってローカルを勧誘しても、特にインドネシアのような発展途上国では「外人が何かやってるよ」「お金持ちの趣味だ」という先入観を与えてしまい、普及どころかラクロスそのものへのハードルも上がってしまいます。
インドネシア人のラクロス経験者は、私の周囲を見渡す限りほぼゼロなので、技術や知識の伝承は数少ない私を含めた外国人経験者から落とし込むしかないのですが、それも結局は、駐在員が任期を終え帰国してしまえば活動自体が終わってしまいます。
よって、ローカルによるローカルの為の活動として推進できるかどうかが、現地での持続可能な活動となり、本当の意味で“普及“に繋がるキーだと思っています。私の場合は、幸運にもインドネシアでラクロスを普及したいと思っているインドネシア人をWorld Lacrosse経由で紹介頂くことができたので、その彼と一緒に先ずはカタチから、Indonesia Lacrosse Federation(ラクロス協会)の立ち上げを行いました。
協会立ち上げに際してはローカル数名の名前が必要なのですが、ラッキーは続くもので、インドネシアで「サンボ」というマイナースポーツの普及活動に取り組んでいる団体と縁があり、その団体がラクロスの普及も手伝ってくれることになったお陰で非常にスムーズに政府への申請プロセスが進み、4月には認可が降りました。この協会立ち上げにおいても、やはり現地人主導で取り組む事が非常に大切で、お国柄外国人の名前でカタチを作ろうとしても異常な税金を課せられたり、認可プロセスも後回しにされたり・・様々な問題に直面しましたが、結果的に外国人はでしゃばらずサポートに徹することでスムーズな設立に至りました。
実際の活動について
そして実際の活動については、3つの軸での展開を考えています。
1.現地の中高生向けクリニック
2.サッカーやバドミントンなどインドネシアで主要なスポーツ選手向けクリニック
3.指導が可能なコーチを増やすためのクリニック
前述の通り、ただラクロスに触れてもらうだけのクリニック回数を積んでも、指導者がいなくなっては活動が停止してしまうので、3.の活動は私が現地にいる間に特に注力しようと思っています。そこで、World Lacrosse主催のCoach Develop Academy(以下CDA:指導者を指導する為の講習)3期生として参加させて頂きました。
世界中のラクロッサーが参加しており、スペイン、ポルトガル、中国、マレーシア、パナマ、ロシアなど普及が進み形になってきている国だけでなく、ケニアなど、まさに歩み始めたばかりの国の参加者もいて、コーチングメソッドやコーチ育成について勉強しただけでなく、各国の抱える悩みを共有したり、自分も話す事でアイディアを整理できたりと、刺激的で有意義な時間となりました。
初めてのオンラインクリニック
CDA受講を完了してすぐ7月末には、インドネシアでの初回クリニックを無事開催する事が出来ました!
クリニック開催にあたっても、誰を対象にするのかが非常に大切だと思っています。例えばインターナショナルスクールの生徒を対象にすると、やはりインドネシアにおいてはラクロスが敷居の高いものになってしまいます。我々日本人の当たり前や正しさ、成功体験が、文化も宗教も違う彼らにそのまま当てはまる訳がありません。手っ取り早く誰でも良いからラクロスに触れてもらおうという考えではなく、お国柄や特性・彼らの価値観などを把握し尊重して、本質を見極めて、しっかり感じる事が出来て初めて現地における“正しさ”を判断できるのではないかと思っています。
インドネシアのコロナ感染状況の悪化により私は日本に退避してしまっていたものの、ローカルの中高生を対象に、彼らが集まる柔道稽古場をお借りして、私はオンライン参加で何とか開催する事ができました。
柔道に興味のあるメンバーは日本にも親近感があるため、オンラインでもあまり壁を感じる事なく外国人の私を受け入れてくれ、ラクロスの映像を見せながら、どんなスポーツなのか、他のどんな国がラクロスに取り組んでいるのか、そして丁度オリンピック期間だったため、2028年にオリンピック種目になるかも・・!?という話で参加者の目もキラキラしていました。
実際にクロス・ボールやその他防具などにも触れてもらい、見た事のない物に驚きながらも、最後にはパスキャッチが少し形になっていました。この場をお借りして、道具を提供してくださった日本のラクロスフレンズの皆様、本当にありがとうございました!!
ゼロから何かを形にするには、もちろん紆余曲折ありますが、参加者の笑顔や、新たな発見に驚く表情などは、私自身これまでに味わった事のない喜びの経験となりました!今後もコロナの様子を見つつ・・継続して機会の創出をしていきます!
日本のラクロッサーの皆様にも今後またご協力をお願いすることもあるかと思いますが、引き続き応援頂けたら幸いです。