• HOME
  • 詳細
  • 国内ラクロス
  • 【こぶ平レポート】第23回ラクロス 全日本クラブ選手権決勝への道 〜決勝戦は男女とも東日本1位 vs 2位 対決に〜
 decoding

【こぶ平レポート】第23回ラクロス 全日本クラブ選手権決勝への道 〜決勝戦は男女とも東日本1位 vs 2位 対決に〜

全国のラクロスファンの皆さん。ラクロスも大詰めを迎えています。全日本大学選手権が慶應義塾大学のアベック優勝で終了し、残るは全日本クラブ選手権決勝と全日本選手権のみとなりました。大学選手権の詳細をお伝えしてきましたが、第23回全日本クラブ選手権についても決勝戦までの戦いについてレポートしよう。又最後には決勝戦の展望も加えておく。

全日本クラブ選手権は新しい勝ち上がり形式で実施される大会となる。それは東日本の2位チームがワイルドカードで出場し準決勝から登場するが前回は対戦相手が東海地区vs北海道地区(女子は第3のワイルドカード)の勝者と戦う形になっていた。しかし、今年からは関西地区vs中四国地区の勝者と顔を合わせる理にかなった大会形式になった。しかし東日本クラブの壁は厚く、決勝戦は男女とも東日本クラブリーグの1位vs2位という対決になった。各地区のクラブの戦いぶりについては、前回の全国への道**クラブ編**で少し述べたが全国大会の戦いぶりから女子においては、東海地区、関西地区の進化が新しい段階に入ったと考えている。その理由は別途お伝えするが今回は全日本クラブ選手権準決勝までの記録と決勝について語らせていただく。

決勝までの道のり

女子クラブチーム

NLC SCHERZO(関西地区代表 19回連続19回目の出場 2014年優勝1回) SIRIUS(中四国・九州地区代表 3回連続3回目の出場 九州地区)

新旧交代が進むNLC SCHERZOが 14対5 と快勝した。

SELFISH(東海地区代表 2大会ぶり6度目の出場) 対 FUSION(東日本地区3位ワイルドカード 2015年以来の優勝を狙う)

SELFISHが7対12と追いすがるもFUSIONが勝ち切った。

☆準決勝

① MISTRAL(東日本地区2位ワイルドカード 2013年以来の優勝を狙う) 対 NLC SCHERZO

NLC SCHERZOはショット数もターンオーバーも多く獲得(このターンオーバー数はゴーリーセーブ、パスミスによるアウト・オブ・バーンズは含まない)しセーブの数は上回るなど同等のパフォーマンスを見せたが18番重松明日佳(旧姓 野尾2017年世界大会、2015年U-19日本代表)選手の2得点のみに抑えられ 2対7で敗れた。MISTRALはゴーリーズ(1番大沢選手&21番高橋選手)のセーブ率が75%に上りチームを勝利へ導いた。

② NeO(東日本地区1位 7大会連続7度目の出場。大会6連覇を目指す。) 対 FUSION

自己の大会5連覇の記録更新を目指すNeO。前半はFUSIONの22番市川選手のアジャイルな動きにもかく乱されたか、攻撃のリズムが掴めずショットの決定率が20%を切るなど接戦に持ち込まれたが、24番小林千沙(旧姓 山田)選手(2022年世界大会日本代表)のドロー15回パーフェクトゲットで流れを渡さず4Qには4本のショットで4点奪う正確な攻撃で 9対3 と勝ち切った。FUSIONはショット数を14本。その内9本をセーブされリーグ戦の時より引き離される形となった。

 

この結果決勝戦は2年連続でNeO対MISTRALの戦いとなった。

男子クラブチーム

GOLD ZEALER(関西地区代表 NLC HORNETSから11大会ぶり6回目) 対 FERVIENTE(中四国・九州地区代表 6大会ぶり3回目)

久々に復活したチーム同士。特にGOLD ZEALERはNLC HORNETSとして出場して以来のクラブ選手権出場であり近年関東地区大学出身者も加わり復活したチームだ。岡山大学出身者主体のFERVIENTEも良く守備が奮闘したが 7対3 でGOLD ZEALERが復活勝利した。

WOLVES(東海地区代表 4大会連続4度目) 対 North AXIS(北海道地区代表 2大会連続2回目)

クラブ選手権の常連となったWOLVESは元日本代表だった42番清家悟選手を中心に名古屋という地域特性もあり全国から集まった選手が作り上げたチームだが、2回目出場のNorth AXISに対して貫録を示して 9対1 と快勝している。North AXISも全国からの選手の流入もあり今後ハイブリットなラクロスが実現すると面白い存在となりそうだ。

☆準決勝

① WOLVES  FALCONS(東日本1位 13大会連続13回目 10連覇は不滅の記録?)

FALCONSは東日本のリーグ戦では苦戦が続き、全日本選手権での修正、再進化に注目が集まったが、結果的には守備の強度も高まり0対11とWOLVESを完封した。

② Stealers(東日本地区2位ワイルドカード 連続優勝を狙う) 対 GOLD ZEALERS

連覇を狙うStealersも復活のGOLD ZEALERを寄せ付けず 11対1 と快勝した。

決勝戦を考える

女子ラクロス決勝戦|NeO 対 MISTRAL

女子は数値的にはNeOが有利、MISTRALの守備の耐久性がポイント

2021年の決勝は3Qまで 5対5 の同点4Qは攻撃を繰り返す激しい展開からNeOが最後 8対7 と勝ち切ったわけだが、今年はどういう展開になるのか。下のスタッツを見て欲しい。

今季のリーグ戦決勝の対戦時のスタッツと、全国大会準決勝のスタッツを並べている。特に準決勝戦は対戦カードも異なるので正確な比較をできる数値ではないが傾向はつかめると思う。リーグ戦決勝ではほぼ全ての数値でNeOがMISTRALを上回り。「良く3Q終了まで3対4とMISTRALがリードを保てたな。」というのが正直な感想だろう。そのポイントはMISTRAL1番大沢かおり選手、21番高橋未帆選手(ともに前日本代表) ゴーリーズのセーブ、広い守備範囲だった。そして全国大会でもその強さは続き、合わせて守備陣のターンオーバー数が増加している。もう一つを見てもらおう。リーグ戦プレーオフのMISTRAL対FUSION戦と全国大会準決勝戦 NeO対FUSION戦のスタッツの比較だ。

同じチームに対して(もちろん時期は異なるが、戦いぶりを見ているとFUSIONの強度は同じぐらいと推定できる)も極端な違いがあることがわかる。MISTRALはゴーリーのセーブ数、セーブ率、ターンオーバー数で上回っているが、攻撃に関しては完全にNeOが上回っている。ドローの獲得に関しては圧倒的に小林選手を有するNeOが有利と言える。敢えて言えば、今はゾーンに入っているとも思えるNeO24番小林選手からMISTRALがドローを奪う確率は多くて20%ぐらいではないかと思われる。それをカバーするのがMISTRALのゴーリーズを中心にした守備である。

◆リーグ戦決勝の詳細スタッツ

MISTRALはドローの善戦と、ゴーリーズの今まで通りのパフォーマンスが勝利への支えとなり、ターンオーバーに応える攻撃陣の速攻が勝利への鍵を握りそうだ。NeOとしてはリーグ戦で不在だった12番高野ひかり選手(2013・2017・2022年世界大会日本代表)も戻りリーグ戦当時よりも強度が上がっている分有利に試合が運べそうだ。着実に進化をし、各試合で必ず得点に絡むようになった16番辻リカ子選手(東京大学出身)のパフォーマンスにも期待が持たれる。

 

 

男子ラクロス決勝戦|FALCONS 対 Stealers

男子はお互いを知り尽くしたチームの戦いで、予想不可能な接戦となる

男子はリーグ戦でも2度戦いFALCONSの1勝1引き分け。雨中の2戦目はFALCONSの13回連続の全国大会への道が繋がるかどうかの戦いだったが、大雨の中最後は伏兵28番奥村祐哉選手(南山大学出身)の終了10秒前の起死回生のダイブで道を通した。両チームとも準決勝において仕上がりの良さを見せただけに、東京駒沢オリンピック公園第1球技場の狭いピッチでは、点の取り合いになることが予想される。 

こぶ平’s View

全日本クラブ選手権は今年もサプライズは生まれなかった。逆にお互いを知り尽くした者同士の戦いは「絶対に負けられない戦い」として歴史的な激しい戦いになるかもしれない。

全日本ラクロスクラブ選手権

12月4日(日)開催日時が変更になっている。場所は東京駒沢オリンピック公園第1球技場

LIVE配信について:クラブ選手権大会の全試合をJapan Lacrosse Live by rtv(https://www.lacrosselive.jp/ )11月1日から全試合無料視聴可能(チャンネル登録必要)。チケット情報等詳細は協会からの情報又はラクロス協会のWeb他SNSを参照して欲しい。

会場の収容人員は1,000人。満員の応援を期待したい。

 

今回はここまで。

次は お待たせ Teen’s ラクロス編です。

 

やっぱりラクロスは最高!

こぶ平

関連記事