【こぶ平レポート】全日本選手権女子|進化の激突はどのような結果をもたらしたか?
こぶ平スコープ①
この前半、両チームある程度想定内だったと思います。ただ、私はNeOの体力面の充実度が未知数の為このNeOの戦略はもろ刃の剣だと考えていました。その意味は慶應の体力も削るが、NeOの体力も同時に問われるものだったからです。そして、その剣は後半NeOの方に降りかかりました。
そして、タラればですが不運が無くて6対1になっていればNeOの想定は完全な形だったと思います。しかし4対1
これは、とても微妙な差でした。
後半が始まります。
この時、既にNeOの#2,6,11をはじめとするインサイドへ入り込むスペースは全てつぶされます。そしてそこからの慶應のカウンターは中盤で動けるため、ゴール前でのプレッシャーを与える機会が2倍以上になりました。しかし、NeOのゴール前DFは効力を保ち、力を感じさせる時間帯が続いて7分、カウンターからNeO#41稗田選手からゴールサイド#12高野選手へのパスが通り、彼女が求め続けた1on2での対DFをスピンロールで鮮やかに抜けて華麗にシ
ョットを決めるまでは、ですが、、、、
こぶ平スコープ②
この高野選手の得点直後、高野選手の容態が急変します(ショットを決めた直後に何かを飲み込んだような事が起こり呼吸が苦しくなったという事は、試合後に知りました。)ベンチに戻り交代に#44が入る事になったのですが、微妙に中盤、ゴール前でのDFに齟齬をきたすようになります。(決っして#44さんの能力云々ではなく、そこまで担っていた#12の強さの代わりには誰もなれなかったのだろうというのが真理だと思います。)
そして、前半と全く変わらず、攻撃、守備を繰り返しながらも負荷を駆け続ける慶應の作戦が、発効する瞬間が近づきます。
#12が戻る数分間の間に、状況が一変します。恐らくそこまでは前半のNeOの優位からかなり際どいレベルにまで来ていた両チームの攻守の均衡が崩れます。ドローをリカバリーした慶應がポゼッションを強め、NeOが奪い返す時間が長くなります。そしてそれを又奪い返す慶應。そして9分、反則を犯したNeOに対し、慶應#96白子選手のそれまでの鬱憤を振り払う、強烈なショットが叩き込まれます。
会場が大きくどよめいた瞬間であり、慶應が待ちに待った反撃の狼煙が上がった瞬間でした。そこからの数分は慶應が#11,32,96,99の怒涛の仕掛けにNeOが懸命に対応する時間となり、NeOの体力が蝕まれます。慶應の#96がフリーでボールを持つと、会場が沸き、ショットを放つたびに会場が沸くようになり迎えた14分半、NeOのミスマッチから空いたスペースに飛び込んだのは伏兵?#33西村選手。そのまま走りざまのショットを決めきり3対5と追い上げた所でNeOたまらずタイムアウト。
NeO#12戻るも、明けのドロー#96–#11–#33最後はブレイクショットが決まる。その間20秒。4対5その後はNeOの足が続かない、ドローのリカバリーに足がついていかず、外に出してしまったシーンが象徴するように慶應のプレッシャーが優り、NeOゴーリーへのリターンパスがミスとなり#11竹村選手がスクープランシューを無人のゴールへ打ち込んでついに5対5となります。
この10分間NeOの攻撃は散発的で、インサイドの2,11に合わせようとし続ける攻撃はことごとく潰され、逆転も時間の問題と思われました。
しかし、さすがに、修羅場も経験してきたNeO、慶應の炎のフリーシュートをNeOゴーリー#31井上選手魂のセーブで防ぎます。ロングパスから#41稗田選手から最後は懸命に走った#11に届いたパスはフリー反転思いを載せて打ち込まれます。
6対5NeOリードで迎えた残り120秒、慶應の攻撃は全員が仕掛け全員がスペースを伺う持ち前の「超攻撃ラクロス」を仕掛ける運動量も健在で、NeOを追い込みます。そして迎えた残り80秒NeOこの試合両チーム初めてのフリスぺを犯し慶應#33西村選手の渾身のショットが決まったのは、残り78秒だった。
その後は必至のNeOの守りで、延長サドゥン・ヴィクトリー戦に持ち込んだのが一杯だったのでしょう。
延長のドローにはNeOの足が付けず、慶應が走り出す。最後#33からパスを託されたのは、キャプテン#99出原選手。
恐らく彼女の表現を借りるなら「自分がパスを貰ってからゴールまでの道というのがしっかりと見えたので、これは確実に決めきるシュートだと思って決めきれた。」となるのでしょうか、見事なまでの一気のランと思い切ったショットが決まります。これは最後はやっぱり「佳代子」という証であり、昨年に続く、キャプテンが決めたショット、さらに言えば、4年前のお姉さんの涙をも払うショットとなりました。延長開始36秒でした。
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