東京大学 五ノ 井杏

【文武両道系ラクロッサー第2弾】五ノ 井杏さん|東京大学|女子ラクロス

”ラクロスと勉強を両立して活躍しているラクロスの人” を紹介する文武両道系ラクロッサーシリーズ第二弾!

今シリーズは旧帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)のラクロッサーに注目。今回ご紹介するのは、東京大学でラクロスと教育の勉強の両方に全力で取り組むスーパーパーソンです!

(インタビューアー:ラクプラ学生メンバーの鷲見里穂子)

五ノ井杏さん|東京大学(女子ラクロス)

【名前】五ノ井杏
【現所属チーム/現所属大学】東京大学女子ラクロス部/東京大学
【役割】広報
【プレーヤー/スタッフ】プレーヤー
【年齢】21歳(大学3年生)
【学部学科】教養学部・教養学科
【勉強して取得したorしようとしている資格・成績】教職

Q. 将来どのようなことをしたいのですか。
A. 教育に関心があり、将来的には教師になって次世代教育育成に貢献することを考えています。

Q. それに向かってどのような勉強をしていますか。
A. 教職科目を履修しています。学部では分野を絞らずに様々なテーマと向き合っており、私は教養学部の中でもラテンアメリカの地域文化研究を専攻しているので、授業では中南米およびスペインの経済、政治、歴史、文化などを幅広く学んでいます。

Q.勉強が忙しい中でなぜ女子ラクロス部を選択しましたか。
勉強の忙しさと部活は別物です。それぞれに魅力があって女ラクも選びました。チームとして同じ目標を持ち、楽しい経験も辛い経験も共有して過ごすからこそ築き上げられる信頼関係や、互いに言い合える雰囲気はこの部に属さない限り味わえないものだと思います。新歓を受ける中で女ラクの人々の明るい振る舞いや互いに楽しそうに話す様子を見て、この人たちと一緒に大学生活を過ごしてみたいと思うようになりました。ラクロスは難しくて、今でも私は得意になりきれないのですが、勝つことにこだわり、真剣にいちずに取り組む愚直さには、他の団体にはない女ラクの魅力があると思います。

Q. どれほど勉強は大変ですか。
A. 教職の授業自体の難易度はさほど高くないですが、必要単位数がかなり多いうえ、課題も比較的たくさん課されるので、授業期間に割く時間的な負担は大きいと思います。全くの講義形式は3割ほどで、あとの授業は授業中に議論するなど参加型の授業でした。学期末の大きな試験などはないぶん、日々の課された課題を提出するのに時間がかかりました。授業の前提として文献が課される授業も多く、時間割のうち1コマが日本語、2コマが英語、2コマがスペイン語の文献を読んで議論する少人数形式の授業だったため、読まないわけにもいかず、部活に向かう朝の電車やお昼ごはんを食べる時、用事と用事の隙間時間などに読み進めていました。けれど好きな科目が多かったので、教授により厳選された文章を読めたことで学びにはなりました。今思い返すとよく頑張ったなと思います笑

Q. 部活の時間はどれほどありますか。
A. 平日は7時~11時、休日は8~11時と自主練があり、練習日のお昼には練習映像を見返すmtgがあります。他にも新歓幹部だったため、新歓の忙しい時期には週2~3回のmtgやイベントに参加しました。また大会前には1時間ほどの技術mtgがあります。

(五ノさんの一日のスケジュール)

Q. 勉強がラクロスに活きた経験、またその逆も教えてください。
A. 勉強がラクロスに活きた経験は、ラクロスは考えるべきことも覚えることも多いと思うので、戦術面など、得意を活かしたプレーを考えています。PDCAサイクルを回すことも勉強と同じだと思います。
ラクロスが勉強に活きた経験は、苦手に向き合って上達する過程は同じだと思うし、私の場合は、ラクロスと勉強は必ずしも対立するものではなく、両方あるからこそ、メリハリがついていいなと思います。全員が同じ教養学部に属していた下級生の頃には、同期と一緒に授業を受けたり試験対策の過去問が回ってきたりもありました(本質的でないようにも思えますが、大学の試験では”情報”が意外と重要だったりするのかなと思います)。

Q. 部活と部活の両立の難しさから、どちらかまたは両方をやめたいと思ったことはありますか、そしてなぜ続けていられるのですか。
A. やめたら楽になるとは思いますが、やめようとは思いません。ラクロスをする分もちろん時間は取られるし、大学という学びを好きなだけ深められる環境にありながら十分に活用できていないことは悲しいです。しかし全てはプライオリティの問題だと思います。プレー面ではラクロスに一生懸命になって試行錯誤の中で技術を上達させたり、組織面では週5で同じメンバーと顔を合わせ、より楽しく上手くなれる練習について考えたりなど、こうして心技体ともに成長させられる機会もなかなかありません。ラクロス部に所属する価値は人によって他にも沢山あるはずです。また、学問だけが学びではない。自分が何を優先したいか、何を必要と捉えるかを考えた時に、私にとってはラクロスをやめるという選択肢は特にありませんでした。また上に書いたように、ラクロスと勉強は必ずしも対立するものではなく、両方あるからこそ、メリハリがついて両方頑張れるということもあるのではと思います。

Q. 両立のコツを教えてください。
A. 上にも書きましたが自身のプライオリティの問題なので、そこに納得感を持つことは重要だと思います。複数の”頑張りたい物事”の両立は時に互いが互いの邪魔をするように感じられることもあって、自分の中で葛藤もあると思いますが、自分の選択に納得していれば冷静に受け入れられるのではと思います。また個性によると思いますが、私はその時々を楽しむタイプで、無駄と思う時間は無いので、そこにストレスを感じるコストを他の物事へのキャパシティとして与えるという考え方もあります。
具体的なタイムマネジメントに関しては、受験時代に使うような短期・中期の計画表を用いれば”無駄なく”予定を埋められると思うし、私はその瞬間の気分で自由に決めたり急がずゆったりしたりする時間も必要だと思うので、必要最低限終わらせなければならないこと+やらないと後悔しそうなものに時間を優先して割り当てて、あとはたまに自分を振り返ったりしながら両立して過ごしています。時には人の手を借りること、全てやろうとせず得意な人に聞いたり任せたりすることも重要だと思います(その代わり自分の得意な部分は進んで受け持つこと)。
また忙しい中でも、自分が元気になるための時間も忘れずに取ることが必要だと思います。何れにしろ、自分にもチームのみんなにも誠実だと思える選択をすることが重要なのかなと思います。

ラクロスプラス読者へのメッセージをお願いします!
去年の冬に突然のコロナが襲ってから、活動停止やリーグ中止・特別大会実施など、予測のつかない困難が各チーム沢山あったと思います。そんな中、いまこうして皆でラクロスをさせてもらっていることをとても有り難く感じています。自由な選択で活動することの貴重さに気付かされた今、学問でもラクロスでもそれ以外でも、自分がやりたいと思って一生懸命にできるのがいいと思っています。ラクプラ読者の皆さんとも、武者や練習試合で早くお会いする日が来るのを楽しみにしています。

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