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【ラクロス団体コラム】LACROSSE ACADEMY JAPAN コラム

今回はU-12小学生の用具とメニューについて、少しお話させて頂きます。

◆その子が一番、安全に、一番上手くできる=楽しくできる用具を

ラクロスは空中でパスを繋ぐという、サッカーなどに比べると難しい部類のスポーツです。

子供はあまりに難易度が高すぎると、諦めてしまったり、嫌になってしまう傾向がありますので、最大限、運動物理的にキャッチやスローがしやすい用具を使うべきと考えています。

ですので、基本的にスティックのヘッドは大人と同じ大きさで、ヘッドフレームは細く、シャフトも若干細くて短く、かなり軽量のSTRINGKING社のCOMPLETE 2 Jr、ボールは手前味噌ですが、弊社のオリジナルボールLAX FIT 2.0(Sサイズ)を使用しています。またこのボールは日本ラクロス協会さんのジュニアルール標準ボールとなっています。

常に、「一番安全に、上手に=楽しく」プレーできる用具をチェックしていますが、このスティックとボールの組み合わせが圧倒的に良いと感じています。

以前は、子供用となるとスティックのヘッド(キャッチする部分)が小さく、ボールも卓球球に近いような小さいサイズのものが多く販売され、それが多く使われていましたが、私はずっと逆なのではないかと考えていました。体が小さい子供であってもヘッドを小さくするとキャッチが難しくなります。また、ボールを小さく(軽く)するとスピードが出過ぎて逆に難しくなり、プレーの難易度を上げてしまうのです。体が小さいからといってスティックやボールを小さくするのではなく、ヘッドは大人と同じ大きさ(但し、フレームが細い軽量タイプ)でシャフトに関しては体の大きさによって短いものにカスタマイズするのがベストです。

そして、ボールは大きく、ある程度の重さがあるとスローに安定性が出て投げやすくなります。しかし、ここで重要なのは「安全性」も加味しなくてはならない事です。重い方がキャッチはしやすいのですが、アイガード以外の防具無しで行うジュニアルールでは、ボールに当たる事を前提とする必要があります。そこでLAX FITは重さを極力重くしながらクッション性(=安全性)を担保する為に敢えて大きめに設計してあるのです。(仮に今の重さのまま、サイズを小さくするとその分硬くなってしまう為、安全性が下がってしまいます)

この用具選定というのは、子供達がラクロスを初める上で非常に重要なポイントです。つまりは、ラクロス界全体の発展にとっても重要であると思っています。

ジュニアラクロス U12

続いて練習メニューに関してですが、ジュニア世代は工夫が必要です。特に低学年の子供達はキャッチができない子がほとんどです。

◆初心者、低学年向けメニュー

そういった子供達にラクロスの楽しさを感じてもらう為には、「ゲーム性」と「スロー(コントロール重視)」がポイントと考えています。

例えば1年生と3年生では、体格差も非常にあり、走るスピードなどもかなり違いがあり、フィジカル面やキャッチなどをメインにした練習の比重を多くし過ぎると、初心者や体力に劣る子供達のモチベーションが下がってしまいます。

例えば、アカデミーで定番の人気メニューで「ダルマさんが転んだシュートゲーム」というのがあります。これは皆さんご存知のダルマさんが転んだという遊びとシュートをミックスしたゲームで、ゴール2台と壁やネットで3角ホールを作り、レベルに応じてその3角ホールから離れた状態(初心者や低学年は10mくらい)でコーチが「ダルマさんが転んだ!」とコールし、止まった状態でそれぞれの子供達がシュートを打つかどうか判断をします。

当然、近い方が有利なので、まだ距離が遠いと思う場合は打たないという判断もありです。もし、打つという判断をして最初に3角ホールに上から入れば1位となり、外れてしまった場合はスタートの位置に戻ります。

これは、以下の要素があり、低学年やビギナーさんでも楽しみやすいゲーム構造となっています。

・難易度がボールを落とさないように走る(ピタッと止まる)

・難易度が高いキャッチ勝負やフィジカル勝負では無く、スロー(コントロール)勝負

・敢えて通常のゴールの置き方では無く、ホール型のゴールとし、「線」では無く「点」のコントロール・命中する楽しさとスキルアップ

・「先に入れた人が勝ち=外した人はプレー続行」のゲームなので、初心者が長くプレーできる

また試合形式では、ビギナーさんや1年性などは「スティックにボールが当たったらキャッチとみなす特別ルール」やリスタートは極力ビギナーさんからスタートなどの設定を行うようにしています。

以上、僭越ですが少しでも参考となりましたら幸いです。

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