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【トッププレイヤーラクロスコラム】#4 日本の課題は”フィジカルコンタクト”の回数である|菅谷美玖(所属:NeO)【フィジモンみくちゃんのラクロスコラム】

皆様、こんにちは!関東の女子ラクロスクラブチームのNeO所属の菅谷美玖です!

突然ですが、皆様は身体をもっと大きくしたいと思ったことはありますか?
身体の大きさについて考えたことはありますか?

実際、スキルが上手くなることに必死な選手にはたくさん出会ってきました。
ですが、NeOに所属してから身体を大きくすることや身体を整えることについて必死になっている選手にたくさん出会いました。
やはり、日本トッププレーヤーはここから違うのだと、自分の中での当たり前のレベルが確実に上がっている実感があります。
私自身も学生時代はラクロスが上手くなることばかりに目が向いていました。

大学1年生の頃、168㎝63㎏だった時代から、NeO2年目の現在、168㎝70㎏となった、
私自身が身体を大きくしようと思ったきっかけや、実際に国内では大きい方になり、感じている本音を書いていきたいと思います。

身体の大きさについて一度も考えたことがないという方や、
考えるけど何が何だかよくわからないという方は参考にしていただければ幸いです。
ぜひ最後までお読みください!

世界で通用するフィジカルコンタクト

自分自身の武器を、「フィジカルコンタクトで圧倒しボールを奪いきること」にしたい。
そう感じたのは、大学3年生で全国強化指定の練習会に呼ばれた時です。

実際に練習している時は、走りのスピードで負けている実感はあったものの、
フィジカルコンタクトで負けている感覚はありませんでした。
また、世界大会を経験してきた選手が口を揃えて言うことは、
外国人と身体の大きさが違いすぎるということでした。
日本の課題は、フィジカルコンタクトで劣っているということ。

なぜ日本のフィジカルコンタクトが問題視されているのか、
1つの原因として、練習中や試合中のフィジカルコンタクトの回数が明らかに少なすぎるということがあると感じています。

特に学生時代は少し当たって崩れると申し訳ない気持ちになったり、
相手に嫌な顔をされて自分も嫌な気持ちになってしまう。
そのことによってコンタクトしないように、綺麗に守ろうとする。
それが結局、試合で相手がコンタクト取ってきた時に対応できない原因になっているのかなと感じました。

NeOでの練習や、クラブの試合では学生の時よりコンタクトの回数が圧倒的に増えました。
良い意味で疲労を感じるスピードも早くなるし、ぶつかるということにあまり抵抗がなくなってきている実感はあります。

実際に世界大会の試合を見たり、USAの試合を見ていても、桁違いに身体の大きい選手がごろごろといます。
大きい選手が爆速で目の前から突っ込んでくる。それを同じような体格の選手がガツンと止める。
見ている側からすると、たしかに綺麗なプレーも面白いですが、
USAのようにガツガツぶつかり合っているプレーはとてもワクワクします。
そのようなプレーを国内リーグでも当たり前にできて、コンタクトの回数を増やしていくことが、
世界で通用するためのフィジカルに近づくのではないかと感じています。

ですが、一番大事なことは、
自分自身の武器をどれにするのか向き合い、そこに向けたトレーニングをすること。
見方を変えれば、身体が大きくなる方法を考えるよりも、
身体が大きい相手にでも勝つ方法を考える方が良いとなる場合もあるので、
身体を大きくすることやフィジカルコンタクトを増やすことが、
自分に合っているのかを考えたり、試したりすることは必要なのかなと感じてます。

私自身は、体重を増やし身体を大きくしたことでプレーの幅が広がり、
楽しくなったので間違っていなかったなと自信を持てています。
今後、世界相手にどれだけ自分のフィジカルコンタクトが通用するのか注目していただきたいです。

どのように身体を大きくしたのか

食事と回復(休養)が7割、トレーニングが3割を意識しています。
そのくらい食事と回復(休養)が大切だと感じていて、トレーニングはウェイトトレーニングをメインで行っていました。
(現在はバランス良く行っています)

食事に関しては、63㎏→70㎏を目標数値として、いきなり増やしすぎると怪我にも繋がる恐れがあったので、
1年間で7㎏増やすことを目標としました。カロリーだと、7200㎉で1㎏増えると言われているので、
7㎏増だと、7×7200=「50400㎉」を消費カロリーより多く摂取すると良いという計算になります。

なので、50400㎉を365日で分けて、1日140㎉多く摂取することを心掛けて食事記録を取っていました。
夏のシーズン中はどうしても体重が減ってしまうので、オフシーズンの冬の間に少し多く増量し、
夏にベスト体重になるようにしました。

本当に70㎏がベスト体重なのかは、自分で試しながらという感じで、
実際、63㎏→65㎏になった時は、なんか身体が重たい感じがあり動きにくかったのですが、
これが65㎏→68㎏になると、逆に動きやすくなるんです。
(なぜなのかわかる人いたら教えてほしいです)

明らかにウェイトトレーニングで持てる重量も増えて、対峙した時も押し負ける感覚は一切なくなりました。
自分の体重と食事に対しての動き具合を記録しておくと、面白い発見があるかもしれないですね。

回復(休養)に関しては、ここが一番見落とされるところなのか
なと思うのですが、
筋肉はある程度の回復の時間があることで、強く大きくなっていきます。
逆にこの回復時間がないと、どんどん筋肉が削られていくと言われています。
トレーニングをすればするほど強くなるというのは、間違っているのかもしれません。

トレーニングをしたら、回復時間を設けて休息することも大事です。
一流の選手はこの回復時間にめちゃくちゃこだわり、1秒でも早く回復し、トレーニングに励めるようにする。
このサイクルが早くなれば、それだけトレーニング量も増やすことができて成長できる。

食事と回復にこだわることができると、身体の変化を感じられるようになるかもしれません。

大きくなった今、感じていること

現状日本では、身体が大きいというだけでストロングポイントになってきます。
相手とぶつかった時に、重たくて押し負けるという感覚はほとんどなくなりましたし、
多少抜かれても、身体がぶつかっていれば相手のスピードを減速させて追いつけるなという感覚もあります。

ですが、この重さを自分が正しくコントロールできるフィジカルがまだまだないことが課題だと感じています。
筋力もただ増やしただけで、正しいところに正しい量の筋肉が付いてるわけではありません。
無駄なところに付いて、怪我に繋がったりということも多々あります。

ある程度の体質もあるかもしれませんが、この大きくできた身体を正しい使い方でコントロールできるようになり、
自分よりも大きく重たい外国人選手を押し倒すくらいの勢いのある対峙力をつける、
自分よりも小さく素早い選手にもついていける対峙力をつける、
ラクロスって対人スポーツだからこそ、相手の動きに合わせて自分も動けないといけない場面や、
相手との押し合いではなく、自分の身体をコントロールして相手に押し負けないことが重要だと考えます。

大学生の頃、身体が大きくなればどの選手にも当たり負けない、対峙で勝てると、想像していた通りにはいかないな~
というのが正直なところ甘い考えだったなとは思いますが、
この大きさは変えずに、なんならさらに大きくしながら、フィジカルをさらに上げていきたいです。

最後に、全然プレー面の話ではないですが、身体が大きくなって明らかに第一印象が変わりました。(笑)
昔は怖いと思われることが多かったんですが、大きくなってからはキャラクター感覚で見られることが増えました。
個人的にはすごく嬉しい変化ですね。
もし、第一印象で悩んでいる人がいたら、身体を大きくすることはオススメかもしれません。(笑)

以上、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
もし、何かフィジカル面で悩みがあればご連絡ください!(^^)!

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