こぶ平コラム

【こぶ平ラクロス】第13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会詳報2日目|東京成徳大学中学高等学校 対 日本大学中学高等学校

関東でTeen’sLacrosseの春の特別大会が始まる前に、何とか全国大会の詳細をまとめたかったのですが、間に合わずご関係者の皆様済みません。春の大会に向けて応援になれば幸いです。

さて、13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会 2日目の順位決定戦、立命館宇治vs桐蔭学園、関西大学中高vs目白研心中高の戦いまでお伝えしてきましたが、今回は準決勝 ①東京成徳大中高vs日大中高 ②同志社高vs横浜市立東高の試合の模様をお伝えしていきます。先ずは東京成徳大中高vs日大中高戦から。

準決勝第1   東京成徳大学中学高等学校 4vs3 日本大学中学高等学校

結果は    4対3  東京成徳大中高の勝利
この試合は、選手のメンタリティという事を改めて考えさせられた試合となった。

昨年秋の関東大会で3年続けていた日大中高の連勝記録を途切れさせたのが、その大会を圧倒的強さで制した東京成徳中高だった。その結果は 12対4。 その秋から、同じ成長度であれば結果がここまで縮まる事はなかったし、又大会1日目の日大中高の vs立命館宇治戦を見ても秋の大会で感じた、「自信なさげで攻めきれないプレー」で、何とか勝ち切った試合や、直前に怪我で欠場を余儀なくされたダブルエースの1枚がいたことを考え合わせると、更にこの結果を予想しえる者は居なかったのではないだろうか。この熱戦の要因を掘り下げることでこの試合を振り返りたい。

試合前の状況
★東京成徳大中高    秋の大会時主力のアタッカーと、ディフェンスでも重要な役割を担っていたミッドフィールダー(新2年生)を留学で欠きながらも   層の厚さで全国大会の1回戦桐蔭学園との戦いにおいても主力チームは完全に相手を抑えきれた事で、改めて戦える自信を持っていた。
★日大中高       ダブルエースを1枚欠いた状況は変わらなかったが、1回戦で負けるかもしれないという不安を拭い去ることができ、新たに日大中高らしく試合に臨む心構えがができていた様子が伺えた。

この試合のポイントは、試合前の状況から生まれたチームとしてのマインドセットだったと言える。

自信を持って臨めた東京成徳大の中には余裕があったが、その分集中力が不足する形でこのゲームに臨む形になったのではないか。対する日大には不安を抱えながらの全国大会を勝ち切れた1回戦から、劣勢をうかがわせる状況において力を出し切ることに集中する気持ち、この試合に賭ける気持ちがチームとして共有されていたのではないか。

<1Q>
そうして始まった試合。立ち上がり日大中高のディフェンスが集中力を高めてボールを奪うと、昨年からこの前の試合まで自分で仕掛けきれなかった日大中高17番が自ら仕掛けてブレイクし得点する。その迷わず前に仕掛ける姿勢には迫力すら感じるものがあった。その後は両チームの堅いディフェンスからの速攻や、随所に見せる高い技術の応酬は得点こそ入らないが張り詰めた空気に包まれた中でも、日大中高の緩急をつけた攻撃による日大中高ペースの出だしとなり、 0対1 日大中高がリードする形で1Qを終えた。東京成徳大中高にとって初めてリードを許す展開となり、決め切れないもどかしさを選手自身が感じているような雰囲気が漂っていた。

<2Q>
張り詰めた空気の中、始まった2Q。又しても日大中高のディフェンスからの反攻。日大中高らしい緩急差をつけた攻撃から最後はゴール前の19番へパスを通し得点を奪ったのが2Q 5分。その後も堅いディフェンスで、東京成徳大の攻撃の芽を摘み続けた日大中高だったが、残り30秒東京成徳大中高のパワープレーに綻びを見せ、最後はフリーシュートを16番に決められた。逆に東京成徳大中高にとってはこの1点は大きく、集中力を呼び戻す事に繋がったと言える。 1対2 日大中高がリードする形で前半を終了した。

<3Q>
2Q最後の得点で精神的にも落ち着きを取り戻し、ベンチからの指示で歯車がかみ合った形の東京成徳大中高が攻勢を強めると2分過ぎ、4番がインサイドをブレイクし同点とする。ポゼッションの機会も増え3番、4番、5番、7番で攻撃の機会を演出する東京成徳大中高に、52番のゴーリー中心に懸命にディフェンスが対応する日大中高という展開になった。そしてタイムアウト後の東京成徳大中高の攻撃。パワープレーからフリーシュートをゲットし得点機会を増やすと、5番が高い技術でセンターからの難しいショットを決めて逆転した。その後は、両チームのゴーリーがナイスセーブを見せ 3対2 東京成徳大中高が逆転する形で終了した。

<4Q>
しかし、この日の日大中高は東京成徳大中高の強い攻めをも楽しむかのように、守備の集中力を切らさず、ターンオーバーから17番、19番、77番が仕掛けながら、粘り強い攻めを続ける形を作り一進一退の展開が続く中、日大中高のエース77番センター位置へのフィードをダイレクト気味によくコントロールし左上隅に決め、3対3となったのが残り3分。そして残り2分を切って東京成徳大中高も反撃。ポゼッションから62番が裏からの仕掛けでブレイク。フリーシュートを得て、日大ゴーリーの堅守を打ち破ると、後は東京成徳大中高の忠実なリカバリーからのボールコントロールで逃げ切った。 4対3 得点数以上に見どころ満載の試合だった。

この試合については、試合後の両チームの表情が印象的だった。東京成徳大中高は新チームなって初めての困難な試合を勝ち切った安堵と、嬉しい表情が目に付いた。一方の日大中高の選手には、新チームになりようやくやり切った充実感と試合を楽しんだ喜びが溢れていた。主力選手の「ラクロス 楽しかった」という言葉が最も印象深かった。日大中高のラクロスの強みは、「ラクロスが好きで、ラクロスを楽しむ」事だと聞いていた。まさにこの試合でその気持ちを取り戻せた意義は大きい。チームとして大きく進化するきっかけとなったはずだ。

さらにこの試合を見て、両校の技術の高さもさることながら、試合に入る際のチームでのマインドの共有、試合中での修正能力とベンチワークが特にTeen’sラクロスでは重要だと改めて思わされた。 振り返ると、この試合が全国大会のベストゲームだったと思う。

次回は準決勝の第2試合 横浜市立東高校vs同志社高校の模様を詳しくお伝えします。(いつになったら決勝戦に行きつけるか?)

ラクロスって 最高!

こぶ平

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