【HOW I COACH】柴田陽子 ーYoko Shibataー

ラクロス部のコーチ。
10年前まではコーチがついている大学やチームの方が少数派でしたが、最近では日本の大学のラクロス部ではほとんどの部にコーチ、アドバイザーのような方がついています。
この10年でのラクロスという競技の発展が大学チームへのコーチの増加と比例しているようですね。

ラクロスでは選任でチームマネージメントをしているGMがいるチームはまだ珍しく、HC(ヘッドコーチ)がラクロスの戦術からチーム運営まで様々なことをコーチングしています。そしてAC(アシスタントコーチ)が技術面でのサポートをしているところが多いです。
コーチをしている方は現役でラクロスのプレーを続けている方もいれば、自分のプレーは行わずコーチだけをやられている方もいらっしゃいます。また競技を超えて、女子ラクロスのチームに男子ラクロス経験の方が付いている場合もあります。
※ラクロスは「男子ラクロス」と「女子ラクロス」とほぼ別の競技のようにルールなどが違います。

日本でメジャーになりつつあるコーチというポジション。
これからラクロスプラスではラクロスのコーチとして活躍していらっしゃる方にインタビューを行なっていきたいと思います。

初回の今回は日本代表としての選手経験やコーチ経験も豊富な現在は青山学院大学女子ラクロス部のヘッドコーチをしていらっしゃる柴田陽子さんにインタビューをしてみました。

(下記情報は2017年2月当時の情報です)

ー 柴田陽子さんのプロフィールとラクロス歴


(写真:ラクロス協会HPより引用)
名前:柴田陽子
居住地:神奈川県
現在コーチしているチーム:青山学院大学女子ラクロス部のヘッドコーチ
ラクロスの魅力を一言でいうと:発展途上で教科書がないからこそ自分たちで何もかも創り上げられるところ
使用しているスティックのメーカー:STX
お気に入りのラクロスブランド:Nike Lacrosse

【ラクロス歴】
▶︎選手歴
慶應義塾大学 2005-2008、関東のラクロスのクラブチーム「FUSION」2009-2013年、関東のラクロスのクラブチーム「CHEL」2014-2016年
※日本代表歴 2008年のU22日本代表、2009-2010年の日本代表(’09W杯参加)

▶︎コーチ歴
大学のコーチ:2009年慶應義塾大学AC、2010年-現在 青山学院大学HC
選抜コーチ:2012 U20関東選抜AC、2013 U20関東選抜HC、2015 U19日本代表AC

ー コーチをはじめるきっかけを教えてください

母校の慶應義塾大学女子ラクロスのコーチは後輩から依頼がきたのでやったのですが、社会人1年目はほとんど行けなくて…。青山学院大学女子ラクロス部でコーチをはじめたのは単に出会いとタイミングです。大学4年のときに※フレキャンにコーチをしにいったことがあって、その時大学2年生でコーチにきてた青学の子がたまたま家の最寄駅が一緒でそのあとも何回か駅で会ったりとかして交流が続いてて…で、私はそのまま社会人なって若干ラクロスから離れたんですけどちょうど1年経ったころに会社をやめたんです。で、そのときはほぼラクロスできてなかったんですけど、ラクロスにもっと関わりたいなと思っていたところに4年生になったその子から連絡があって練習にいく機会があって。それが始まりです。気づけばもう8年なんですが、元々コーチしたいとかずっと思ってたとかでも全然なくて…でも自分はワールドカップまで経験させてもらったので、何かしらラクロス界には貢献したいなとは思ってたのでこれが自分の形だったのかなと。

※フレキャン=毎年大学ラクロス部に所属している大学1年生が参加するラクロス協会主催のラクロスキャンプ

ー 現在お仕事は何をされていますか?また普段のお仕事の様子を教えてください。

ナイキジャパンで通訳と翻訳をしてます。

今の会社は転職をして入社しているのですが、ラクロスのコーチしてることを転職するときに面接で話していて、上司がすごくそれに理解を示してくださったので今はフルタイムですが就業時間を練習に合わせてずらしてもらってます。基本は日・月休みで、火曜日~金曜日は練習がある日は12:00~20:00が定時で、オフの日は逆に8:00から出社してます。土曜日は仕事ですがほとんどの日はリモートワークで済ませています。周りの方との兼ね合いもあるのでもちろん朝担当する仕事が入ったりすることもありますが、ワークライフバランスをとても大切にしてくれるいまの職場環境にとても感謝してます。




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ー コーチや自分の所属しているラクロスチームにはどの程度の頻度で参加していますか?


今まではずっと土日はクラブチームの活動もしていたので、基本的には平日の朝練がメインでした。週によりますが平均して朝練、ナイター、土日合わせて週3回くらいは行けるようにしています。自分が参加したほうがいいミーティングをやるときは私の都合に合わせてもらってるので必要があればミーティングにも参加してます。コーチ陣だけのミーティングとかも含めると今のオフシーズンの時期で月に2回、リーグ期は月3,4回夜にミーティングが入ったりしてたかと思います。「コーチ=練習にいく」が全てではないと思っているので、週1回しか練習に行けてないような仕事をやっていた頃は幹部ミーティングなどを夜に頻繁にやってました。幹部が大変だったと思いますが、でもその分その頃の幹部とは今も仲もいいです。

ー 柴田さんにとってコーチの面白みはなんですか?


私は入部する1年生や親御さんにラクロスの魅力を説明するときによく「ラクロスには教科書がない」っていう話をするんです。元々高校まではバスケをやってたんですけど、バスケはラクロスよりも決まった練習や戦術があるイメージで…でもラクロスはいい意味でも悪い意味でもまだ発展途上のスポーツなので、完成した教科書があるわけでも、それをちゃんとやればうまくなるわけでもない。いかに周りがやってないことをやるか。チームの運営面でも戦術面でも「自分たちで教科書をつくる」という作業が大切なのがラクロスだと思ってます。だからこそ、自分たちが作り上げたことがもしかすると4年後はラクロス界の当たり前になってるかもしれない。コーチにとってもそれは一緒で、チームづくりだってフィールドの戦術だって教科書がないからこそ誰もやったことのないことをやって次世代の当たり前を創り上げられるかもしれない。私はまだまだFINAL4常連校などのHCに比べると至らないところもたくさんありますが、誰にだってそんな可能性があることが醍醐味かなと思ってます。



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ー コーチをする上で大事にしていることは何ですか?


ラクロス以外でも輝ける選手を育てることです。ラクロスというスポーツをやってる限りはどれだけうまくてもなかなかラクロスだけでは食べていけないのが日本では現状です。なので、社会人になってたとえラクロスから離れてもそれぞれの舞台で輝いて「ラクロスっていい子ばっかり」と言われることがラクロス界においては今はとても価値のあることだと思ってます。青山学院大学女子ラクロス部の選手はこれには大きく頷くと思いますが、そのために必要な人間性の部分に関してはラクロスの戦術よりもはるかに多く色々なことを指摘してると思いますし、ときには雷が落ちます(笑)。

あとはラクロスのフィールド上の能力=社会でも輝くラクロッサーではなく、ラクロスを通してみんなで考え創りだしてきた能力=社会でも輝くラクロッサーなのかなと思ってるので、たとえリーグのフィールドに立てなくても卒業するときに絶対に入っててよかったと思える組織にどうすればできるかなと常に考えて毎年色々試行錯誤しながら新しい取り組みをしています。

ー コーチとしての目標を教えてください。


直近の目標はコーチをしている青山学院大学女子ラクロス部を関東の強豪の仲間入りさせてFINAL4争いを常にできる力をつけることです。もちろんその先に学生の頂点も見据えてますが、まずはあの舞台をもう一度青山学院大学の緑で染めたいし、自分ももう一度あのスタンドの光景を見たいです。学生リーグの戦いのレベルは年々すごく上がってきてるので、毎年本当に厳しい戦いですが、既成概念にとらわれず新しいことにチャレンジしながら楽しみたいなと思います。

あとはもう少しコーチとして経験積んで成長していつかもう一度日の丸を背負って世界で戦いたいなと思います。いつになるかわかりませんが、そのときは他国のラクロスの教科書にはないチームと戦い方を創り上げて、日本の歴史を変える戦いをしたいです。

(写真:ラクロス協会HPより引用)

ー ラクロスプラスを見ている方にメッセージをお願いします!

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まだまだ発展登場のスポーツだからこそ、ラクロスをやってる人は社会に出たら絶対に違う舞台で働かないといけなくて、それで社会人として世界で羽ばたいている仲間もたくさんいるので、そんなところもラクロスの魅力でいいところだと思ってるのですが…それも踏まえた上で、私は自分で「仕事があるから」「家庭があるから」「勉強があるから」と理由をつけてラクロスが好きなのに離れてしまうのはもったいないと思ってます。

私がいまコーチをできているのは多くの方の理解と支えがあってですが、与えられた環境で仕事をするだけでなく自分が求めている仕事の環境を自分でつくりにいったからでもあります。私の周りには家庭があってもコーチを続けてる方々もたくさんいますが、それぞれ自分でなんとか家庭を持ちながらでもできる方法を見つけてうまくやってます。勉強があっても、医者でラクロス日本代表もいますし、ラクロスと何かを両方やる道を切り拓くってラクロスっぽくてかっこいいと思います。そんなこともできるのもまた一つラクロスの魅力かなと。

なので、ラクロスプラスを見ているほどラクロス好きなみなさん、他に大切にしてるものとラクロスと両方やって輝いてるラクロッサーをぜひ一緒に増やしていきましょう!そんなコーチ仲間が増えることももちろんお待ちしてます!



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ー 柴田さん、ありがとうございました!

柴田さんがおっしゃった『ラクロスと何かを両方やる道を切り拓くってラクロスっぽくてかっこいいと思います。』というメッセージ。
ラクロスの開拓者精神。先輩方がアメリカからラクロスという競技を持ってきて、それを今の若い世代が受け継いでいく、そしてラクロスに関わる全員でもっとラクロスをおもしろく開拓していく、この流れが本当にラクロスっぽくていいですよね。
これからもラクロスをもっと面白く、そしてかっこいいラクロッサーがたくさん社会で活躍し続けてくれればいいな、と思います。

柴田さん、本当に今回はありがとうございました!

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編集長LACROSSE PLUS
設立:2016年8月|ミッション:ラクロスに関わる人に有益な情報を届け続ける|ビジョン:ラクロスの人ってかっこいい|編集長:小野寺ひより

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