【デュアルキャリアラクロスコラム】No Strings No Life Vol. 2|表現の大切さ/険編み
第2回目のコラムの今回は分かりやすく誤解なく伝えることの大切さについて書いていこうと思います。
表現の大切さ
なぜこのようなテーマかというと、このことは仕事を通じて学び、私の編み活動にも非常に活きているからです。現在の私の業務では日常的に稟議を起案したり、四半期ごとに経営会議資料の作成に関与したりします。どちらも表現の正しさや、分かりやすさ、論理的な構成になっているかなど十分にチェックしますが、少しでも不明瞭なところがあると、上司から厳しく突っ込ます。ではラクロスにおいてはどのように関係するかというと、私の場合、①パターン表記、②ブログの記事、③インスタでの質問箱への回答の3点が挙げられます。インスタのフォロワーとのコミュニケーションは主にDMですが、私のコンテンツの受信者はブログと質問箱がほとんどです。顔も名前も分からないフォロワーに方々に知識等をきちんと伝えるためには表現にも拘る必要があると考え仕事で得たノウハウを横展開するに至りました。
以下大きく分けて2つのトピックについて書いていきます。
「正しい表現を心がけること」「専門用語の重要性について」です。
正しい表現を心がけること
最近Youtubeをはじめとして聞こえの良いタイトルで注目を集める方法が流行っていると感じています。例えば「絶対に〇〇できる方法!!」みたいなサムネです。まあそんな訳はないと思って視聴するのであれば良いのかもしれませんが、実際に試してみたけど上手くいかなかったらそれは“絶対”ではないですよね。正しくは「〇〇できる可能性の高い方法」となります。上手くいかない可能性もあることを念頭に置いておけばコンテンツを享受する側にとっても過度に期待を高める必要もなくなりますし、上手くいけばラッキーぐらいの感覚になるのではないでしょうか。これは個人的な感覚になってしまいますが、細かい表現に拘れない人のコンテンツはあまり信用できないと思ってしまいます。
ではコンテンツを発信する側はどうすればよいかというと、断定的な表現を用いないことです。この点については仕事でも非常に注意しています。前提としてサラリーマンは事実とそれ以外を区別する必要があります。事実についてはそのまま伝えればよいですし、そうでなければ「~になると予想される」、「~な結果が見込まれる」などの表現で代替が可能です。逆にコンテンツを享受する側は断定的な表現を用いているものは注意を払った上で、自分のものとすればよいでしょう。受験勉強で断定表現に注意するなどの経験ある人も多いと思うので、慣れれば簡単です。Youtubeやブログだとその辺がガバガバなコンテンツも多いですが、官公庁や企業のオフィシャルな資料はしっかりと作られています。
専門用語の重要性について
それなりに難しいことを正確に使うには専門用語との関りは避けては通れません。“si”、“チャンネル”、“サイドレール”、“シェナンゴ” などなど、私が編み師を始めた頃は国内で理解してくれる人はほとんどいませんでしたが、今ではクロスを編む人であればある程度通じるようになりました。ではなぜ専門用語が必要なのでしょうか?ざっくりですが、メリットおとデメリットをまとめてみました。
【専門用語のメリット】
・分かりやすい(文字数が省略できる)
・解釈の余地がない
【専門用語のデメリット】
・読み手側に知識の習得が求められる
整理してみると、大してメリットがないじゃないかと思われるかもしれませんが、慣れれば専門用語の方が楽です。
どれくらい便利かを示すためにも、以下一例を紹介すると、算数で習う”π”があります。そう円周率を表すギリシャ文字です。これのおかげでどれだけ計算が楽になったことでしょう。いちいち3.141592653589…を使っていたのではたまったものではありません。近似値の3.14でさえ受け付けたくないです。
また仕事になると略称もよく使われます。事業会社の本業での収益力を測るだけでなく、同業他社との比較にも使いやすい指標で”EBITDA“というのがあります。略さずに表記すると、” Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization”となります。こんなのがプレゼン資料に何度も登場してきたら嫌ですよね?だから頭文字を取った略語で使われます。ちなみにこのような頭文字表記は世界でも溢れており、有名な組織や機構だと、OECD, IOSCO, IMF, WHOなどが一度は聞いたことがあると思います。これらは専門用語ではありませんが、分かりやすくするという元々の趣旨は一致しています。
一方で略語は分野が異なると同じ表記でも意味が全く変わってしまいます。例えば”ssi”についてです。
・ssi(ラクロス):Stacked Special Interlock
・ssi(金融):Standard Settlement Instruction (標準決済指図)
上記のように全く違うものを指します。とはいえ文脈で判断できることがほとんどなので、大した問題ではないかと思います。
終わりに
細々したこと…と思われるかもしれませんが、個人的にもそう思います(笑)
一方で情報を捨象した聞こえの良い言説は本物とは言いづらいですよね?多少面倒でも自分の分野については”ホンモノ”を追求し、正しい情報発信を心がけていく所存です。
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