ーあなたにとってコーチの大変さとはなんですか？
大変という言葉とは違うかもしれませんが、学生の大切な大学生活の貴重なシーズンを共にする責任感はものすごくあります。
私は教育者ではないし学生主体がモットーなので、こうして！と強く言うことはほとんどありません。その中でも、社会に出る前の大事な時間を共に過ごすので、ラクロス部に入って良かったと様々な形で思ってもらえたら嬉しいと思います。
あとは、仕事とラクロスとの両立に限界がないこと。職場の方々は、結果を見て声をかけてくださって。お取引先も、真夏にどんどん日焼けしていく私に突っ込んでくださって。でも、それって当たり前ではないと思うんです。応援して下さることは本当に嬉しく、幸せな環境だと思います。
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ーコーチをやっていてよかったなと思ったエピソードを教えてください
辞めようとしていた部員が、チームに残ってくれたこと。そして、そういう部員が戻りたいと思えるチームをみんなで作れたこと。選手が続けられなくなってどう関わるか悩んでいた部員達もプレーヤーではない形で部に残って貢献してくれました。
時には自分らしくないことをしたり、リスクあるチャレンジをしたり、なかなか殻を破れないところから何とか変わりたくて悩んだり、単純に不調で腐りかけていたり…選手のいろんな姿を見てきて、声をかけたりあえて自分で考えてもらったりしてきました。
結果的に「めっちゃきつかったけど本当に楽しいシーズンだったしやっててよかった」「辛いことの方が多かったけど、考え方が変わって成長できた」「選手をやめて辛いはずがラクロスが余計に好きになった」「出会えて良かった」等の声を立場に偏りなく聞けたことは本当に嬉しいです。学生が自分の成長を自分で実感できている場面を共にでき、時にそこに関われることは、コーチの醍醐味だと思います。
私も4年生の時、ACだった竹内(澤田)彩さんに出会って考え方が変わりました。ラクロスを通しての出会いですが、プレーとかそういう枠を超えて人生観が変わったというか（笑）本当に人生の中で大きな出会いでした。
彩さんに出会えてなかったら今の私はありませんし、今ラクロスに関わっていなかったと思います。離れていてもずっと憧れだし、会いたくなるような存在です（笑）あのとき私が彩さんに抱いた想いのように、今度は私が少しでも学生へプラスの影響与えられていれば嬉しく思います。
ーあなたにとってコーチを行う上で大事にしていることを教えてください
自分の経験を忘れないこと。自分が現役時代コーチと接していて学んだことは、活かしています。(同時に、あの頃コーチの方々に大変な想いをさせていたんだな〜と…)
幹部でもスタメンでもなかった私のような人がコーチをするって、結構珍しいと思うんです。だからこそ、私なりの視点でのチームの見方は忘れてはいけないと思うし、どんなに幹部との話し合いが多くても、腐りそうな選手や怪我人、スタッフまで必ず観察します。
あとは、自分が「こうしたい」というラクロス・チームづくりではなく、学生主体であるということ。最終的には必ず部員の意見を通したいと思っていて、そのプロセスの中で理由を明確にして、責任は私が取るということを意識しています。
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ー学生の考え・意見をそっくりそのまま全てサポート・実行に写そうとすると難しいこともあると思うのですが、それをどう筋を通して実行・サポートされたのですか？
これらのエピソードを挙げたらキリがありませんが（笑）、自分の当たり前は相手の当たり前ではなく、逆も然りと思っています。特に私はOGではないので、文化も伝統も校風も違うし、ラクロス用語も違います。だからこそ先入観を持たず、学生から何か意見があった時は “なんで？” を聞くようにしています。
耳にした意見や発言は表面化されていますが、その背景が必ずあると思うんです。逆に考えずに発言している時は、すみません深く考えてませんでしたと返ってきますし、それを言える環境を作ろうと思っています。なんでなのか理由を聞いているうちに、話の筋を一緒にまとめるように意識しています（笑）無駄な時間を使うのがあまり好きではないので、その場で。そうすると、大体やりたいことが明確になって、どう行動したら良いかステップが見えてくるのではないかと思います。
よく喋る学生はたくさん言葉が出てきますし時には斬新な意見もありますが、本心はその表面化された言葉以外のところにあるかもしれないので、詳しく聞くようにしています。そうすると、意外とまともなことだったりします（笑）
一方で、口下手だったり、想ってることはあるけれど周りを気にしてあまり発言しないこと人もいると思います。そういう人が発した想いは絶対に拾いたいし、意味を汲み取って、活かしてあげたいと思ってやってきました。
ー【次ページ】コーチになるにおいてスキルは必要？＆上田さんの今後の目標ー
