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【こぶ平レポート】クライマックスシリーズ⑧関東大學リーグ|2018年男子決勝

ラクロス、全日本大学選手権が始まりました。ですが、全国からのターゲットとなる関東地区の代表を決める決戦が行われ、会場が大盛り上がりの熱戦が繰り広げられました。そのゲームの詳細と、試合を決したポイントを考察してみたいと思います。

当日CSテレビの中継がある中、会場の駒沢オリンピック公園第二球技場は3000人を超える観衆で満員の盛り上がりは、試合の内容をも緊迫した、拮抗した試合に持って行った。

男子ラクロス決勝| 東京大学(A組1位)vs早稲田大学(B組1位)

東京大学は2005年以来の、早稲田大学は2013年以来の優勝を目指す戦いは、拮抗した白熱戦となった。
試合前の私の予想は、いわゆる東京の盾vs早稲田の矛 という図式ではなく東京の矛vs早稲田の盾という図式から 東京が8対6で勝つというものだった。
選手は両チーム大きなけが人はなく、準決勝時と同じスターターで始まった。

1Q
予想通り、お互いの守備と攻撃の間合いを探り合う時間が続き、5分早稲田ライドからのポゼッション間合いを測るように詰めてきた13番、一気のドッジランの仕掛け、あっさりと東大ディフェンス(DF)を切り裂きそのまま、フリーで正面からショットを決める(実はこの後、このプレーからの呪縛に捕らわれたのが早稲田だったのではないか?あとで振り返る)。
この後、東大もマッチアップの強弱を確認するような攻めを続け、裏からの捲りや、インサイドへの飛び込みを図るも不発、逆に早稲田は、1Q終了が迫る時間帯に21番のミドルショットで2点目を獲得し1Qを終了する。
この1Qでは、お互いの様子見の攻撃が、早稲田の方に得点をもたらしたというべき20分だった。

2Q
開始早々のフェイスオフを東大が獲得すると、直後に東大がタイムアウトを宣告。もう1度戦術の確認を行うと速いパス回しから、最後エースの20番の満を持したショットが早稲田にセーブされたのは後に尾を引きそうなプレー選択だったと見た。勢いに乗った、早稲田の攻撃が続くも、この間ミドルショットを撃たせてもらえなかった、早稲田徐々にインサイドを狙うラクロスとなり、早稲田タイムアウト明けの攻撃で裏からのパスではなく、裏からまくった0番へのパスをピンポイントで通して得点を追加し、10番の裏からのまくり攻撃で、得点を重ねた。この時点で2Q12分。早稲田の攻撃があっさりと、東大の失点ライン(3点)を越え、このまま、早稲田の圧勝で終わるのかという雰囲気が駒沢の会場が包んだ時間だった。

東大には息を吹き返させる、ブレークスルーが必要となった2Q13分、東大2番ゴールの10mラインをなぞるようなスワーブから、反転一気のショットが決まり、多くの応援団が一気にヒートアップ。フェイスオフも取り、勢いを 加速させた東大、エース20番が角度無の難しいショットをゴロで抜いて2点差まで詰めたのが残り2Q1分。
フェイスオフ東大、タイムアウトから、43番―15番のライン、パス決めてフリー、ショット決めた、と思われた場面早稲田ゴーリーがスーパーセーブ。
ここが、一つのポイントだった。 前半を終わって4対2 早稲田が東大の勢いに呑まれかけた所でインターバルが取れた。
ここがもう一つのポイント。


3Q
一息ついた早稲田がフェイスオフは取るも、勢いに乗った東大のディフェンスが躍動し、攻撃陣が繋がりだした東大。5分ポゼッションセットから6番が角度の無い所から長めのショットを決めきると、東大のDFからの攻めが効き始めた。
しかし、東大もパスのミスが続き、流れを完全な物にできない。それでも会場は、早稲田のストーリングに、早稲田のミスにため息が出され、東大の攻撃に沸く雰囲気となり、早稲田の攻撃も停滞する中、17分東大20番のショットが決まりついに4対4の同点となった。
残り90秒立て直しを図る早稲田のタイムアウト。その後、絶対に点を取りに行く攻撃に注目をしたが、攻撃に移る前にミスで機会がなく、完全に東大の流れで最終Qを迎える事となった。

4Q
ここで、早稲田はどういう立て直しを図るのか注目をした。
フェイスオフは 8回の機会で 6対2 と早稲田が取っている。ショット数も早稲田が多い。ただし、ミドルシュートは1本。ストーリングは2回早稲田に出されていることなどから、早稲田はフェイスオフから勢いを付けるか、ミドルショットによりインサイドのスペースを開けるのが良いと考えたが、開始早々フェイスオフブレイクに行く早稲田に、その意気込みは見えた。
そして、ポゼッションから早稲田13番、1オン1の仕掛けから3人のDFを振り払ったショットを撃ちこみ、逆転を許さず流れを戻す事に成功した。
その後一進一退から、両チームのゴーリーの踏ん張りもあり膠着する。
試合が動いたのは残り10分 東大のDFからのカウンター攻撃を捌いた早稲田ゴーリーからのターンオーバー。0番の再びのゴール裏からのまくりドライブがブレイクして、6対4と二点差にする。
以降早稲田の懸命な守りに、東大の攻撃がプレッシャーをかける中、残り5分、ボールを奪った東大、ゴール前DFの内側に75番が飛び込みショットを決め逆転を思わせた。
しかし、早稲田ドローからポゼッション、時間を使う中、東大がボールを奪い返したのは残り90秒。しかし、ここは早稲田の3人ライドが奏し奪い返してタイムアウトは残り45秒。これで、早稲田キープで終わらない試合、東大が奪い返して残り20秒、タイムアウトを取った。
スペシャル・プレーを期待する会場!!
しかし、東大のパスミス(早稲田のプレッシャーもあった)でダン。早稲田が苦しみながらも、5年ぶりの優勝を達成した。


早稲田の勝因は何だろう?

ゴーリー 8番 高杉選手の集中力。
予想以上の早稲田の守備。
フェイスオフを取れた事。

だと考えられないか?

もしそうだとすると、早稲田は不本意な結果なのかもしれない。本来は「巧より強たれ」のチームの攻撃が不発に終わったのだから。

一方の東大は、2005年以来の復活は、再び持ち越しとなった。思えば、今年のサマーステージにも選手を出さず、1年生から一体となって作り上げたチームは、やはり攻撃面で課題を解決できなかったと考えざるを得ない。ただ、ディフェンス力を維持しながら、攻撃力のアップを果たせば無敵となる 予感 はある。

全国へ駒を進める早稲田大学。攻め勝つには、もう何段か上のステップへ、精神力を持っていく必要があるのではないか?と考えさせられた1戦だった。VPは0番尾花選手、裏まくり2発を決めきり力づけた結果だった。しかし、両チームのゴーリーが一番存在感を見せていたのはまぎれもない事実であった。

女子ラクロス決勝の戦評は又すぐ次に。

Lacrosse makes friends and players.

こぶ平

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