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【こぶ平レポート】全国大会に向けてと入れ替え戦のドラマ①|第9回全日本大学選手権3地区代表決定戦

先週、先々週と打って変わって快晴の下、大学選手権に向けた第1ステージ、3地区代表決定戦が東京 江戸川区葛西臨海球技場 で男女共催の形で実施されました。

年々進化が見られるのは、各地区同じです。今年の3地区の思い、目標はそれぞれに違った物があったようですが、2試合連続(1時間のレストだけ)で試合を行うチームが2チームはあります。女子ではそこが特に明暗を分けた形でした。



三地区予選に向けての各チームの想い

今年の3地区代表の予選に向けての想いは以下のように思えました。(色々な聞き取り等からの推測も入っています)

【東北地区代表】
男女とも東北大学が代表として出場しました。

男子は4年連続、女子は3年連続の3地区代表を目指して、春から関東のプレシーズンマッチ等に参戦し、全国大会の関西地区を倒すことを目標に精力的に成長を目指してこられたようです。
連続代表に向けて、従来以上の遠征等も重ねられたと側聞しています。
昨年男女とも関西地区代表の神戸、関西学院に敗れたところから、今年へのチャレンジが始まっていたのですが、その為の努力を重ねて、自信を持っての挑戦だったと思います。

【中四国代表】
男女とも岡山大学が代表として出場しました。

男子は2012年に東海地区代表を破り準決勝まで進んだのを最後に3地区戦には駒を進めても代表になれない年が続いている。昨年は勝ち抜けた東北と引き分け、2試合連続の不利も勝って代表に近づいたが、後試合の東北大学に得失点差1で敗退となった。
女子は、過去1度も3地区代表にはなれていないが、昨年は2試合連続となった東北戦で力尽きたが後一歩のところだった。
という、所から始まった今季への挑戦は、どちらも関西遠征を重ね、九州地区とも交流を重ね昨年より進化した実感のあったでしょう。そして、SNSを通じて、3地区全勝。打倒北海道・関西代表撃破という目標を掲げるまでの思いを持って来られたはずです。

【九州地区】
男子は九州大学が代表として出場しました。
2013年3地区を勝ち抜き、東海代表に1点差で敗れたところから、ずっとため込んだ全日への思いは、昨年3地区で1勝もできずに終わったところでピークに達していたはず。中四国との交流やライバル西南学院との切磋琢磨を経て、久々の3地区代表を勝ち取れるぞの思い。

女子は福岡大学が代表として出場しました。
昨年九州代表が3地区で1勝もできなかった時から、九州地区のリベンジへの思いは地区全体の危機感に昇華し、全体のレベル向上を図ってきたなかで、U22代表へ選手を輩出し、代表練習のエッセンスを注入されたラクロスは、九州では強さを発揮した。その中で、九州ファイナルで中村学園との厳しい戦いを経て、容易には果たせない勝利の厳しさを体感されたことが、良い意味で油断のない勝利への思いに変わられたはずです。



三地区予選の男子ラクロス

4連覇を目指す、東北大学が朝9時からの連戦となる試合。昨年は1&3試合目の戦いで、初戦の岡山との引き分けから、1試合空いて戦う有利さを生かして最後得失点差で代表を勝ち取ったが、今年はその岡山と逆のパターンとなるハンディキャップを持ってのチャレンジは、初戦の岡山戦6対5で勝ち切り。

2戦目の九州に対して、疲れのハンディを感じさせないパフォーマンスで圧倒。特に守備意識の高さと思い切りのよいショットが光り9対3と連勝で代表を決めました。

腑に落ちなかったのは、第一試合の岡山大学。4対6で負けていての残り5分。積極的なDFも掛ける事もなく、最後東北のエラーから得たアタックの機会からのショットで1点を返すのみに終わった事。
昨年の事を考えれば引き分けに持ち込めれば勝機は高くなることは分かりえたはずです。その為には圧力をかけて奪ってアタックが必要なはずだったはずです。
逆に東北も勝っていながら、最後の2分でも中途半端な攻めから、ボールを奪われる機会があるなど接戦を経験していない、戦術の徹底不足が気になりました。
力が上のチームとの戦いで、ビハインドでの戦術徹底ができなければ結果は見えてきます。ここは大きな課題でしょう。

九州大学は、そのパフォーマンスを全部出せたのかつかめなかったのですが、二試合とも完敗に近いものだっただけに、個のレベルアップを基本に現在の目標値よりかなり高い負荷の練習も必要になるのではないでしょうか?





三地区予選の女子ラクロス

昨年全敗に終わった九州地区代表の福岡大学が連戦になるハンディを克服する体力があるかもポイントでしたが、結果的には接戦をクリアしてきた粘りが結果を出す形になりました。

初戦の福岡vs岡山はフレッシュなチームが当たる唯一の試合。前半U22代表中心の個の力でブレイクを企てた福岡の動きが、#5,7,9のトライアングルで組み立てる良い攻めを決めた岡山をやや上回る展開で2対1から、前半7対3での終了は岡山大学にとっては想定外の福岡のスピードではなかったでしょうか。福岡の走力は速さと力強さがありました。
後半はそれが持続するかもポイントでしたが、立ち上がりいきなりの岡山のドローブレイクで浮足立つ事もなく、攻めをしのいで11対4まで進めた福岡も、岡山の反撃から結果12:7(後半4:4)と楽に試合を終われなかった事は連戦に不安を残しました。

第2試合
連戦となった福岡が3連覇を狙う東北に対し、第1試合の勝利の勢いと「決着をつけるぞ」の決意から、前半3対0でリードするも、後半運動量が落ち始め、東北の攻撃に受けに回る形。DFの弱点が顕著になり同じパターンでの失点から、攻めに回れず、結果的に5対5の引き分けで終わった。
この試合、福岡大学後半2名の足の痙攣でリタイアするも、九州での追い上げを凌いだ成果か最後まで攻めの姿勢を発揮して踏ん張った形でした。

第3試合
東北大学が6点差以上の差で勝つことが条件の試合。前半は東北が力を振り絞って7対3で折り返し、後半逆転代表が見えてきた形でした。しかし、後半5分過ぎごろから脚の痙攣者が続出するような展開で一気に岡山の攻撃が爆発。9対7と逆転された東北最後の力を振り絞った攻撃で8対9となったところで、力尽きた形に終わりました。

結果として1位福岡大学1勝1分、2位岡山大学1勝1敗、3位東北大学1分1敗 という形で終了し3地区代表は5年ぶり3回目。11日に北海道代表と全日本大学選手権を戦う事になりました。

女子の場合は、体力面で現行方式での試合形式を考えさせられる結果になったようにも見えますが、結果的に2試合連続で戦える体力をどこまで持てるか。その力も含めて福岡大学の力が、少し他校を上回った結果だと思います。

現行方式の、3地区戦をどのように変ええるか具体策は難しい現状で、勝つためには、実際に1日2試合を戦い抜ける体力と控えを含めた層の厚さがポイントとなります。これは、全日本大学選手権を移動しながら勝ち抜くためにも必要な要素だと思われますので、3地区のハンディを力に変えるような進化を遂げて行かれる事を、地区全体で検討されて行かれることも必要でしょう。

実際、九州地区では日本代表のコーチを務められた方を中心に、地区での育成スタイルが動き出しています。
中四国、東北、北海道の各地区でもそういう取り組み(コーチ等の問題は地域で取り組む体制になることが地区の支部化にも繋がると思うのですが。)が広がる事の必要性を感じた3地区代表決定リーグでした。

実際、全国レベルのプレーヤーも多くなった3地区代表戦。この後の北海道支部代表との全日本選手権での戦いの結果いかんでは、来年の10回記念大会での全日本大学選手権の進め方に再考が求められるのかもしれません。

地区の支部化について考える機会となることを期待したいです。

2017年3地区代表大学は、
男子ラクロス:東北大学(4年連続4回目)
女子ラクロス:福岡大学(5年ぶり3回目)
となりました。

【全日本大学選手権第1回戦情報】
11月11日(土) 仙台市(宮城) ひとめぼれスタジアム宮城

にて、北海道代表 北海道大学男女チームと対戦します。昨年は3地区代表の勝利でした。

今年も熱い、戦いが続いた3地区代表決定戦。来期は関東学生リーグのスケジュールと重ならないような
統一的なプランニングをご検討いただければと思うのは私だけではないと思います。

ご意見、お待ちしています。

こぶ平

レポート:こぶ平
写真:LACROSSE PLUS専属フォトグラファー 梅田朗江 & こぶ平
撮影協力:日本ラクロス協会



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