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【こぶ平レポート】全国大会に向けてと入れ替え戦のドラマ②|関東&関西学生

前2週と打って変わって、快晴の下大学選手権に向けた関西、関東地区の準決勝が実施されました。
両地区で、ドラマチックな展開がありました。今回は直接見た訳ではないので、事前情報と実況等から、結果を考察してみました。

「いいラクロスをすれば、勝てるわけではない」 というまとめです。



関東地区

<学生リーグの準決勝の背景・男子>


初の準決勝進出を勝ち取った中央大学。2012年以来の準決勝で新しいスタイルに変貌した一橋大学が、早稲田、慶應の常連にどのように戦いを挑むのかという図式でした。
特にポゼッション重視のスタイルで2009年に日本一になられてから、そのスタイルに混濁したように見る者には思えた一橋さんが、体つくりを含めて進化の方向性を変えられたのでしょう、強いショットも打てる、挑戦的なスタイルとなって帰ってこられたのは、最もエポックメイキングな事象でした。
一橋の対戦相手がシーズン最初早稲田に完敗した後の、立ち直りを期した慶應であり、進化の真の力を見せつける機会という位置づけもあった戦いになりました。

<学生リーグのFinal4の背景・女子>
4年連続の関東制覇を目指す明治大学が順当に、本当にしっかりとしたラクロスでファイナル4への進出を決め、2年ぶりの復活をした慶應義塾大学に2年連続となった東海大学、そして4年連続進出の立教大学が2位通過で進出したファイナル4。
※ポイント
一見するとポゼッションを確保し、固いDFからゲームを作る古いスタイルに見える明治大学は、とても柔軟で懐の深いラクロスを展開してこられました。その強さは、どんな相手でもその長所を封じ込めて、自らのペースに持ち込んでしまう ‘アリジゴク’ のようなラクロスではないかと見ていました。
その攻撃力はまだ、秘めた物があり、底なしの力を感じるものです。

一方、今季豊富な練習と全体の意思の統一を成し遂げたリーダーシップメントの高い志を持ち、走り繋ぎ、力強いラクロスの体現を目指してこられた、慶應義塾大学はさらにUSで磨いたスキルを発揮して、制圧を狙うチームです。

明治に対する東海大学は、豊富な経験値と高い能力をベースに決まった形のない奔放なチームと見えていて、その個性が底なしの対応力を超えるのではないかと、「明治を越える刺客」第1弾だと考えていました。

慶應義塾に対する立教大学は、エース格のケガによる離脱を新戦力がカバーした進化中のチームという紹介をしてきましたが、明治を越える豊富な戦力から選ばれた戦士は単なる進化の段階を越えて、次の段階に入っている雰囲気がありました。ドローが優位に立てれば、勢いが付くという見方もしていました。






<男子ラクロス結果>
早稲田 vs 中央 9対5   まだ、脅かすところまでは行けなかったか?中央大学
一橋 vs 慶應義塾 10対11 前半7対2からの大逆転は、慶應の底力を見せたといえる試合
だったのでしょう。ただ、試合を見ておられたラクロス関係者にによれば「ラクロスとしては力強く、良いラクロスをしたのは一橋でしたよ!」との事。何が明暗を分けたのか?

慶應が後半修正し、ここだけは絶対に負けない部分で勝負したポイントが一橋の唯一?の弱点だった。そんな事のような気がします。
(それが何かはわかりませんが。)
毎年、継続的に準決勝で戦ってきていたら、起こらなかったかもしれない、大逆転だったのでしょう。






<女子ラクロス結果>
明治vs東海 6対3    この試合も立ち上がりから、良い試合をしているのは東海だったように聞いています。しかしながら、明治のアリジゴクの深さは東海の脱出を許さなかった。前半1対2からの逆転は、明治の底の深さを示す物だったようです。東海の突破力をもってしても、底が抜けなかった。
明治大学ラクロス。今回は、進化の違いに関してゴーリーの進化も言われていましたが、ゴーリーさんのプレーはどうだったのでしょう。
東海は、ここを基準に、たりなかった部分を補ってさらに進化をさせないと、来年も進化する明治大学には追い付けない。
勝つのはどういうラクロスなのでしょう?結果論として、そこが限界だったのか?という検証しかできないでしょうね。

東海大学のラクロスもまだまだ進化をするようです。来年が楽しみなチームであることは間違いない。

慶應義塾vs立教 7対3   立ち上がり、一気に走って圧倒を狙ったであろう、慶應の攻撃を凌ぎつつ、攻撃のチャンスをうかがう立教さんの姿が目に浮かびます?違ったでしょうか?キャプテンのLeadで奮起した一年生がアタックを仕掛ける。慶應のDFも当然凌ぐがそれに抗してショットを打つ。
以外に慶應ゴーリー#49のセーブシーンが流れているところを見ると前半はドローも五分五分でゴーリーのセーブが無ければ逆のペースもあったのかもしれませんね。ただ、追いつかれた後の得点を決めた#99キャプテンはここ数試合重要なポイントを決めきっています。この辺は強みだったのかもしれません。
しかし、後半は慶應の前でのチェックから、アタックの動きが活発化したようですし、変わらぬ慶應ゴーリー#49のセーブでしのいだチャンスを確実に決めるべき人が決めた慶應が勝利したのでしょう。
アタック3人を含む5人の主要攻撃陣で7点を取った慶應が難しくなりそうな試合をしっかりとものにした。そんな試合だったのでしょうね。

立教としては、最後に1年生の#90がこういう状況下で得点を決めきった事は来年への収穫ですし、覚醒の時はそう遠くないように思えます。





関西地区

<学生リーグ準決勝の背景・男子>
立命館大学が初のリーグ戦1位での準決勝進出。前年優勝の神戸は最終戦でFinal4へ滑り込み。大阪は、スキのないプレーで巻き返しをねらう。関西学院は、Bリーグ全国大会で早稲田を始めて破って意気が高い。というような状況下でした。

※ポイント
パワーの獲得を目指した、力強さが特徴の立命館大学が後半に地力を発揮し、初の1位での準決勝進出に対し、パワーで劣る他校の戦略は何か?リーグ戦ではパワーを封じ込めた関西学院とは決勝で当たることになり、前年チャンピオンの神戸との試合が一つのポイントになりそうです。

<学生リーグの準決勝の背景・女子>
シーズン前半から、ペースに乗れなかった関西学院、同じように勝ち切れない試合があった同志社の2強感は大局観的には不動で、関西大学が同志社と引き分けた事は、少し変化として認識できる程度のものでした。

※ポイント
開幕戦引き分けた女王関西学院と同志社のパワーバランスが同志社に傾き加減の今年、関西学院の立て直し度というか、進化の度合いはどのくらいなのか?だったと思います。




<男子ラクロスの結果>
立命館vs神戸  9対6  前年も全日本選手権を通じ、パワー不足を指摘した神戸は、パワーをつけた立命館に負けたという図式。本気でパワーもつけなければならない状況だと    思うのですが、どうなのでしょう?

大阪 vs 関西学院 7vs6 延長4Qサドゥン ヴィクトリー
大阪大学も、1昨年のパワフルな形ではなくなり、関学との守備対決となったこの試合は、最終的に残り10分で3点差を追いついた大阪が、延長4Q通算10分目にサドゥンヴィクトリーゴールを決めて決勝へ進出。立命館にシーズン中に勝っていた、関西学院はチャンスを生かせなかった。しかし、延長4Qは非常に際どい戦いだったようで、熱くなった試合だったのでしょうね。

実際の所は、今期関西最強は京都大学という声も多く聞かれていました。出場停止から3年ついに2部を圧倒し1部に返り咲くことが‘決まっています。東海地区のように2部からのアップセットシステムがあると面白かったのですが。これもルールです。
立命館の優勝の可能性が高そうに見えますが、過去パワーの点で関東に後れを取っていた関西代表が、パワーチームを代表に送り出すのか注目です。




<女子ラクロスの結果>
大きな落とし穴にはまったチームが出ました。
関西学院vs関西 7対8  日本代表も排出し、昨年の日本一の血も受け継がれていた、関西学院の連覇が消えました。

敗因はわかりません。実況を見ていると、5対2からの後半。関西大ゴーリー#16のセーブが光っていましたが、それでも、DFは崩れなければ苦戦で終わったはずですが、焦りからか、前のめりになったのでしょうか?
関西も#34のドロー連取、#11,#71という決めるべき人のが決めきる事で流れを呼び込んだか?期待の若手Twinsのアベック得点も生まれ、気が付けば終了していたという感じなのでしょうか?

とにかく、公式戦で勝っていた記憶はない、関西大学が初の関西決勝進出を果たしています。これは、歴史的なことですね。


同志社vs立命館 13対4  関西学院の敗退を目にした、同志社の引き締め感、集中感は高かったのでしょう。戦力が充実したチームが、集中を高めたら強かったという形でしょうか?後半7対1と圧倒した同志社が決勝へ進出2012年忘れ物をした(その時は初めて東海地区代表の金城学院女子に敗れている)以来の全国大会への進出を狙う。

実際、関西学院の敗退は関西でも驚きを持って、SNS上にコメントが流れています。複合的な要因があるのでしょうが、歴史の変化というのはそういうもので、今後関西のラクロスが変わる事になるのか?来年近畿大学も1部に帰ってきます。

関西大学にとっては、決勝でも勝って勢いそのまま、全国大会まで進みたいものです。関学に勝ったという意味でも。
ご意見、、そして、関西の準決勝の実際はどうだったのか教えて下さい。お待ちしています。

こぶ平

レポート:こぶ平
写真:LACROSSE PLUS専属フォトグラファー 梅田朗江 & とと
撮影協力:日本ラクロス協会



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