【こぶ平コラム】2021年ラクロスクライマックス~勝手な予想をしてしまいます
2022年のラクロス 12月5日の 全日本クラブ選手権決勝でクラブNo.1が決まり女子はNeOが5連続(2020年は大会がなし)実質6年連続の優勝を飾り、男子はStealersがどうしても破れなかったFALCONSの壁を打ち破り初の優勝を飾った。FALCONSは2011年から続いたクラブチャンピオンの座を明け渡し、2008年から続いた全日本選手権への出場が叶わなかったもののの、12年連続チャンピオンという不滅とも言える記録を打ち立てたチームの見せた矜持は称賛されて然るべきであろう。詳しい振り返りは別途書く事にして、今回は12月19日に行われる2年ぶりに開催される第31回ラクロス全日本権、恒例のお勝手、お騒がせ、妄想予想を含む試合の見どころなどを書いていきたい。
今年のラクロス全日本選手権 2000人という定員が決められたが有観客試合となり久々の選手権に花を添えそうだが対戦は
★女子
NeO 5年連続出場 3回連続優勝を目指す絶対女王
vs
日本体育大学 2010年以来の全日本選手権出場となる。
今年絶対負けないラクロスを魅せた学生女王。2010年には日本一となったSibyllaに準決勝で4対5と敗れてからのリベンジを目指し挑む。実は、日本体育大学のアタック、ディフェンスコーチはシーズン中NeOの選手が務めていた。この試合はそういう意味で師弟対決になる。
前回の2019年辺りからクラブチームの強化が進み大学との格差が生まれていて前回大会では、大学チームの完成度としては有数の実力の立教大学に対して13対2と圧倒したNeOはクラブ選手権を見る限り、その力はアップしている。ショットのスピードはもちろんだが、パススピード、グラウンドボールへの集中力、ディフェンスのリカバリー能力どれをとっても強化されている。唯一危惧されるポイントはベンチメンバーも含め30人ほどで回してきたNeOがベンチ20名になって、出場機会が増える選手の体力面だが、2016年17年の経験から体力面でも強化され、体のケアを科学的にも健闘しているチームにとっては問題にはならないかもしれない。
攻撃陣のみならずゴーリーを除く18人全員が得点能力を持つNeOの緩急自在の攻撃。強い守備からのアタックの神髄を見せつける場になる可能性は高い。世界を目指すラクロス、LiveでもStreamingでもOK.是非女子ラクロスの高みを見て欲しい。
対する日本体育大学。今年のチームは2019年の立教大学の完成度に個人のアスリート力を追加したチームであり、大学生に負ける事が無さそうな強さを示したチームだ。ともすればアスリート性に頼りすぎ、チーム力に結びつかない傾向も見られず、総合力として高いものがある。その核となるのが AT6番 山根萌奈 MF10番 藤井真由 DF34番 戸村舞花 のU19世界選手権代表選手だ。3つのポジションに稀代のリーダー選手がいる。そして18人全員が豊富な運動量を駆使する事ができれば、良い戦いが見せられるはずだ。ポイントは34番戸村選手を中心にしたDFが最後のレンジでどのようにNeOの攻撃の芽を摘めるかだと考えている。
実は日本体育大学というチームは、学生界で有数のTeen’s Lacrosse経験者が多い。ラクロス経験値が髙いチームなのだが、ともすればその経験がチームとして生かし切れていなかった。今年のチームは、世界での経験も加味された稀代のチームとなっている。ただし、全日本大學選手権でMVPとなったゴーリーに関しては、大学とのショットスピードについていくことは難しそうだ。
それらを加味すると。 NeO 13対2 日本体育大学 という2019年の差が埋まらない形ではないかと予想するが、立教大学にはなかったアスリート性を加味すると
NeO 10 対 5 日本体育大学 という最終予想とさせていただきます。
★男子
Stealers 2017年以来の選手権決勝進出
vs
慶應義塾大学 2017年以来の全日本選手権出場。2016年以来の決勝進出。
絶対王者FALCONSを破って、初の日本チャンピオンを目指すStealersだが、ラクロスをご存じの方では周知の、新クラブ創設の影響が大きかった今年のクラブチャンピオンであり、クラブ選手権でも苦しい戦いを強いられた。さらに過去の全日本選手権の出場の中で勝利したのは2017年の準決勝 対 慶應義塾大学 13対11の勝利のみで、2012年慶應義塾大学 2015年日本体育大学 2016年慶應義塾大学 2018年早稲田大学 と準決勝で大学相手に敗退の歴史を持っている。(ただ、過去クラブチームに不利な準決勝の土曜日開催という事情はあったのは事実)逆に言えば、大学側からすると負のイメージの少ないチームである。
対する慶應義塾大学も今期コロナ禍の影響を最も受けた、関東学生リーグで難敵を破って上昇機運にある。さらには2017年の準決勝のリベンジに燃えていそうだと考えると女子とは異なり、かなり接近した試合になりそうだ。ポイントとなるのはStealers 12番田村統馬選手 vs 慶應義塾 33番石井ヴィクトール慶治選手の フェイスオフ対決が五分以上に慶應義塾に傾くと慶應義塾の勝ち方を知る戦いが有利になる可能性が高い。
種々の要素が絡んで、実際の戦い以上に混戦となりそうなこの試合は最終的に
Stealers 7 対 8 慶應義塾大学 の波乱が起きると予想するがいかがだろう?
30年に渡るラクロスの歴史の中で男子学生が全日本選手権を取ったのは1998年の慶應義塾大学以来の事となりそうだが(色々アーカイブスを探しても2003年から2007年の記録をたどれませんでした。間違っていたら済みません。是非どこを見たらよいか教えてください)観客席も慶應義塾大学の応援団で埋まりそうな明日。どのようなドラマが待っているのか。Stealersの初の日本一が見られるのか非常に楽しみな試合になりそうだ。
2021年ラクロス界は2020年に続きコロナ禍の中での戦いを強いられた。しかしながらラクロス界全体の努力によりリーグ戦から、全日本大學選手権、全日本クラブ選手権も開催され今週末昨年開催されなかった、全日本選手権を迎える事となった。唯一3月に行われる予定だった全日本中学高等学校ラクロス選手権の開催が中止になった事は、実質2年半しかない高校ラクロスの集大成の場を失った高校3年生の皆さんにとっては、大変残念な事だったであろう。ただ、そんな中でも既に大学でのラクロスプレイの場を決めた皆さんがおられるのが救いだ。コロナ禍での全国大会の開催に尽力をいただいた関係者の皆様に感謝するとともに、2020年のクライマックスにふさわしい戦いを楽しみたい。
ラクロスって最高!!
こぶ平
次回からは、2021年ラクロスの総括や、「こぶ平のフォーカス」を書いていきます。