こぶ平コラム

【こぶ平コラム】2021年 中高女子ラクロス春季関東大会 代替大会 準決勝レビュー

ー 準決勝2│東京成徳大中高BRAVE YOUTH vs 横浜市立東East Girls

春と言えばこの両チームの決勝戦が一つの名物になっているぐらいのライバル関係であるBY vs EG 今回もそのライバル関係を象徴する激しくも、ハイレベルな試合となった。
両チームのスタイルは異なる。それは学校の成り立ちに関わっていそうだ。BYは中高一貫校であり、EGは高校のみ。それは、BYの選手の多くは中学生から5年以上ラクロスに関わり、ラクロスへの習熟度が高い。(高校から加入した選手も、進化の為のプロセスに乗りやすい)戦術的な理解も高くなっている事を意味する。
方やEGは高校から始めた選手ばかりで長くても2年と少しのラクロス歴となり、ラクロスへの習熟度は相対的に優位性があるわけではない事はお分かりいただけるだろう。従ってEGは勝つ為には習熟度の差を埋め合わせる個の力を磨く必然性が生ずる。その差を埋めわせる個の力が強ければ、習熟度を凌駕するチームが生まれる。それがEGの特徴であり、今年はその個の力がここ数年間でも高い複数の集団となり、中でも33番の選手が突出した技術、特にショットの技術を身に着け、高身長も利した攻撃力は、尚も将来性を感じさせる力を発揮するまでになっていた。
習熟した選手たち(個の実力も高い)の組織力 vs 強さを持ち合わせた高い個の力 の戦いという形になったこの試合。EGの個の力の高さが33番1枚ならBYの敵にはなりえなかったが、3年生の36番55番に4番、71番等の2年生の進化がEGをしてBYの高い力に抗するチームへと押し上げる結果となった。
試合は東京成徳BYのポストショットに始まり、BY20番のDFからの上がりに合わせたショットのゲット。対するEGドローからの33番のサイドから線んたーへの鮮やかなドライブの応酬も、EGのゴール前インサイドを7、22番が制して1Qを制したBY。
2Qに入ると互角の展開。BYが22番のインサイドでの踏ん張りで追加すれば、EGも33,36,55番の3年生セットで、ショットメイクし追い上げる、息も吐かせぬ展開で4対4となった。


3Qに入るとゲームは激しさを増し、当たりも強くなる気配にショットでの不幸な反則等も出て5対5で最後の10分間へ。(ちなみにTeen’s Lacrosseでは1Q 10分の短さです)
4Qでは開始ドローEG33番の個人技が冴え、DFを振り切って決めて5対6リードから始まると、後は両チームの個性がぶつかり合いBYのパスにゴーリー含めた個のDF対応、そしてBY20番の豪快ショットは決まるも又も不幸にも認められずマンダウン。その簡に攻め込んだEGきっちり4-36のLineが繋がり初の2点差をつける展開となった。
その後は、成徳の熱い攻撃をEG必至のDF。残り90秒で、BYの7番のセンターからのショットで迫る。
そして、残り60秒。両チーム120%の攻防は新しいゴールを生まないまま終了。熱すぎる戦いは6対7 横浜市立東高が東京成徳大中高に打ち勝つ形となった。

この一戦。特に横浜東EastGirlsはたった2年ないし1年3か月の間に個のレベルまで達する事ができるものを存分に示したものであり、また東京成徳大中高BRAVE TOUTHの作りこまれたオフェンスの多様性は大学チームすら見習うべきものであることを見せつけた戦いだった。
これにより、決勝戦は 2018年7月から無敗を続ける日大中高AQUA 対 横浜市立東EastGirlsの対戦となり、EGは秋のリーグ戦での敗戦からの巻き返しを期する舞台についにたどり着いた。

こぶ平

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