【こぶ平コラム】2017年ラクロス振り返り③|クラブラクロス男子編
2018年東京近郊は初の積雪で、瀕死の週初めとなりました。
でもラクロス2018の始動は続いていますね。関東のクラブチームも続々と始動しています。
昨年のクラブラクロス振り返り2。関東クラブラクロスと選手権、これからのクラブラクロスについて少しお話をさせて下さい。きっとクラブチームの皆さんは異なる意見をおもちだと思います。ただ、これからを考えるきっかけになればよいと思って書かせていただきました。
前回書きましたが、昨年のクラブラクロスの焦点は
・男子ラクロスはFALCONSさんの10年連続日本一
・女子ラクロスは初のクラブチャンピオンNeOを中心に日本一の奪還
でした。
そして2017を総括すると
・男子はFALCONSが全日本選手権10連覇を達成。
・女子はNeOがクラブ2連覇を果たすも、全日本選手権優勝を奪還できなかった。
という結果でした。
これは、観客として、又ラクロスの進化という点で見ると、逆の結果を望んでいる向きも多かったのではないでしょうか?
つまり、
・男子FALCONS 全日本選手権10連覇ならず
・女子クラブ 学生から覇権を取り戻す
ということですね。
(なお、これはFALCONSさんの偉業を評価しないとか、慶應義塾さんの日本一を評価しないとか言う事ではありません。どうかそこのところはご理解下さい。)
詳細を振り返ります。
先ずは、東日本クラブリーグの現状から
昨年、2017年女子はMspiritsというチームが増えました。2014年のNeO以来の加入で、企業がサポートをする初のチーム(いわゆる実業団チームに近い形)の参加という新たな時代に入りました。
NeOは当時の日本代表を多く含むチームであったのですが、Mspiritsは関東ユースやU22クラスの選手を含むチームとして、関東2部のファイナルまで進出しました。1点差で2部総合優勝を逃したものの、ポテンシャルの高さを感じさせるチームの参加はクラブ間の戦いをより厳しいものにしています。
2012年までの実質1部5強時代から、2013年3部制から2部制への移行&1部6チーム時代へ変わり、ORCADEAを加えた6強で日本をリードする体制から2014年のNeOの加盟は既存のチームへ、強い波風を立てるものとなりました。
6強から1チームが2部へ降格する時代に突入したのです。恐らく2013年の2部制への以降は、男子同様のチャンピオンリーグ制への以降の布石だったのかも知れません。
結果的に、日本一を目指すチームと、昇格すら望まないクラブとの共存が続く形が継続されています。この功罪については、後述します。
男子は、チャンピオンリーグが2部制となり、接近した試合が多くなり試合の緊迫感が増してきたのは事実であり、2部からの下刻上も十分に起こり得る事は1昨年のVIKINNGSの総合2位で証明され面白いリーグ戦に変わってきています。
そういった中で、FALCONSが選手の流入流出を繰り返しながら、リーグ戦クラブ選手権7連覇、全日本選手権10連覇を成し遂げた理由は何でしょう?
・飽くなき、技術、戦術、体力への探求心。
・探求し続ける覚悟を持っている。
・運営スタッフのマネージメント力
の3つを上げたい。
昨年、FALCONSには目立った選手の移動はありませんでした。1昨年同様のUS遠征があったのかは不明ですが、それでも進化を遂げています。
①飽くなき探求心。これは、大学や他のクラブチームも持ち合わせている物でしょ う!?恐らくその度合い、その強さが高く、達成の目標の高さが異なるのだと思います。
②実現できる目標設定の高さと、それを達成するまでの妥協の無さは、覚悟の現れであり、結局その覚悟の強さが比類ない領域にまで達しているのだと思います。それを、どのようにして維持をされているのか大変気になります。
③運営スタッフのマネージメント力に関しては、よく、観客席でVideoを回す方がそのまま、ゼネラルマネージャーであるようなチームがチームを鼓舞し、又叱咤しながら、ゲームしやすい環境を選手の皆さんに提供をされているのでしょう。ひいては、高いモチベーションの維持を演出されているのかもしれません。
結局、FALCONSを破る為には、はるかに超えるパフォーマンスレベルに達しないとだめなのでしょうが、FALCONSを越える高さは、越えてみないと分からない。つまり、FALCONSを越えられるとしっかり確認できるのはFALCONSだけという状態が続いて来たように思います。それが10連覇の根源ではないでしょうか?
しかし、昨年2017年は、Stealersが非常に接近した年だと思われます。何が足りなかったのか、当事者がその差をしっかりわかっているのならこの先変化が起こる。
素人観客感覚で述べさせていただくなら、FALCONS 松下選手を凌駕するような、決定的強力シューター、幅広いプレーができる砂川選手を越えるLMFのような、制約を受けながらも局面を変えられる選手の数の差だったように思っています。実際には決勝戦では、細かなミスが多かったStealersに、最後のスペシャルプレーの応酬で、決めきった差が最後まで埋まらなかった。最後10秒からのリスタートで決めきる力というのは、チーム力の差だったのでは無いでしょうか?結果としては4Qに攻め立てるも、相手のゴーリーの働きにあったので勝ちを逃したと見ていると、差は埋まらないと思うのですが。
では、StealersだけがFALCONSとの対抗になり得るのかと言えば、今年1部に戻るAdvance HangLooseの個性は際立つものがあります。途中加盟Kinori選手のショット力は、やはり日本人には無いものです。全体として、妥協の無い意識の共有により、伸長の余地が大きいチームのように思います。
全体的な、クラブへの選手の流入が少ない事は。前回書きました。ある意味関東地区クラブラクロスを見ると選手の流入は他の地区よりは多いのでしょう。特に男子の場合女子より流入の率も高いかもしれません。しかも、燃え尽きるといった感情を持つ選手が少ないのも男子の特徴でしょう。
だからこそ、続けた選手はクラブでさらに個の力を磨いて、少なくともFALCONSと互角に戦うリーグがチャンピオンリーグであって欲しいし、関西、東海、中四国九州のクラブチームはがむしゃらに鍛えないと、全日本選手権への出場は難しいままになってしまいます。
男子は、今年イスラエルで世界選手権(私は敢てWorld Cupと称していますが)が開催されます。目標はファイナル4のようですが、クラブ中心に更なる、個の磨きが無ければ、開催国のイスラエルにファイナル4の座も取られてしまいます。
AdvanceのKinori選手のショットが日本人離れとか書きましたが、この選手もNCAAチームですらなく、もっともっと凄いプレーヤーが多くいる事を考えれば、クラブで鍛え上げないと、プールAへの進出は勿論、下位プールNo1の座すらも奪えなくなる可能性すら見えてきています。クラブチームの進化が必須です。
女子については、全日本選手権の決勝までの事を書き込むにはページが足りないようです。
次回にまわさせていただきます。 が、ここだけは繋ぎとして、関東のクラブチームでも、選手の母数からすれば学生からの流入率が多いとは言えない、いわば誤差の世界であることは間違いありません。
それは、1部2部3部4部所属云々の違いはあまりなさそうです。女子はむしろ学生1部リーグに所属をしていた選手の流入率が少なかったのかもしれません。
お話を聞くと、燃え尽き感や、仕事に入ってから戻ろうとも思ったが、中々あの「自分達で全てをし切り、実行し続けるパワーを維持できない」と非常にまっとうな理由を述べる方が多いのです。
関東地区クラブラクロス女子の現状と、今後の課題?とについての振り返りは次回です。
こぶ平