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【ラクロス団体コラム】U-15 LACROSSE ACADEMY JAPAN コラム

今回は今年4月にスタートしたU-15クラブチームのコンセプト・方針についてです。

アカデミーでは理念の大きな柱の1つとしてクリエイティビティの育成を掲げています。20年、30年前よりはだいぶ変わってきていると思いますが、あくまで一般論として日本人は協調性に優れた国民性があり、人と違うことをする事を避ける傾向があると思います。それは学校教育やスポーツ指導の中でも多く見られ(またそういった教育により、そのような精神性が浸透していると思いますが)、意識している・していないに関わらず、謂わゆる軍隊式が色濃く残っている指導が行われて来たのではないでしょうか。

そういった風土・カルチャーの中で、相手の逆をつく、裏をかく発想などはなかなか生まれにくく、例えば(局面が随時変化していくラクロスと同じフィールド競技である)サッカーのトップレベルで海外コーチが「日本人は言われた事はきっちりできるが、『応用力がない』」と良く耳にするのはそういった国民性が影響していると感じます。

少し横道に逸れますが、私が驚いたのは高校野球では「隠し球」が実質的に禁止状態になっていると聞いた時です。理由は「遅延に繋がる」という事もあると聞きますが、道徳的に反するという事のようです。全く「スポーツマンシップ」と「意表をつくプレー」を混同していると言わざるを得ません。ご存知の方も多いと思いますが、隠し球というのは相手ランナーの動きや目線までも良く観察し、ピッチャーもボールを受け取ったように見せる演技が必要であり、しっかり頭を使ったプレーであり、こういったプレーを反道徳的としてしまう事は、高いレベルではより注意力・思考力が大きな差となる野球少年の将来にとっても大きなマイナスではないでしょうか。

但し、隠し球が成功した時の振る舞いは気をつけなければならならないと思います。上手く決まったからといって相手をバカにするような喜び方やベンチなども必要以上に大声を出すなどは避けなければなりません。ここは「スポーツマンシップ」の領域です。こういった裏をかく頭脳プレーとスポーツマンシップ欠如の混同といった全体の風潮がそういったクリエイティビティを阻害する流れに繋がっていると感じます。

勿論、クリエイティブなプレーというのは野球の隠し球のような(マジックのような)奇抜なプレーだけを指すものではなく、ラクロスで頻繁に行われる1on1の走るコース取りやパスの1つとっても発揮できるものです。小さな事でもしっかり相手の状況、試合の展開を把握して、「それに応じて」少しでもプラスに働くプレーはクリエイティブです。全ての選手のその良い部分を認めてあげる事が重要と考えています。そして遊び心。システマティックな練習が必ずしも良い訳ではない事は、サッカーやバスケットボールでスーパースターになっている多数の選手が子供の頃、ストリートでの型にはまらない遊びのプレーからその能力を開花している事からも分かります。遊び心がある選手は相手や状況を良く見ています。ですので、逆に例えば2−1ブレイクでボールキャリアにDFが来ているのにフリーの味方にパスを出さないようなプレーは仮にシュートが決まってもあまり評価していません。(敢えて打ったという説得力のある理由があれば別ですが)

それと全般的にポゼッションOF時にシュートの早打ちが多いと感じています。DFを崩していない状態で確率の低いシュートをすぐ打ってしまいがちです。一般的に、特に若い世代はゴールへの積極性を良しとする風潮が多いと感じますが、(小学低学年は別としても)私はU15世代であれば、しっかり「崩す必要性」を重要視すべきと考えています。ジュニア期からその判断センスは磨いていくべきと思っています。上記に書いた1人1人が「小さなクリエイティブ」を発揮しながら、少しずつDFのギャップを大きくしていき、相手レベルによりますが、しっかりフリーを作った状態で確率の高いシュートを打つ。そういったチームを目指しています。また相手のレベルが高くなれば、そういった攻めができなければ、なかなか通用しないものです。今後も楽しむことをベースにクリエイティビティをどんどん成長させてあげたいと考えています。

(続いて以下、サポートコーチの中村コーチのコラムです)
私が指導者として意識していることは、大きく分けて3つあります。

① 「自身をより上手にコントロールするための実験の場」と伝え続けること

「失敗は、成功のもと」とよく耳にしますが、失敗するのは怖いです。日本語の「失敗」という言葉は、マイナスに捉えてしまう場合も少なくないです。しかし、私は、「失敗」を不具合が発見できる機会と捉えています。似ているところでいうと「実験」です。選手には、ラクロスを行う場を「実験の場」として活用して欲しいと考えて声かけをしています。

② 挑戦していたら承認し、促進すること

選手が意図的に挑戦している場面を見つけたら、即賞賛します。そうすると、選手は挑戦を何度も繰り返せるようになります。周りの選手もそれに感化され、挑戦があたり前の空間になります。ここでの活動を通して、挑戦をすることがスタンダートになってほしいと思っています。

③ 選手の成長する能力を信じること

人は、自ら成長する力を持っています。そこで1番大事なのは、大人が思う答えを押し付けないこと。もちろん、スポーツやボールゲーム、ラクロスの原理原則は伝えます。その上で、見本を見せたり、挑戦しやすい環境を整えたり、問いかけを行うことをメインに自身の力で成長するサポートをしています。
Lacrosse Academy Japanの活動を通じて、選手の皆さんには自己成長が楽しいと思えるきっかけになればいいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

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