【HOW I COACH】飯塚 菜々恵 ーNanae Iizukaー
ラクロスのコーチにインタビューをする企画【HOW I COACH】。今回はキッズラクロスのコーチをしている飯塚 菜々恵さんにお話を伺いました。
2013年の女子日本代表選手でW杯にも出場されており、昨年まで現役の選手としてFUSION LACROSSE CLUBで活躍していた飯塚 菜々恵さん。現在はキッズラクロスのコーチに専念されています。
そんな飯塚 菜々恵さんのコーチ論、是非ご覧ください。
飯塚 菜々恵さんの紹介とラクロス歴
お名前: 飯塚 菜々恵
プレー歴
■大学:立教大学 2008年〜2011年、
■クラブチーム:FUSION 2012年〜2016年
【代表経験】
■2011年U22日本代表(ASPAC優勝)
■2012年~2013年 日本代表(2013年W杯出場)
コーチ歴
小学生や中学生を対象としたキッズラクロスクラブのコーチをやっています。定期指導チームに加え、イベント等でラクロス体験会を実施しています。
▼定期指導チーム
・世田谷MAGPIES
・多摩キッズラクロスクラブ(En-sports)
・BABY LAX
▼イベント実績
・YAMATO ALL SPORTS FESTA
・町田ゼルビア タッチラグビースクール
・新宿区スポーツ環境推進プロジェクト
・ライスボウル(フットボールパーク) など
飯塚 菜々恵コーチへインタビュー
現在お仕事はどのようなことをされていますか?
ベネッセコーポレーションで小学生向け通信教育の「進研ゼミ」に関わる仕事をしています。
平日の練習は仕事を定時で切り上げて参加しています。上司や先輩が応援してくださっていて、嫌な顔せずに送り出してくださるので本当にありがたいです。仕事では子供達の発達段階や教育を理論で学び、ラクロスで実際の子供達と触れ合うことができているので両方が相乗効果を発揮できています。
コーチを始めたきっかけを教えてください
2013年にW杯に出場したことがきっかけです。
日本代表としてW杯に行ったとき、海外のトップ選手とのレベルの差に大きすぎる壁を感じました。その時、会場で2、3歳の子供がクロスを引きずりながら持っている風景を見て、日本とはあまりに文化が違うなと感じました。
そうした世界の現実を見て帰国した日本で、学生時代からずっと指導をしてくださっていたヘッドコーチの方にW杯の報告をしたら、コーチから「W杯に行って終わりではない。これからがスタートであり、行った責任を果たすべきだよ」と言われました。この言葉で、私なりに日本のラクロス界にもっと貢献していこうと決意しました。
そのために何をすべきかと考えた時、W杯で見た光景がよみがえり、この先のW杯で日本がメダルを獲るためにできることを長い目で考えていきたいと思いました。結果、底辺のラクロス人口を増やして、子供達が数十年後のW杯で結果を残すために活動を始めました。
コーチをしているチームへはどの程度の頻度で参加されていますか?
チームによって異なり、週1回のところから月1回のところまで様々です。
コーチの面白さを教えてください
やはり一人一人の成長を一番近くで感じられるところですかね。
どんなに小さなことでもできなかったことができるようになった瞬間を一番近くで見られることはとても嬉しいですし、子供達の笑顔がやりがいになります。子供なので、できたら素直に全力で自慢するので、一緒に喜ぶことができ本当に楽しませてもらっています。
コーチの大変さを教えてください
【HOW I COACHインタビュー】の他のコーチの皆さんと違って、対象が小中学生なのでちょっと違うかもしれませんが、わかりやすい言葉で伝えることが難しいです。どうしても抽象的になってしまう表現も噛み砕いて一つ一つ丁寧に伝えることが本当に難しくて未だにできません。(笑)うまく言葉にできないときは、乱暴ですが一緒にプレーするのが一番だなと思っています(笑)
あとは、飽きないようにすることですかね。結構飽きるのが早いので・・・たくさんメニューを組んで常に楽しめるように、そんな中でも気づきを得られるように考えます。一筋縄ではいかないので難しいです。
コーチをする上で大事にしていることを教えてください
一番は、とにかく楽しむことです。ラクロスが楽しいと感じてもらえることが一番なので、まずは元気に明るくみんなでラクロスを楽しむことを大切にしています。
それ以外に大事にしていることは、「結果ではなくプロセスをほめること」「答えではなく気づきを与えること」を大事にしています。
結果だけをほめてしまうと、どうしても挑戦心が失われて伸びなくなってしまうと思っています。どんなに小さなことでも子供達が挑戦したり、いい動きをしていたりした時は見逃さずに、なるべくプロセスをほめるよう努力しています。結果は、ほめるのではなく一緒に喜びます。
また、答えを与えるのは簡単なのですが、なるべく自分で考えて気づくことができるようにしたいなと思っています。もちろんベースの基礎力がないとできないので、バランスは難しいですが、小さいうちから自分で考える癖をつけられるようにサポートしたいなという理想です。
コーチとしての目標・理想とするコーチ像を教えてください
目標は日本の底辺のラクロス人口を増やして、教えている子達がラクロスW杯で結果を出せるようにすることです。
それから、ラクロスをずっと続けなかったとしても、自分なりの夢や目標をもって世界を広げ、勇往邁進できる人になってほしいと思っています。そのための気づきやパッションを与えられるコーチになれたら理想だなと思います。(まだまだ未熟ですね・・・。)
お気に入りのコーチグッズを教えてください
ホイッスルです。W杯の時に抱いた初心を忘れないようW杯の時に配られたネックストラップをずっと使用しています。最近はこのネックストラップからホイッスルだけが落ちるので、保護者の皆さんに一緒に探していただく等、迷惑をかけていますが・・・(笑)
最後にラクロスプラスを見ている方へメッセージをお願いします!
ラクロス界で有名な「lacrosse makes friends」という言葉がありますが、本当にすごい文化だなといつも思います。私自身、新しいコミュニティに入ったとき、人間関係作りを支えてくれたのはいつも好きなことや特技だったと思っています。好きなことや特技を使って自分らしさを出しながらコミュニケーションすることで、新しい世界を広げることができます。
これは、大人も子供も、ラクロッサーもそうでない方も、みんな共通だと思います。
ラクロスプラスをご覧の皆さんは、ラクロスが大好きな人もいれば、興味を持ち始めたばかりの人、たまたま目に留まる記事があった人など様々だと思いますが、ぜひラクロスプラスを通してラクロスをもっと知り、もっともっとファンになってほしいと思います。ラクロスプラスを端から端まで見ればすぐにラクロスマニアになれると思います!
大人も子供も、ラクロッサーもそうでない方も、様々な形でラクロスのファンになり、ラクロスを通してコミュニティを広げ、ぜひ世界中に輪を作っていきましょう!!
長くなりましたが、閲読いただき誠にありがとうございました。
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飯塚さんは世界との壁を感じた理由がきっかけでキッズラクロスのコーチをやるようになったんですね。
日本ではまだまだキッズラクロスは発展途上ですが、実はでも今ではキッズがラクロスをできる場所は徐々に増えつつあります。
これからキッズがラクロスをできる場所がもっと増えるといいですね!
それでは次回のコーチインタビューをお楽しみに!
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