【Staff Spotlight】伊藤顕司さん|一橋大学男子
今注目のチームスタッフを紹介するStaff Spotlight!
今回は、チームと向き合い、一橋男子の応援という文化の創造に力を尽くした熱いスタッフ!この方です!!
伊藤顕司さん|一橋大学男子
【名前】伊藤顕司
【所属】一橋男子ラクロス部
【ポジション】TR
【ラクロス中に呼ばれる名前】けんじ、いとけん
【出身地】東京
【仕事・アルバイト】特になし
【ラクロス部のスタッフを始める前まで入部していた部活とポジション】
サッカー部、GK
2年の頭までロング
【ラクロス部に入ったきっかけ】
浪人で大学に入ったら高校の同期がラクロス部にいたからです
【スタッフとして力をいれていたこと】
TRの他に、応援班長というスタンドの応援を取り仕切る役職についていました。
かつて部には全員で選手を応援する風潮がありませんでした。
数人の応援班員が応援しますが、残りのメンバーは乗っからずボソボソというか言わないか程度の状況でした。
3年次に自分に仕切りが回ってきた時にも同様で最初は全く上手くいかず、その上でチームにアンケートを取ったところ応援で声も出していないくせに不満の嵐。腹が立って応援改革を決意しました。目標はサッカーのゴール裏のような、サポーターが一体となって選手を大声援で後押しして勢いを作るあの風景です。
まず応援班の人数を増やし、人を巻き込みやすい状況を作りました。その上でチャントを増やして応援練習を重ね、全員で応援するのが当たり前という環境を少しずつ整えて行きました。
少しずつ手応えが出てきたためAチームの4年生と主力3年生の個人チャントを作成、リーグ戦に望みました。
様々な人から応援よかったよと言われ、中でも
FINAL4に進出した時に当時の主将から
「俺がフィールド、お前がスタンドにいればこのチームは最強」
と言われ、惚れました。
応援は選手の力になると実感した瞬間です。
4年次は応援部と密にコミュニケーションをとり一体化することで応援の規模を拡大し、全体チャントを増やし、個人チャントもAチーム全員分作成して幅を広げました。更に3年次課題だったOB保護者の巻き込みを克服するべく、SNSでのよりわかりやすい宣伝と集客試合ではわかりやすい応援をメインに使うという2点の工夫をしました。
曲も多く、難しいものもあった中で、試合後のアンケートで応援を褒めていただく声もいただきました。
応援楽しいと言ってくれる人もかなりいて、改革も一定の成果は得られたかなと思います。
一方で、チーム内では曲が難しいとか多いとかいう不満がありましたが、自分としては
「フィールド、ベンチの選手スタッフが80分死力を尽くすのに対し、数十曲覚えて80分声を出し続けるくらい造作もないし、それくらいやらないと共に闘っているとは言えない」
という信念があり、貫きました。
結局チームは勝てなかったので、「勝たせる応援をする」という一番大事な目標は果たせず、失敗に終わりました。
リーグ戦後、無力感でいっぱいでした。
そういう意味ではリーグ戦最終戦で戦った明治大学の応援は最高で、
仕切りなどなく誰からともなく応援を始め、選手のために楽しく声を出し続け、チームを勝たせていました。
自分の「応援を当たり前にする」なんていう前提、それに伴う改革が必要なく、アホらしくなりました。
彼らの応援は純粋ですごく羨ましかったです。
応援はチームにとって大きな武器だと思っているので、一橋は強くて最高に気持ちいい応援をするチームという印象が今後根付いて行くと最高に嬉しいです。
【スタッフとしての特技】
厳しいメニューに取り組む選手に対して、モチベーションの上がる声かけをすること。
考えて、メニューでやってることとラクロスを結びつけること
(選手からどう評価されてたかはわかりませんが笑)
【スタッフとして大事にしていること】
スタッフではなく11人目の選手として、チームが勝つために全力を尽くすこと。
組織の中でくくりをつくらないこと
【マネバッグの中身を教えてください】
捨てちゃったので写真はなく、覚えてる限りですが
ハサミ、ライター、絆創膏、ガーゼ、マキロン、笛、ホワイト、ティア、ティッシュ
くらいだと思います。
LACROSSE PLUSをみている人に一言
平素より一橋男子ラクロス部を応援してくださっている方々ありがとうございます。
昨年度弊部は昇格以来初の入れ替え戦に進み、最も結果を出せなかった代となりました。
選手、スタッフ、組織力全ての未熟さが招いた結果だと思っており、その組織の一員である自分がこのような機会をいただくのは大変恐縮です。
しかし後輩たちのためになればと思い、書かせていただきます。
TRとしての解剖学やフィジカル、メディカルの知識は2年程度しか勉強していない自分が語るのはおこがましく、後輩たちは自分たちより更に高いレベルを求めているはずなので触れません。
自分は組織について触れたいと思います。
自分は選手、スタッフという括りが大嫌いです。
勝利を求める団体にいる以上、そんな括りに関係なく全員がチームが勝つためにベストを尽くすべきで、選手のために動くとかそんな小さなことを考えていても結果は出ません。
練習内では、スタッフは役割+チームのためにできる何かを全力でし、選手はプレーで勝つべく一つ一つの練習、メニュー、プレーに全力を注ぐ。
練習外では全員が組織のために自分ができる何かをする。
試合では試合に出る人、ベンチにいる人、スタンドにいる人でそれぞれプレー、サポート、運営、応援など一人一人に役割がありそれを、それ以上を全うする。チームメイトに観客は1人もいりません。
これがあるべき姿です。
そこで大事なのは個々人の主体性です。
部のすべてのことを自分のこととして捉え、考え関与し、自分にできる何かを探して行動する。
プレー内外、練習内外でもそうすることで、互いを高め合い、プレーも組織も質が向上する。
その質が日本一なら目標に手が届きます。
自分はこれを自覚し全力を尽くしているつもりでしたが、自分にもチームにも「求め合う」ことが足りていませんでした。
個々人の主体性を引き出すのは、組織への愛です。しかし、個々が組織を愛すには組織が一人一人を大切にする必要があります。
後輩たちが、「自分ゴト化」というワードを出して組織を変える動きを始めたことをすごく嬉しく思っており、
ぜひ一人一人が組織のために考えて動けるような組織になってくれればと思います。
一橋は万年3位というマンネリを抜け、FINAL4進出と入れ替え戦という大きな波を経験してきました。
後輩たちにはこの波をプラスのバネとして日本一に向けて大きく飛躍して行ってほしいと思います。
しかし、引退後の練習を見ていてもまだまだ「自分ゴト化」の実行に激しく温度差が見られます。
上記の話は部に向けて何度か発信していますが、全然伝わりきっていません。
後輩たちが日本一を獲るために、最弱世代を見せてしまった自分ができるのはお節介でもなんでも自分たちの無力さとその原因を伝え続けることかと思います。
今上を目指し日々試行錯誤してチャレンジを続けている後輩たちを、是非温かく見守っていただければ幸いです。
最後に私事ですが
自分は膝の怪我を経て2年からTRに転向しました。
TRになった事で視野が広がり、尊敬する先輩に高みに引き上げてもらい、大きな成長を実感しました。(親から膝怪我してよかったねと言われるほど笑)
自分のTR転向の相談に乗ってくれた方、選手を続けようと言ってくれた同期、快く受け入れてくれたTR組織
そして自分に大きな成長を与えてくれた一橋男子ラクロス部、チームスタッフ、TRという存在そのものに心から感謝の気持ちを述べ、締めたいと思います。
以上駄文を最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
Staff Spotlightでの紹介スタッフ一覧
1)田中 咲智さん|明治大学(女子ラクロス)
2)畑 香穂さん|明治学院大学(女子ラクロス)
3)中島 しずくさん|成蹊大学(女子ラクロス)
4)平澤 茉由さん|中央大学(女子ラクロス)
5)中村 直香さん|FUSION
6)酒井 あゆみさん|関西学院大学(女子ラクロス)
7)渡部 桜さん|国士舘大学(男子ラクロス)
8)木下 結理さん|南山大学(女子ラクロス)
9)山口 千絵さん|東京大学(女子ラクロス)
10)大坪 真歩さん|関西学院大学(女子ラクロス)
11)櫻井 祐希奈さん|京都大学(男子ラクロス)
12)吉富 晃也さん|一橋大学(男子ラクロス)
13)光安 由佳さん|九州大学(男子ラクロス)
14)岡崎 真子さん|北九州市立大学(男子ラクロス)
15)松田(川合) 陽子さん|NeO
16)笠川美沙紀さん|Toy
次回のStaff Spotlightもお楽しみに!