【データで語るラクロス #3】分析班・アナライジングスタッフがやるべきこととは?
ー ラクプラ 小野寺:
ラクロスの分析って結構時間も労力も使い、コーチがそこまで入り込めないって言うチームがたくさんあると思うんですけど、まだ分析班がないチームでこれから学生だけで分析班をしっかり立ち上げるとしたら、その分析班は何からスタートしたらいいと思いますか?
ー 長妻さん:
とにかくラクロスの試合や動画を見て、自分の中でのラクロスという “ボールゲームの概念” を作っていくこと。
いろんなチームのラクロスを見てみて、自分のチームと比較して「自分のチームならどんなラクロスができそうか」「どんなチームなら目標を達成できそうか」という 勝ち筋のイメージを作っていくことが重要 かと思います。
それができたら、そのラクロスのために重要な指標を設計していく作業をしてみる。指標を設計したら、自チームの実際の数字をとってみて指標の妥当性を確認したり、どうすればその指標に近づいていけるのかを試行錯誤していく。それを繰り返していく作業がまず大事だと思います。「この数字とこの数字は比例関係だな・相反関係だな」と気づけると、実は「この数字が上がると相手のこの数字下がるな」とかの数字同士の相互関係がわかってきてたり、「この数字上げるためにはこんな技術が必要だなと」か仮説を立てて、その習得のためにメニューに要素を落とし込んでいく等、徐々にできることが多くなってくるし、自分達が行ったことがチームの成果に反映されるのを手触り感で感じれるようになってくると思います。
なんとなく数字をとっても、何のためにという、向かうべきゴールのイメージができてなかったり、その数字をどう使ってチームを導いていくかというスキルを伸ばさないと、結局数字を取って終わってしまうので、『勝ち筋のイメージを作っていく』ことをやっていくのがいいのではないかともいます。
ー 柴田(しゅん)さん:
長妻さんが言っていることに加えて、自分たちの練習試合を色々な角度から分析してみるといいと思います。
例えば、チームの目標が「10得点とる」ということだったとします。そのために ①シュート20本以上、②クリアー成功率8割という2つの軸があったとすると、それぞれに対してシュート率とクリアー成功率だけをとっていても改善されないですよね。
シュートをとってみて、現状が10本なら、なぜそれが10本になってしまっているのか考えてみる。それでそこに仮説を立ててデータでとってみる。例えばポゼッション回数がそもそも少ないのでは?と思うならポゼッションがどのくらいなのかとればいい。例えばセットオフェンスの中でシュートが少ないと感じるならセットの中でのシュートをいくつかのパターン(1on1,カットイン、FSなど)に分けてみてもいい。
それで仮に相手が30回ポゼッションしていて、自分たちは15回しかしてないとわかったなら、どうすればポゼッションが5分の試合をできるか考えることがシュートを増やすことへの最短ルートかもしれない。
長妻さんもおっしゃっている通り、「何のためにデータをとるのか」を理解していることが大前提で、例の場合だと「10得点をとる」そのために「20本シュートを打つ」が目的。そのためにいま何が足りてないかを決めつけずに色々な原因を考えて、そこを深堀りしてデータ分析してみるというのが大切かなと思います。
ー ラクプラ 小野寺:
まずはそのチームにあった正しいデータをとってみて、そこからがスタートですね!そのチームのデータがある上で「チームがどう勝ちたいのか」「それに対して現状どうなのか」の、その “どう” というのはチームにより違うし、解決方法の選択肢はたくさんあると。その中から何からチームで取り組んでいったらいいかをみるには、一番チームの勝利に対して費用対効果が高いところから取り組んでいく、といったような流れですかね!
しゅんさん長妻さん、この度は長年データを元にラクロスを考えてこられたお二人の視点での “データで語るラクロス” のお話し、ありがとうございました!
お二人にデータで語るラクロス関連での質問がありましたら ラクプラLINE よりご連絡ください!