桐蔭学園高等学校(SERAPHS)

【中高ラクロス】第13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会 5位決定戦レポート|目白研心中学高等学校 対 桐蔭学園高等学校

13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会 3日目 5位決定戦の模様をまとめてみました。現在の中学高校ラクロスの位置がお伝えできれば幸いです。(以下校名は略称です)

5位決定戦
目白研心中学高等学校(
WHITE EYES) 4 対 5 桐蔭学園高等学校(SERAPHS

【第5位】桐蔭学園高等学校
【第6位】目白研心中学高等学校

関東でも3年以上に渡り、春、秋の大会でBest8、4を決める戦いでぶつかり合ってきた、ライバルと言える両チーム。昨年秋の全国大会出場権を賭けた関東秋季大会の準々決勝でも激突し、その時は6対3目白研心が勝利し秋の大会での全国大会の出場権を獲得した。初めて東日本4位として全国大会に出場し、2020年には果たせなかった全国大会初勝利を挙げて意気の上がる目白研心に対し、秋の雪辱を期して集中力を高めて臨んだ桐蔭学園の試合。

この試合のポイントは、お互いの手の内を知り尽くした両チームの間にあった、スタート時点でのチームの集中力の差にあったと考えられる。

5位決定戦ゲームレポート

ここ数年の対戦成績で、有利なポジションにいた目白研心に対して、ゴーリー中心の守り優先から受けに回ることが多かった桐蔭学園が、試合開始早々から魅せた。ドローに強さを見せる目白研心16に対して体格的には劣勢の桐蔭学園45がドローで相手のコントロールを許さずダウンボールに集中した桐蔭学園の繋ぎから相手ゴールサイド29のスクープからセンターの45へ返してダイレクトショットを決めるまでわずかな時間。その後も10ゴーリー中心に積極的なディフェンスで攻撃を狙う桐蔭学園に対し、秋には成功したターンオーバーからのロングパス&速攻を狙う目白研心。その目白研心の攻撃に確実に対応を深めてフリーでショットを許さない桐蔭学園は、1Q 8分にも30番のセンターからのドライブが奏功。目白研心のお株を奪う力強さを見せ 0 と1Qを桐蔭学園リードで終えると、2Q終了前に得意の速攻で17に得点を奪われるまで終始ゲームをコントロールした桐蔭学園が29番のドライブで追加点を挙げ 13 とリードしたまま前半を終了した。目白研心は想定外の相手のプレッシャーに押し込まれプレーが単調になったところを狙われる悪循環に陥った様に見えた前半だった。

ボールキャリア:目白研心中学高等学校(WHITE EYES)

ボールキャリア:目白研心中学高等学校(WHITE EYES)

それでも2Q終了前に1点を返し、一息ついた目白研心はインターバルを利用し自分たちの本来の姿を取り戻すべく強いプレッシャーを掛けに行くが、逆に行き過ぎたプレーからマンダウンを喫し桐蔭学園30番にフリーシュートからの展開を決められ 1対4。その後はパワープレーから6番のフリーシュートで1点は返したものの、桐蔭学園30番のドローからの速攻を決められ 2対5 と目白研心はペースをつかめぬまま3Qも終了した。

ボールキャリア:桐蔭学園高等学校(SERAPHS)

ボールキャリア:桐蔭学園高等学校(SERAPHS)

4Q開始直後も桐蔭学園の果敢なアタックにさらされるが、3分過ぎ目白研心エース16番の真骨頂であるゴール前での強さが発揮されステップインからのブレイクで得点を上げると、桐蔭学園ディフェンスの注意を引き付け始める。その後の6分間は目白研心のターンの連続。6分過ぎには6番のフリーシュートも決まり4対5と完全に目白研心がペースを引き寄せた。しかし3点差を埋めきるまでには時間が少なかった。ゴーリー10番の確実な指示でボールを確実にコントロールしきった桐蔭学園が凌ぎ切り秋の雪辱を果たした。

桐蔭学園の集中力の高さと、どんなに押し込まれても落ち着いて対応するチーム力の高さが勝利への鍵だった。負けた目白研心中高もやはり16番17番を中心にしたドライブ力には見るべきものがあった。しかし、全国大会を勝ち抜き関東でもTop3を目指す為には、戦術面での引き出しの多さ、選手全員・チーム全体でのラクロスの戦術の理解の進化が求められると感じさせられた一戦だった。

 

レポート:こぶ平

写真:梅田朗江

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