【こぶ平コラム】2021年春高校ラクロス女子の時代が一つの節目を迎えた
2020年の2月からの、COVID-19災厄による競技の自粛から1年半、実は今年3年生を迎えた世代が歴代のTeen’sレベルを凌駕する史上最高レベルだった事を、ラクロスファンにご覧いただけなかったのはとても残念なことだった。
最高世代のラクロスの総括を迎えた春のTeen’sラクロスを、2019年春からの振り返りも交えて書き綴る。
Teen’sラクロスは、大学と比べると数は少ないが、恐らくU-18のレベルだと世界と、USともかなり戦えるレベルにあることはあまり知られていない。実際USでは大学へ進学する前は、年間を通じてラクロスに集中する環境ではない場合も多い。他のスポーツとの兼任も多い。しかし、日本ではラクロス部のある高校は1年間を通じてラクロスの練習に集中するので、技術的なものが相対的に高くなる。ましてや中高一貫校のラクロス部になると5年以上もラクロスにいそしむわけで、外国の10年分の経験を積んでいる`といっても過言でない。
そんな、日本のTeen’sラクロスが大きく変わったと感じるのは2018年春からの事かもしれない。
2018年3月の全国大会で京都の同志社高校が久々の優勝をすると、全国大会で後塵を拝した日本大学中高は2018年春のリーグ戦で3位に終わったが、世代交代が上手く進み、ラクロスのコーチングシステム自体が変更されたと考えられる。そこから始まったのが”Teen’s Lacrosse Renaissance ”と(勝手に)名付けた変化だ。実際に、日本大学中高AQUAの無敗記録は、2018年春の3位決定戦 対埼玉県立伊奈学園総合高校との戦いに勝利してから今に至るまで続いて来た。
その理由については別のコラムにするつもりだが、2018年秋のリーグ戦で無敗で優勝を果たしたAQUAが、他校に与えた影響は大きかったと考える。打倒AQUAを目指すうえで、色々な戦術を考えなおすだけではなく、練習方法に至るまで進化が及んだ。そこに多くのタレントが集い、全体としての進化が加速した。その集大成がこの関東の2021年春季特別リーグ戦であった。
都道府県により緊急事態宣言が出ていたり、出なかった県もある中、始まった2021年春の特別リーグ戦は前回のコラムでお伝えした通り、3年生の早期引退のチームもありつつ、決勝トーナメントに進出したチームの中において、無敗を続ける日大中高AQUAは昨年秋までの戦いをかなり優位な形で進めてきた。それ以降の大会中止の中練習試合の経験不足にあって、強い勝ち方を続けてこられたのは、2018年から進化した、練習によって培われた個々の力に、21番22番という日本代表強化選手にも選ばれるような才能豊かな選手の力も加わったからではあるが、地味ではあるがゴーリーを中心にしたDFの確かな力をベースにできたからだと見ていた。それに対して、有効な攻撃力を持つのはどの高校なのか?その辺りに注目をしていた。
前述のとおり、Best8 日本大学中高vs大妻多摩、聖ドミニコ学園vs目白研心、東京成徳大中高vs都立飛鳥、横浜市立東vs神奈川県立鶴見 となり日大中高、聖ドミニコ学園、東京成徳大中高、横浜東が先ずは順当にBest 4となった。
無敗記録を継続中の日大中高AQUA,久々にBest4まで進出した聖ドミニコ学園Cheers、春宿命のライバル 東京成徳大中高BRAVE YOUTHと横浜東EastGirlsというBest 4の戦いは、興味深いものとなった。
こぶ平