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【こぶ平コラム】ラクロス 関東学生リーグ女子の進化

前回、関東学生ラクロス、特に女子ラクロスの進化に関して、特に1部の今年が凄いことになってきています。

その前に軽く歴史の振り返り。

関東学生リーグ女子1部は1988年東京女子体育大学の優勝から始まっています。
それが、日本の女子ラクロスの始まりもそこからで2011年まで、おおよそ、体育大的な大学がTopを占めてきた(例外は学習院と立教大学でした)
ところが2011年立教大学さんの優勝以来、慶應慶應、明治明治明治という優勝の歴史。そして日体大以外の東京女子体育、日本女子体育、東海大学さんは2部に陥落をし、東海大学さん以外は2部に埋没しようとしている。

それが、関東1部の進化の結果だというのが、私のラクロスの進化論の中心です。
詳しく述べていきます。

2009年の第1回全日本大学選手権はエポックメイキングでした。
優勝は女子が東海大学、男子が一橋大学という全国的にもBig Nameではない大学が日本一になりました。

特に女子はその後のラクロスに変化が表れています。1対1の強さだけで点が取れてきたラクロスから、明確な意図で崩しを行う、その方法論として、1on1の強さ、フォーメーション、ゴール裏からの攻撃の作り方、ドローの強化、パスの速さを考え、ライドの方法論も変えてこられた。

その中で、慶應義塾大学さんの初優勝により一つのラクロスの方向性が示され、それに対抗する形で一気に時代をリードする事になった明治大学さんが一つのスタイルを作られた。

即ち、全員攻撃全員守備、徹底したグラボの支配をするための、働きかけの改善だと見ています。
それは、(たぶん)圧倒的な練習品質の向上により、明治さんの基礎チーム力を上げて、総合的な強さの目的地を前年度の先に置くことができています。

従って、ある程度の個の力があっても、1on1だけに頼った形の旧体育大系のラクロスは最早通用しなくなっており、そこに頼ったり、圧倒的な個の力が出てきた時は強いというラクロスから脱却できない学校はあっという間に下部に埋没してしまう状況になっています。

そして、今年3年連続の明治大学さんの優勝を阻もうとするというより、さらにレベルアップしたラクロスをしたい学校と、明治大学さんを目指す学校が自分たちを磨く。さらに明治大学は今季さらに伸びようとする。
一段高いと思われていたレベルを目指すことが、結果的に2段階ぐらい高いレベルに押し上げているのが現状です。

そして、その一つの形が慶應義塾さんです。
昨年のUS遠征により、得られた知見をベースにチーム力の向上の方向性を数段上の運動量と持続力をベースに高速、高性能ラクロスを目指されています。そして、その目標に向かって例年以上にチームの一体感も強いチームを作られました。
そして、その力はシーズン開幕当初は圧倒的で、そのまま優勝に近づくと思われていました。

ここからが、今日の話の主題。「関東の超進化」
慶應義塾さんの、新スタイル「超高速」「持続力」「展開力」が絶対的優位ではなくなってきた。他のチームが対応をしてきた。ということです。

慶應さんは、初戦対法政戦で、今年力を付けたと言われていた相手を13対2と一蹴します。
その次は9対1 対東京農業と今の1部のチカラからすると、とても強さを示されたものです。
しかし、その次の対東京学芸戦では前半リードを許し、後半逆転をする6対2というゲームとなりました。
1試合の事だと、練習過多やもしかしたら、気のゆるみ?であったかもしれませんが、今期の重要ポイント。対東海大戦で前半0対2からの4対3.後半3対4の引き分けとなります。

これが意味することはなんでしょう。

ちなみに、試合後関係者の方にお話をお聞きしたところでは『今季最高の試合だったと思う』ということでした。

実は、対学芸、対東海戦で共通していることがあります。前半慶應さんのチャージングが多くなっているということです。

一方で、3年連続関東王者になられた明治大学さん。

明治大学さんは、どのレベルが日本一に届くのかをわかって(もしかしたら数値化されているかもしれません)分かっておられるはずです。そして日本一に届かなかった。そこから今年のチーム作りが始まっていると思われます。そしてその基準を持っておられるのは明治大学さんと関西学院大学さんだけなのです。

そこから、始まった明治大学さんのチーム作りは例年以上に早かったと思います。そして春のレベルが基準でどんどん伸び続けている。そしてどこに到達すべきかを分かっている。そして、一番の強さは、その高みを行くための努力を選手の皆さんが惜しまない事だと思っています。そして、開幕戦2016年度と同様、立教大学さんを圧倒してここまで連勝。

明治さんも順調なようですが、前戦 対青山学院で 抵抗に合います。それは、不調ではなく、青山学院さんの進化が追い付いてきたという事だと思います。もちろんまだ余裕があるのかもしれませんが、少なくとも攻撃に入ったところでの良さは青山学院さんの方が多かったかもしれません。しかしながら、負けないのはある意味経験値が大きいと思います。

その経験値を超えるチームが出るのか?

残りの明治学院さんか、日体大さん?それともFinal4? やっぱり日本一?
ただ、明治さんの進化を超越するものがあるとかわるのでしょう。そういうものがFinal4でみられるような気がします。そこには、進化した明治さんに勝つ超進化があるはずです。

ところで、慶應さんとリーグ戦B組の進化ですが、勝手にこう思っています。
慶應さんの練習はハードで優れたものでした。従って開幕戦から想定通りのパフォーマンスが見せられました。そして、練習は積まれてさらにアップするのですが、今の1部ではそれに追随するチームが出てくるという事です。それが進化。

故に、慶應さんの想定では、ここで攻撃を仕掛けると、フリスぺやDFの反則が取れるか、抜き去ったのが、想定以上に相手が対応をしてきているので(DFのポゼッションが取れている)のでATのチャージングが生まれている。

しかし、後半には凌駕できた東京学芸戦だが、層の厚い東海大戦は離しきれなかった。
それがこの2試合の意味ではないかと思っています。(まったくの私見です)

ちなみに、先に申し上げた通り、慶應義塾対東海の1戦は今季1番のレベルの高さだったという関係者の言葉があります。つまり、両チームがレベルアップしてきています。

これが、関東学生女子の超進化 です。

チーム関係者の想定するレベルを超えた、選手の進化は選手や、トレーナー、マネージャー等の皆さんの努力の賜物なのでしょう。そして、その歩みをやめてしまったチームは生き残れないのが、関東学生リーグ女子1部です。

それが故に、1部最下位のチームといえども、2部1位のチームが容易には勝てない訳です。

これから、起きるドラマは全て、そんな進化の過程で起こる凄絶なものになるかもしれません。
この記事が出るころには結果が出ているかもしれませんが、30日の早稲田対慶應義塾 10/8 日体大対明治 10/9の東海対東京学芸のような試合からは目が離せません。

是非進化した、関東学生リーグ女子の戦いをご覧ください。

ご意見もよろしく。

こぶ平



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