2021年ラクロスを振り返る~全般・総括~今年のキーワードは”変化”
こぶ平コラム2021年 コロナ禍で色々な制約を受けたものの春から、Teen’sからクラブ、大学まで100ゲーム以上はカバーできた事、ラクロス協会を始めクラブ連盟、学生連盟、中学高校女子ラクロス連盟とラクロスプラスさん他関係者の皆様に感謝の気持ちで一杯です。又、拙いコラムや、実況ツイートをご覧いただいた、ラクロスファンの皆様にも大感謝です。会場で、感想をお伝えいただく事が何よりの後押しになっていました。本当にありがとうございました。結果として、最後の全日本選手権の妄想で大学生の活躍予想ができたことで、少し恩返しができたのかなと思っています。
今回は、今年の締めくくりとして、全日本選手権の振り返りと、2021年ラクロスの総括をしていきます。Teen’s、大学、クラブ 他個別の詳細総括は来年早々にもお届けする予定です。
2021年のラクロスを一言で総括すると”変化”だったと言える。
ラクロスを取り巻く環境の変化が加速された中、’ラクロス協会の変化’’クラブラクロスの変化’’大学ラクロスの変化’’Teen’sラクロスの変化’’ジュニアラクロスの変化’があるのだが、その中で一番大きな”変化”は男子ラクロスだったと考えている。
ここで、全日本選手権を振り返り、その意味を示したい。
前回のコラムで、私は全日本選手権の予想を
女子 日本体育大学 5 対 10 NeO
男子 慶應義塾大学 8 対 7 Stealers と2019年と比べると大学生の健闘、とりわけ男子は1998年以来23年ぶりの大学生の日本一を予想した。結果的に
女子 日本体育大学 8 対 12 NeO
男子 慶應義塾大学 8 対 5 Stealers と予想以上に大学生の健闘、とりわけ慶應義塾大学についは本当に23年ぶりの日本ラクロスの王者となった。そういう意味で”変化”というのが今年のキーワードであり、男子ラクロスというのが”変化”の象徴となったシーズンだったと言える。
大学に共通していたのは、シーズン当初からの不安を払拭し成長、進化を遂げ、最後まで挑むという断固たる決意をショットに込められた事ではないかと考えている。その象徴的なプレーは、女子日本体育大学10番藤井選手、慶應義塾大学1番中名生選手の絶対に決めるという決意に満ちたブレイクプレーだった。逆にクラブチームは、その優位性の内、体力的なもの、スピードの優位ではなく、パスからのブレイクや、極論すればスタイリッシュに進めすぎた結果、上記の結果を招いたと考える。そんな中、女子では11mのミドルショットが4点あった様に絶対的強みを出せたことが最後の差になった。逆に男子は、ミドルからのショットにおいては絶対的優位を持っていたはず(言い換えれば、今年の慶應義塾はミドルショットに弱さがあったので、インサイドで勝負する決意を落ちやすかったのかもしれない)ほぼそれを見せることなく3Qまで抑え込まれたのが敗因となったと見ている。
結果的に 女子 NeO の3連覇 男子は慶應義塾大学の 23年ぶり6回目の 日本一となった。
男子ラクロス 変化の象徴 だった。
何故、男子ラクロスにこのような変化が起こったのか詳細は別途書くことになるが、この変化が良い方向の変化だったかというと、ラクロスとしては男子のラクロスは世界との差を縮める変化だったとは言えない。個別のクラブ、大学での変化が大きかったのだが、結果に結びつくのはまだ先の事となった。しかし、男子ラクロスの第3世紀元年だったと言われる年となったのかもしれない。歴史が語ってくれると信じている。
女子に関しては、大きな変化ではなかったが、日本体育大学が示したスタイルは今後の大学のテンプレートになるであろうし、これを破りもっと強いラクロスをもたらすために、大学選手権で惜敗した同志社大学だけでなく各地のラクロスが活性化すると確信している。
ただし、クラブチームとしては、日本代表チームの中核をなしている事を考えると、1on1でブレイクされたディフェンスに関して不安を感じずにはいられなし。2022年世界選手権が開催されるまで7か月しかない。世界ベスト4を目指すためには大きな変化を求めにくいとすると、長所を磨くという方苦への変化が必要だと考えるのだが、いかがだろう。
最後に変化について
①ラクロス協会と取り巻く環境の変化
無観客試合に対応し、Streaming配信を定着させた効果は大きい。全国のチームが髙レベルのラクロスを見ることができる機会は、コロナ禍の何十倍も増えた事により、地域格差が小さくなる方向に変化が加速する事になる。その変化を続けるためにも、一般を含めたサポート(資金を含めた)プランの進化も加速されたい。
②クラブラクロスの変化
男子北海道クラブリーグから、全日本クラブ選手権に初参加を果たすなど広がりを見せる反面、東日本クラブリーグの優位性に変化はなく、むしろコロナ禍でその差が広がった感がするのは残念だ。さらに東日本では絶対王者のFALCONSが分裂(と言っても良い)という形で戦力を減少た結果Stealersが優勝したともみられかねない状況となったのは、変動の過程では良くある事とは言え、大きな変化だった。強さを見せたGRIZZLIESの来期以降の進化がその変化の結果の指標になる。世界を目指す為に必要だったのか、それとも単なる日本での頂上争いなのかという意味で。
③大学ラクロスの変化
大学ラクロスにおいては、一番コロナ禍の影響の大きかった関東の優位性がなくなると思われた1年だったが、結果的には大学ラクロスという大きな枠で考えると最も、変化が少なかったのが大学ラクロスだった。関東チャンピオンになる為にわずか4試合の機会しか与えられなかったのに対し、フルシーズンを戦えた東海以外の地区の全国での戦いに期待が持たれた1年だったが。個別の2地区戦や、二地区vs北海道地区戦では岡山大学の戦いや、関東同様にハンディキャップを抱えた、男子名古屋大学、女子南山大学の戦いぶりなど注目すべき点はあったが、学生選手権決勝に見た、関東と関西の差、特に男子の差は大きかった言える。この男子学生ラクロスの差というものは、根源的なものがあると考えざるを得ない。逆に’変化’が必要とされている。
④Teen’s ラクロスの変化
2018年秋から2021年春までの日本大学高校の、覇権体制から群雄割拠のTeen’sのあるべき姿に変化した年だったと言える。関東ではコロナ禍で活動が低下した2020年から、秋の新チームでは熊谷女子高校等の復帰、などの明るい展望も開けた年だった。特に伝統校の都立飛鳥高校の秋のベスト8進出や目白研心中高の初のベスト4進出の変化。二部では初の決勝進出をした、埼玉の本庄東高校や初のベスト4進出を果たした岩倉高校など新興勢力の台頭などの変化。そして、二部で優勝を果たした慶應義塾女子高校のラクロスには新たな可能性を示したという点で更なる変化が起こりそうな期待がある。
一方関西では大きな変化があった。従来同志社高校を頂点とし、立命館宇治高校、関西大学高校、京都外大西高校、京都府立洛水高校、箕面自由学園高校の6校のリーグが、常翔学園高校の本格参加に、大阪国際滝井高校の秋からの合同参加と広がりを見せる嬉しい変化が見られた。
全ての変化が2022年さらに良い方向に向かう事を願い、又2021年がに本ラクロスの新世紀と言われるようになるのではないかという思いとともにコラムを締めくくりたい。全国のラクロッサーの皆さん、2022年こそはコロナ禍から解放され、2年の蓄積を爆発させるシーズンとなるはずです、是非ここから半年力を蓄えてください。そして世界選手権代表に選ばれる選手の皆さんはベスト4を抜ける為には何が必要か考え、それを身に着けた人のみが選ばれると信じて進化してください。
最後に、ラクロスファンの皆さん、2年間観戦ができなかったラクロスも来年は観戦できるはずです。是非グラウンドでの観戦にお越しください。それが選手の大きな励ましになります。2022年のラクロス公式戦は3月の全日本中学高校女子ラクロス選手権から始まります。それまでにもラクロスの情報は発信します。来年も本年同様宜しくお願いします。
I wish you a Happy New Year.
ラクロスって、やっぱ最高
こぶ平