【デュアルキャリアラクロス】杜の都の星空ラクロス|星 奉博 #2
2、学校現場では
学習指導要領的にはどうなの
さて、先ほどラクロスを知ってもらうためには色々なものに紛れさせると述べさせていただきました。
私は仙台市で教員をしていますので、授業でラクロスを取り扱ったことがあります。もちろんラクロスは教科書に載っていないスポーツです。教員が教科書に載っていないスポーツを指導しても良いのでしょうか。学習指導要領的にはセーフなのでしょうか。
体育科には様々な領域があり(運動領域では7つ、保健領域では5つ)、その中にボール運動系の領域があります。
そしてボール運動系は「ア)ゴール型」「イ)ネット型」「ウ)ベースボール型」で構成されています。
扱う競技は以下の通りです。
アはバスケットボール及びサッカーを,イはソフトバレーボールを,ウはソフトボールを主として取り扱うものとするが,これらに替えてハンドボー ル,タグラグビー,フラッグフットボールなどア,イ及びウの型に応じたその他のボール運動を指導することもできるものとする。なお,学校の実態に応じてウは取り扱わないことができる。
【体育編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 第5学年及 び第6学年 の内容より
このことから、ラクロスは「ア)ゴール型」に当てはまるボール運動になります。
学年によってもちろん目標は異なりますが、共通して言えることは、
- 得点を取るために友達と協力して攻めたり,得点されないように友達と協力して守ったりしながら,競い合う楽しさや喜びに触れることができる運動(遊び)であること。
- 基本的なボール操作とボールを持たないときの動きを身に付け,ゲームを楽しむことができる運動(遊び)であること。
これらを満たせれば、どんなスポーツも取り扱っても支障はないと思われます。なんて言ったって体育科は
「生涯にわたって心身の 健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成することを目指す教科」
なのですから。
ラクロスでも十分に満たせると思いので、同じく教育現場で奮闘なさる先生方。どんどん授業でラクロス扱っていきませんか?
ラクロス=遊び
先程、授業でラクロスができると声を大にして言いましたが、実際には時数が限られています(5~7時間)ので、何時間も指導することができません。
ですから、限られた時間で、子どもたちに何を身に付けさせたいのかを明確にしてから指導する必要があります。
パス、キャッチ、シュート、GB、ボールキャリア、オフボールの動き、ディフェンスの動きetc…
皆さんなら、何を指導しますか?
私は、「遊び方」を教えます。
1本のクロスと1個のボール。これを使って、遊ぶことができるように指導します。そうすれば、休み時間に勝手にクロスとボールを持って遊びに行くことができますから。
” ボールを上に投げてキャッチ “
ただそれだけのことでも、子どもたちは一生懸命に取り組みます。できると嬉しそうに笑います。
そしてどんどん自分で難易度を上げていって
「先生!僕こんなことできます!」
と新しい遊び方を見つけます。それを見た友達が真似をしていきます。
できることが増えてきたら、教師から新しい課題を与えていきます。
それが、的当て(シュート)であったり、鬼ごっこ(ボールキャリア)であったり、宝運び(オフボール、ディフェンスの動き)であったりと、遊びの中でゲームに必要なスキルを自然に身に付けさせます。
そのようにして、限られた時間の中でも、遊びながらラクロスを指導することができます。
スポーツの一番の醍醐味は、
「できるようになった喜びを感じること」だと思います。
ラクロスは正直とても難しいです。しかし、どんな小さなことでもできるようになったとき、「ラクロスは楽しい」「体を動かすのが楽しい」と思うようになると思います。
私はそれのお手伝いをしているだけです。
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最後に…