こぶ平コラム

【こぶ平ラクロス】関東地区「女子ラクロス」1部リーグ振り返り

皆様へ、「ラクロスについて書くことに専念します」宣言をしてからのコラム第2弾 関東女子1部2部編をお送りします。

8月に


をそしてその後の

を掲載しましたがその検証と、今を書いて行きます。
今年も関東女子は切磋琢磨していました。

7月に「さあ 2002年のラクロスが始まる»»»ラクロス新世紀に向けて」をそしてその後の「関東学生ラクロス(女子)の開幕から見えたもの」を掲載しましたが先日1部2部の最終戦が終了しました。その検証と、今からを書いて行きます。

関東1部女子は予定調和?

「新世紀ラクロス編」で、質的な変化を予想し、「開幕戦で見えたもの」では東京農業大学と中央大学のファイナル4への可能性を書いたところまでだったが、9月半ばで、一気にリーグ戦の流れが決まった。結果から言えばAブロック 1位 立教大学、2位 明治大学 Bブロック  1位 慶應義塾大学 2位 日本体育大学 という予定調和的な結果に落ち着いたように見えるが中身は«新世紀に向けて»という要素が一杯詰まっていたブロック戦だった。特にAブロックは最終戦の中央大学vs青山学院大学の結果次第で歴史が変わるという所まで行った。その辺から振り返ろう。

Aブロック

前回コラムで、フィーチャーした中央大学の快進劇はその後の立教大学戦で止まるも2Qからの果敢な攻撃は互角の戦いを繰り広げ、格上と見られた早稲田大学に対して11対5と快勝をして、最終戦青山学院戦に12点差以上の差を付けて勝てば明治大学を逆転し復帰即ファイナル4進出するという歴史的快挙を成し遂げる所まで進んだ。(後程青山学院大学戦は詳しく語る)それに対して早稲田大学は良いパフォーマンスを見せながら終盤に勝ちきれない試合を重ねる事になった。
一方のトップ2校は良くラクロスを知るチームとして安定した試合運びでブロックを勝ち抜いたと言える。直接対決での差は、試合経験の差と、運動量を上回るスキルセットの多さに有ったという思いが強い。ファイナルへ向けたアタックの連動力の強化こそが明治の可能性を広げると見ている。

Bブロック

前回の「開幕1ヶ月」編で注目した東京農業大学も、中央大学同様ブロックリーダーの慶應義塾大学への挑戦は敗戦に終わるも、最終戦の成蹊大学を3Q、4Qの大逆転で強い攻撃力の東京農業大学を強烈にアピールして初のブロック3位。2016年初の1部昇格から連続で続いていた入れ替え戦出場の厳しさを初めて回避した。又強力なアタックを擁したが、ディフェンスに難を抱えて苦戦をした東海大学は、日本体育大学戦の直接対決での逆転ファイナル4を目指してディフェンス陣が意地を見せ奮闘したがエースに決定的な仕事をさせなかった日本体育大学が6対7と逃げ切りファイナル4を決めた。東海大学のエース11番冨森選手の得点王は揺るがないが、チームの進化が一歩遅れた事は残念だ。来年はチームとしての総合力、2009年に優勝した時のような一体感が求められる。しかしそういうチームになる予感を覚えた一歩進化を見せた 日本体育大学戦だった。
一方で明治学院は圧倒的に強いオフェンスのチームが固まったBブロックでは中々持ち前の粘りのあるラクロスが展開できなかった。それでも1部で敗戦続きであった中、法政大学との10対10での引き分けは意義深い物となったはずだ。

こぶ平’s アイ

☆早稲田大学の予選での進化の停滞については確かな証明は得られていないが、

  1. 絶対的な経験不足
    コロナ禍でどこまで試合の経験ができたかが不明だが、恐らくかなり、高いレベルでの試合経験が少なかったように見えた。それは自分達のペースで行えた時と、ペースを奪われた時とで、何をすべきかがチームとしても共有できていなかったように見えたのでそう推測した。
  2. ショットの精度とショットのスピード不足
    これはある意味どこのチームにも共通だが、明らかにトップチームとの差はショットの決定力にあるように見えた。ショットの上手さはあるが、それを決めきる、ショットのコースの選択、ショットのスピードに差が有った。
    一つは男子にショットの撃ち方を教わって、筋力の強化も行うことも(女性特有の柔軟性のある筋力)も得策かもしれない。
  3. 男子の時にも書いたが、少しずつ何かが不足している場合には、簡単な処方箋はない。全てのプレーを検証しその一つ一つについて具体的な対策を積み重ねる事が近道であるし、何が足りない、悪いのかを分かる為にもラクロスをもっと理解する必要があるのではないか。

☆中央大学の躍進については、一番には10年に及ぶ長期の強化策と、前回の1部への挑戦時からの反省に基づいた準備の賜物であり妥当な結果と考える。そして最終戦となった vs 青山学院大学戦について語っておこう。

‹最終戦前の状況›
中央大学は、12点差以上の勝ちで明治大学を総得点で上回り女子ラクロス部史上初のファイナル4進出が果たせる。一方の青山学院大学は既に降格の危機を逃れ、勝ってもファイナル4を望めない状況に有った。こういう状況下で起こりうる典型的な試合となった。

‹試合経過›
先ずは、試合前に整えたとはいえ青山学院の試合へのモチベーションは高くはなかったであろう。しかもベストメンバーで12点差をつけられるなんて事はないだろうという思いも当然有ったはずだ。一方の中央大学は失うものはなく、挑戦するのみただ、点を取るのみに集中するというシンプルに高いモチベーションが有ったはずだ。
そして始まった、戦いは試合前の想像通り中央の集中力が青山学院を圧倒。前半を9対2 7点差でクリアする。この時点では、明治大学は「胃が痛い状態」だったであろう事は想像できる。何故なら、勝つことを知る明治にとっては、このあとのゲームプランが見えてくるからだ。即ち、12点差勝ちには残り2つのクォーター3対1、4対1であれば良い。3Qで9点差を着ければモチベーションの差は更に広がり4Qの4対1が可能になるというプランだ。この時ツイートで思わず指摘したが、そういうプランで3Qの中央の入り方に注目した。そして3Q中央が1点を追加した辺りから更に勢いを増すのだが、勢いに任せるような動きが出てくると、ミスからのターンオーバーを青山学院に決められ、10対3となった直後の攻撃でも焦っていたとも見える強引なショットをセーブされると、ターンオーバーからの速攻を決められ10対4となり、更に前のめりになった中央は、タイムアウト等のインターバルでも修正が追い付かず。最終的には後半1対8という真逆のシナリオでファイナル4へはたどり着けなかった。残り5点差をどう詰めるかを考えた時に、3Q残り10分で先ずは2点を取りきる事に徹すれば、あそこで無理なショットを打つことはなかったはずだ。勿論部外者の勝手な思いだが、ハーフでの2つのクォーター毎のシナリオの共有、特に3Q15分で3対1にするというのが選手全員で共有されていたのだろうか?という思いは強い。ファイナル4に行くにはそういう戦術理解と実行力が問われると考えさせられた1戦だった。かくして今期の中央大学の挑戦は終わったが復帰後直ぐに3位の座を勝ちとった事は今期の学生ラクロスで最大級の評価をされるべきだと思う。
それは明治大学の心胆を寒からしめた事だけでなく、同様の攻撃的なラクロスを目指した早稲田を凌駕し、中央大学らしさを見せた事も評価すべきである。その先ファイナル4へは更なるラクロスの戦術の理解や、個々のパフォーマンスの向上を、オフになっても怠らない事だと信じるのだがいかがだろう?

☆Bブロックの東京農業大学についても拍手を贈られてしかるべきである。今期の総得点は慶應義塾大学の87点には及ばないものの1部14チームの2位に当たる60得点を叩きだし驚かせた。中高生からの経験者が多いのは立教大学、慶應義塾大学、日本体育大学と類似しているが、今年になって一気に開花したのには注目すべきであろう。4年年生が引退する来年に真価を問われるが、1年生も出場し進化も大いに期待されるチームだ。来年以降リーグ戦が面白くする事に名乗りを上げた1校となった。

☆絶対的強さを見せた、慶應義塾大学と、日本体育大学だが、タイプは異なる。慶應義塾大学は今期 87得点 20失点 得失点差67点という2009年に新制度になってからはもちろん過去にも類を見ないようなパフォーマンスでブロック1位となったが、開幕戦の日本体育大学戦での日本体育大学の未整備チーム状態を考えるともろ手を上げて喜ぶ訳にも行かないのかもしれない。
☆日本体育大学は戦力が整備され、チームでの柱となる動きが出来る選手も育てられて来た。そして運動量的には一番高いものを持っている。昨年極めた日本一への道標もある。注目すべき大学だと考える。

☆Aブロックで絶対的強さを見せた立教大学は、攻守に渡り高い次元の完成度を見せ、個別に見てもアタックの個々の良さが発揮され狙って点が取れる次元にある。デイフェンスもシーズン前には突出した個のレベルに周りとのアンバランス感じたが、終盤に入りクリアするスピード、ディフェンス間のバランスも高次元で取れていて隙がなくなったように見える。他方、明治大学は苦労をした印象があると思うが、正にこれが明治大学の女子ラクロス部らしいと感じざるを得ない。明治大学のシーズン後半へ向けての育成力は定評がある。ファイナル4では失うものはない挑戦者としての明治大学の新しいラクロスが見られそうだ。

これで関東学生リーグ戦男女子のファイナル4が決定した。

ファイナル4は
Aブロック1位 立教大学 vs 日本体育大学 Bブロック2位
Aブロック2位 明治大学 vs 慶應義塾大学 Bブロック1位

今回予定調和と書いた由縁は2019年から4年連続この4校のファイナル4の顔ぶれであり、2019年、2020年は今年と全く同じ組み合わせで2年連続立教大学と明治大学が勝っている。昨年は組み合わせが違ったが、逆に日本体育大学と慶應義塾大学がリベンジを果たしている。同じ組み合わせで、3度目の正直か2度ある事は3度あるのか。
ファイナル4は、共に得点能力の高い1位チームに対して2位チームガどう対応するかが焦点だが、慶應義塾大学の攻撃リズムをどうすれば崩せるかが明治大学の狙いとなるだろう。最大のポイントはドローとなる。ただ従来の明治大学のポゼッションラクロスを展開するのでは苦しいと見ている。立教大学vs日本体育大学の試合はお互いにポゼッションを先ずはキープするところから始まるはずだ。ドローの優位性よりも、中盤での守備の強度や、ゴーリーのパフォーマンスが大きく物を言いそうだ。相対的な決定力は五分と見るが突出した決定力があり、更に進化したパフォーマンスを魅せる存在が輝きだした立教大学の優位性がやや高いと思われるが、どちらにも狙いどころが存在している。そこがはまれば意外な展開もあり得るだろう。そして最後はゴーリーのパフォーマンスが決めそうな試合となりそうだ。

予想は、最終戦の結果や色々な情報も仕入れて又発信する事にする。後ご期待。

因みに1部↔️2部入れ替え戦は
1部Aブロック 5位 早稲田      vs 2部A2位 一橋
1部Aブロック 6位 学習院      vs 2部B1位 横浜国立
1部Bブロック 5位 成蹊       vs 2部B2位 東京学芸or東京
1部Bブロック 6位 法政        vs 2部A1位 日本

★1部Bブロックの最終戦、成蹊大学と法政大学の戦いは予想通りの点の取り合いを成蹊大学が制して5位となり勝ちきれない思いを払拭したはずだ。一方の法政大学は課題となった守備の修正が間に合わず高い得点能力を活かせなかった。

★2部Aブロックの最終戦で日本大学が持ち前の攻撃力を発揮し一橋大学に大勝した。法政大学との入れ替え戦はレキシテキナ点の取り合いになる可能性がある。見る方は楽しみだ。

★2部Bブロックのみまだ最終順位が決まらず、東京学芸大学と東京大学の決戦の結果により2位が決まる。史上初の東京大学の1部挑戦がなるのか?東京学芸大学の再挑戦となるのか?これも激闘が予想される。

又、1部7位の日本女子体育大学、明治学院大学、2部Bブロック6位の日本女子大学は自動降格となる。
そして、関東学生リーグ戦のプレイオフファイナル4は今週10月15日(土)に女子。11月16日(日)に男子の戦いが始まる。観戦は有料。定員が1000名程度両校の応援団が入ることを考えると一般観客は早い者勝ち。そして2試合見たい人は2試合分のチケット購入が必要。ラクロスファンには痛いところだが、2000円払う価値があると保証できる。

チケット購入は PEATIX アプリで
因みに女子は こちらから 購入できます

まだまだ、3部、4部はこれからラクロスは続きます。皆さんこの情報を元に生で試合を見てください。今は申し込めば見られますよ。

ラクロスって最高
こぶ平

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