【こぶ平ラクロス】第13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会準決勝|同志社高等学校 対 横浜市立東高等学校
第13回全国中学校高等学校女子ラクロス選手権大会については2日目の準決勝 東京成徳大中高 対 日大中高 までお伝えしてきましたが、今回は準決勝の 同志社高vs横浜市立東高 の試合の模様をお伝えしていきます。
準決勝第2 同志社高等学校 3vs6 横浜市立東高等学校
結果は 3対6 横浜東高の勝利
この試合は準決勝1と異なり。一言でいうなら典型的なガチンコのぶつかり合いという事になった。
昨年秋の関西大会で優勝した同志社と関東大会で準優勝の横浜東。ともに全国大会での優勝経験を持つ両チーム。1回戦をともに強い形で勝ち切って臨んだ戦いは、攻守の切り替えも速く、ゴール前だけではなく、前衛から中盤にかけてのチェックの厳しいタフなゲーム展開となった。
過去の大会で、大きく速い展開で関東にないラクロスを魅せて衝撃を与えた同志社高校に対し、関東の第五代表から全国大会を制し衝撃を与えた横浜東。ともに運動量に富み、又自分たちの武器、戦術を理解したチームであり、東京成徳大中高vs日大中高戦とは別の意味でハイベルな試合となった。
準決勝の試合前の状況
★同志社高
1回戦の目白研心戦で、関東に初披露のラクロスは選手の体躯も良く、鍛えられたチームはワイドな展開から縦への思い切った仕掛けをする。その形で戦い切れた事で、改めて戦える自信を高めていたように見えた。
★横浜東高
1回戦でチーム全員を試合で試せた事と、故障を抱えていた選手も動けることが確認でき、横浜東らしい運動量の多い流動的なプレーから相手へ高負荷を掛けるスタイルが駆使できると、こちらも自信を高めていたように見えた。
この試合のポイントは、雨が降る冷たい中連戦で運動量が保てるか。前半終了後のインターバルの影響が大きかったチームが苦しんだ形だった。
試合レポート
<1Q>
この試合、いきなり同志社19番のドローブレイクで横浜東のゴールに襲い掛かる同志社、28番9番等がその体躯を生かしたプレーで横浜東の自由を奪うと、ターンオーバーから9番のドライブ、リスタートから裏でワイドな展開を仕掛け最後はセンター19番へ渡りクリーンに決め、まず同志社らしさを見せつける形で先制すると、横浜東の中盤のチェックもはねのける強さを示した。ただ、同志社にはパスキャッチのエラーが出て連続性に欠ける試合運びとなり、ダウンボールへの集散で対応した横浜東が徐々にポゼッションを回復すると4,51,71,82番が仕掛け、9分過ぎ、横浜東は相手ゴール前 混戦下ダウンボールをスクープした2番がゴールを決めこれも又横浜東らしい、粘りを見せたと言える。試合はそのまま 1対1 で1Qを終えた。ともに、自分達らしさを出しながらも相手の出方を探り合うそんな1Qとなった。
<2Q>
同志社のドロー優位は変わらず、どうしても受に回らざるを得ない横浜東、厳しいチェックで対応するも反則となり、始まった2Q。又しても同志社2番のセンターブレイクが決まり同志社の優位が続くかと思われた直後のドロー、同志社にコントロールさせず、横浜東の51番がスクープラン。一気のクリアは同志社MFを置き去りにし、よく先を見て放ったフィードは0番へと渡り、ダイレクトで打ち込むだけ。鮮やかな速攻で 2対2 と追いついた。しかしその後も横浜東にプレッシャーをかけ続ける同志社。同志社動きの良い9番、23番、28番の仕掛けに対し身を挺して防ぐ横浜東。それでもダウンボールに対しての動きは五分でそこから、思い切った速攻を狙う。6分過ぎには相手のフリーシュートをセーブしたゴーリーからボールを受けた10番が同志社のライドを交わすと、#82-#4-#12と繋ぎ一気にゴール前。しかしショットは同志社の73番ゴーリーがセーブし点を許さない。しかし、横浜東の一瞬の切り替えの早さは同志社のお株を奪うように見えた。このころから、同志社側にボールが納まらなくなり攻撃への切り口が見えなくなる。対する横浜東は、0、4、12,51,71、82でボールを動かしペースを握ると9分過ぎ 82-12の縦ラインが繋がり一気にブレイクショットが放たれると、ボールは同志社ゴール右上隅に吸い込まれ 2対3 と横浜東が逆転に成功した。2Qの後半は、集中力の高まった横浜東がペースを握ったと言える。 2対3 横浜東高がリードする形で前半を終了した。
<3Q>
冷たい雨が止むことなく両チームの選手の体力を奪っていく中2Q開始直後、同志社ドローで奪ったボールをキープできず、ダウンボールスクープした横浜東0番の一気のドライブでブレイク 2対4 とすると、横浜東82番がドローを獲得、ゴール前に迫ると71番の仕掛けがファールを誘い、フリーショットを得るとランブレイク奏功する。この時のクロスがイリーガルで得点は認められなかったものの、東の勢いが止まらない。同志社のダウンボールを見逃さず奪った39番の高速クリアから作ったチャンス、51番が裏からメイクしブレイクするも、ここはかろうじて同志社のゴーリーがセーブして凌いだ。しかし同志社のターンオーバーも、完全に同志社の攻撃に対応し始めた横浜東、早いチェックからターンオーバー。ポゼッションからボールを回し裏からセンターへ。今度は4番がダイブ、ブレイクし2対5とリードを広げたのが7分過ぎ。しかし、同志社も直後のドローを取った9番から32番へフィード、一気のドライブ、ロングランシュートを決め返し試合はヒートアップする。息を吹き返した同志社の強い攻めが復活、横浜東が懸命に守るも同志社78番のブレイクにダブルディフェンスもたまらずファール。しかし横浜東のゴーリーがセーブし3Qは終了した。 3対5 横浜東高校のリードがわずかに広がったが、力のぶつかり合いはタフな展開の4Qを予想させた。
<4Q>
雨の弱まった中開始された4Q、同志社のドローも、キープできずダウンボールを奪われ、クリアを許すとゴール裏、横浜東29番から0番へ繋がれ一気の裏まくり、ターンでディフェンスガはがされフリーを取られ、ショットを許す展開。 3対6 とされたのが開始2分。まだ残された時間も多く同志社の反抗には十分な余裕があるように見えたが、同志社のクロスからボールがこぼれる場面が多く、そこを横浜東にリカバリーされ攻撃に繋げられないジリジリする展開が続く。その間横浜東の速攻を交えた余裕の攻めに、徐々に焦りも加わりショットも打たされる形に追い込まれ、2Q以降最後までペースをつかめないまま試合を終える事となった。
試合総括
この試合については、冷たい雨が体力をむしばむ中、エラーを少なくし着実に縦へのドライブを生かした横浜東のひたむきさが光る形となった。又準決勝の 東京成徳大中高 vs 日大中高戦 とは異なる、粗削りなチームの躍動感が見どころだったのだが、改めて春、そして大学へと進化していくポテンシャルを感じさせる力にが溢れている試合となったと言える。
天気の良い時にもう1度見たい試合だった。
次回は大会3日目の、決勝戦を中心に書いていきたいと思います。
ラクロスって 最高!
こぶ平