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【こぶ平コラム】学生リーグ戦あれこれ①(関東学生リーグ女子4部)

ラクロスも、2018年度リーグ戦は終盤を迎えて、関西、関東の下部リーグを残すのみになりました。皆さんの、ご興味はプレーオフから全国大会へと移っていると思いますが、ここで関東、東海、関西の下部リーグにフォーカスを当ててみます。

じつは、ここで意外な問題点が浮かび上がってきました。

関東地区は女子4部 59校 男子3部 40校
東海地区は女子2部 16校 男子2部 13校
関西地区は女子3部 36校 男子3部 21校
というのが2018年度の登録校数

協会のデータによれば、ラクロスのプレーヤーからすると、増加傾向にありますが、
実はチーム数、とりわけ関東の大学女子のチーム数は減っています。

これは、関東の大規模校の選手数の大幅な増加が数値を上げているからです。私はこのコラムで、チーム数の現象と、小規模校、関東、関西以外の地区のチームの移動の問題等の関係に関して考察していきたいと考えています。

その1回、関東の下部リーグの状況から、ラクロスの抱える問題を考えてみます。

先週末10月20日に関東学生リーグ女子4部 神奈川大学 vs 駒沢女子大学 という試合が行われ、4対6で駒沢女子大学が勝利して昨年のリベンジ(6対9と神奈川に敗戦2位に留まる)を果たすとともに2010年以来の3部との入れ替え戦に進出を決めました。
そして、2010年の3部との入れ替え戦が、これまた神奈川大学が相手で、5対8で敗戦。
3部返り咲きを逃しています。

歴史を紐解くと、2004年に4部に降格以来の3部返り咲きに挑戦する形です。今回駒沢女子大学さんの歴史とともに、関東学生リーグの歴史トリビアの紹介から問題点を考察してみます。

駒沢女子大学ラクロス部は1992年創部、私が辿れる記録では
1998年 4部3位から、2002年3部昇格を決め、2003年4年3部で戦い、以降今まで4部で戦い2010年入れ替え戦進出以降、4部でラクロスをする大学の一つになっていた形です。

私のメモリーには2012年の最終戦がインプットされています。相手は立教女学院短期大学、立短は聖徳大学との得失点差6点を逆転するべく攻撃を仕掛け18対1で駒沢女子を破り逆転3部昇格へと進みます。その時の駒沢女子大学は本当に叩きのめされ、3試合で得失点差―(マイナス)44点というどん底を経験します。

歴史的には、そういうところから、チームが衰退しそのままチームがなくなるケースが多く見られます。

関東女子では2000年からの18年間で、亜細亜大学を始め11校の大学チームが活動を停止し、今年は59校の参加にとどまっています。来年は立教女学院短期大学の学校の歴史が終わり58校の参加になるわけです。

過去、リーグ戦に参加人数不足で参加できなくなってから、復活した大学は現在では明星、埼玉、創価、淑徳大学程度で、新しく加盟した大学は西武文理、高崎経済の2校にとどまります。現実的には、女子ラクロスは衰退の傾向にあると考えてもいいのでしょう。

そういう意味では、どん底から復活した、駒沢女子大学チームは30名前後のチームのロールモデルになり、ラクロスを普及するうえでラクロス協会を含め各地の大学は参考にすべきモデルなのではないでしょうか?

男子については、様相が異なります。これは又別に考えましょう。

さて、駒沢女子大学の復活の陰には、3つの要因があったように見えます。

どん底から這い上がろうとした、選手のモチベーション
それを支えた、OG(指導者)、保護者、(学校もでしょうか)
新歓の成果

それぞれを、どのように高めたのか詳細は、いずれ取材をしたいと考えています。

実際に目で見えるところでは、TwitterやInstagramでの発信が増え、内容も多岐に渡ってきています。又、クラブリーグのチームとの合同練習等にも力を入れてこられています。(そういう活動をしたいと思い立ったのが、選手からなのか指導者の働きかけからでしょうか?)こういう活動の見える化というのは、中々多くの場合できません。1部校でも不足しているケースはあります。スタッフの多寡ではなく、少しのモチベーションと結果の検証評価でやる気は高まると思います。

この行為により、結果として得られる物が3つあります。

1)伝える事により、自らの良し悪しを具体化することができる。
2)支援者にも活動の様子が伝わる為、支援者のモチベーションを維持できる。
3)チームに具体的な目標設定ができ、結果の検証責任も明確になる。

間接的には、自らの意見を伝える能力が高まるはずです。それは、就職の面接時には、成果を伝えられる事に繋がります。

ラクロスの場合、強い大学、伸びてきている大学には共通の発信力の高さが見られます。皆さんも1部リーグ、各リーグで上へ行こうとするチームの、SNSをチェックしてみて下さい。できる内容は、各校で異なりますが、意外にSNSでの情報伝達は広がるものですよ。

この辺の動機付けというのは、小さいグループでも進化しようとする活力に繋がり、進化を加速することになると考えています。

3部4部もしくは、準加盟で部員が少なくて困っている学校の皆さん是非、情報発信にも力を入れて見て下さい。 We can change!!です。

因みに、関東学生リーグ参加大学の数の推移です。

2018年 女子:59 (立教女学院短期辞退) 男子:40(城西辞退、国士館復帰)
2017年 女子:60 (立教女学院短期復帰)男子:40(城西加盟、電気通信、国士館辞退)
2016年 女子:59 (創価、埼玉復帰、淑徳、神田外語、聖徳、立教女学院短期辞退)男子:41(専修、淑徳復帰)
2015年 女子:61 男子:39(専修、淑徳辞退)
2014年 女子:61 男子:41
2013年 女子:62 男子:40
2012年 女子:62 男子:40
2011年 女子:64 男子:41
2010年 女子:63 男子:42
2009年 女子:65 男子:40
2008年 女子:65 男子:39
2007年 女子:66 男子:40
2006年 女子:64 男子:42
2005年 女子:62 男子:41
2004年 女子:62 男子:41
2003年 女子:65 男子:41
2002年 女子:63 男子:41
2001年 女子:59 男子:39
2000年 女子:62 男子:40
1999年 女子:62 男子:38
1998年 女子:66 男子:38

女子では 恵泉、川村短期、亜細亜、国学院、カリタス女短、城西国際、明海、文京女子、二松学舎、鶴見、川村女子、聖学院、目白、聖徳
男子では 国学院、聖学院、駿河台、明海
が、もう活動をしていません。
大学の減少という事態がこれから増えそうな中、ラクロスの広がりついて真剣に考えなければならない時代に来てもいます。

今季で立教女学院短期大学が閉鎖されます。しかも、日本版NCAA構想JCAAも動いてしまいます。もう待ったなしだと思うのですが。

Lacrosse!!

こぶ平

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