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【データで語るラクロス #1 】ラクロスチームに分析・アナライジングってそもそも大事?データをどう現場では使うの?

ラクロス界で昔からデータ班というものが存在していて、近年だと『アナライジングスタッフ』というポジションが確立していたりと、 “データで語るラクロス” というものが主流になってきました。

そこで今回はデータラクロスといえばこの人!といったお二人、女子ラクロス界からは柴田陽子さん、そして男子ラクロス界からは長妻頼毅さん、のお二人に「データラクロスの重要性」についてのお話を伺ってみました。

<登場人物>
ラクロスコーチ 柴田陽子さん (東京大学GM、ICU HC、2020年〜ラクロス女子日本代表GM兼HC)
ラクロスコーチ 長妻頼毅さん (武蔵大学HC 2010年〜現在)
MC 小野寺ひより(ラクプラ中の人)

柴田陽子コラム:『社会に出てから大切なことは 全てラクロスから学んだ』全部読みはこちらから

長妻頼毅さん、柴田陽子さん

左:柴田陽子さん、右:長妻頼毅さん 取材場所:9gates.

ー ラクプラ 小野寺:
今回はお二人と “ラクロスにおいてデータ分析が大事な理由” についてお話をしていきたいと思っています。まず長妻さんにお聞きしたいのですが、ご自身が2010年に武蔵大学卒業後から武蔵大学のコーチをされていて、2013年に3部から2部に武蔵を上げ、翌年2014年にはチームを入れ替え戦で勝ち1部に昇格させ、2016年から現在までは1部で戦い続けていますね。武蔵大学自体が4500人と小規模大学でありながら部員も確保し、1部の中でも最小規模の大学ですが、1部で戦い続けるためにデータを分析して、それを試合に生かしている印象があるのですが、データ分析の重要性ってどう捉えていますか?

ー 長妻さん:
データ分析の重要性でいうと、ラクロスって基本的には “戦術の再現度が高いスポーツ” だと思っています。どういうことかというと、イレギュラーが少ないスポーツ。例えばサッカーとかってラクロスと同じフィールドに11対11じゃないですか。ボールの扱いも投げるではなくて蹴るになってくるとラクロスよりボールのスピード自体が遅かったり、実際に相手のDFが多かったりし、DFに引っかかってしまったりっていうことが考えられます。でもラクロスって、基本的にハーフコートに6対6で、一人当たりに与えられるスペースが多いっていうところだったりとか、ボールのコントロールが容易なスポーツだと思っています。勿論、ラクロスにおいてスティックを扱う技術が低ければ容易ではないですけれどある程度のスティックを扱う技術があれば、選択肢がたくさんあるスポーツなので、将棋やチェスのようにどうやって確率を上げるかってゲームになってきます。その時に “再現度の高さ”“確実性が高い”“相手の確実性を下げる” ってところで戦術っていうのは非常に重要な役割になってきます。そのゲームを操作する際に分析が必要だと思っています。

ー ラクプラ 小野寺:
ラクロスは実は将棋やチェスのように駒を進められて、またデータはその試合の戦術を組むための事前情報データっていうことなんですね!柴田さんはどうでしょう?

ー 柴田(しゅん)さん:
私も長妻さんに全く同意ですね。またそれ以外のところでいくと、コーチングをする上で選手に対してデータで話をすることによって、伝わりやすさが増します。例えば “今「6割しか成功しないもの」を「8割成功できるようにしましょう!」” って言ったほうが選手が理解しやすいです。簡単に言えばそういうところでデータ分析をすることにすごく意味があるのかなと思っているので、長妻さんは再現性って言葉で表現していましたけど、数字を用いることによってチーム全員が可視化された状態で分かりやすい目標に対して取り組んでいきやすい、というのが大きいのかなと思います。

ー ラクプラ 小野寺:
逆にお二人からみて、データがない上でラクロスをやるってどうですか?

ー次ページー
ラクロスをする上でデータがないとどうなるのか?

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